2011年、世界ジュニアゴルフ選手権への日本代表派遣のため、日本予選を行うことになり「世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会」が誕生した。前年までは、15-17 歳の部男女代表は日本ゴルフ協会(JGA)の主にナショナルチームから派遣され、それ以下の年齢部門は個人参加になっていた。
井上代表理事は「多くの子供たちに世界で戦う機会を持ってもらいたかった。そのために、世界ジュニア側に交渉して、日本代表という形の出場枠をIJGAにいただいて始めることができた」という。IJGAで代表選手の旅費などを一部負担する形も、IJGAスタッフの努力で各所からの協力を得られた。出場選手の保護者から「行きたくてもどうしていいかわからなかった」「出費が高くて踏み切れなかった」という声が多く聞こえたが、世界ジュニアへの「道」を明確にしたところに意義があった。大会は実施直前に東日本大震災が発生。初年度から中止の危機に立たされた。日程を変更し、会場もPGMの協力などによって関東2会場で行い、6歳以下から13-14歳の部までの男女各1人の計10人が、初めて日本代表のユニホームで世界ジュニアに乗り込んだ。
翌年以降は徐々に派遣枠を拡大。2012年は6歳以下の部から13-14歳の部まで男女各2人、15-17 歳の部の男女もJGA から1枠を得て各1人と増加し、会場も関東、関西で予選、岐阜・花の木GCで決勝大会を実施した。
2013年は九州・沖縄地区、中国・四国地区、東北・北海道地区の3つの予選を増加。予選エントリー者も1000人を超えた。また、派遣枠も「より高年齢層に世界と戦う機会を与えたい」(井上代表理事)という思いから、6歳以下を男女1人と減らし、13-14歳の部と、JGAから全ての派遣枠を託された15-17 歳の部を男女各3人ずつと増やした。
そして2014年。予選会場を、北海道と沖縄を分離して単独開催とし、全国7カ所に増やした。移動の負担を減らすことで、より多くの選手が参加しやすくした。一方で、レベルの高さを維持し、大会のグレードを保つため、予選参加資格にスコアの基準を設けるとともに、決勝大会進出へのスコアカット基準も各年齢で設けた。多くの子供に出場機会を与えられるようにする一方で、世界につながる技術を持つことも求めている。