2020年東京五輪の開催が決まり、2016年リオデジャネイロ五輪からはゴルフが正式競技に採用される。東京五輪では現在の13-14 歳の部以上、その先をみれば、低年齢層にも「五輪」という目標が確実にできている。そのためにも早くから世界に目を向けることとともに「チーム・ジャパン」としての意識を持つことが大切になってくる。
井上代表理事は「世界ジュニアで結果を出すことはもちろん大事だけれども、世界で戦う難しさを身をもって知ってもらい、それを持ち帰って他の選手に伝えてもらう事がもっとも重要だと思っている。多くのこどもたちを連れて行くのは、そうした伝道師を増やしていく意味もあるんです」と話している。
そのために、成績と同じように力を入れるのが「国際交流」。開会式ではこれまで、代表選手は自分でピンバッジなどを持参し、各国の選手たちとの交換するなどして友好を図ってきた。「2013年の代表選手は、メキシコの選手団とスペイン語と日本語で会話していましたしね(笑)。それで意思疎通ができるのをみて、私の方がびっくりしました。言葉を超えたつながりも、世界ジュニアの魅力なんです」と井上代表理事は振り返る。
もちろん、成績も大事だ。年々、世界一の数を増やしている日本代表団。井上代表理事は「せっかく勝ち抜いてきた代表選手。本大会でいいパフォーマンスを発揮するためのサポートをしていく」という。もっともストレスが高いのは言葉の問題や、技術面、仲間意識を高めることなど、世界ジュニア本大会直前に合宿を行って、選手団の結束を強めてきた。「コースにいくと、言葉の問題もあってものすごくアウェーの感じになる。実際のケースを想定して、何を言えばいいかなどを教えておきます。言葉ができないために失格になるようなことがあると、正しい実力がわからなくなる」という。
現地では代表選手は同じホテルに泊まる。年齢別カテゴリーに応じてサンディエゴ周辺11コースを使う広範囲にわたるビッグイベントだけに、選手たちのスタート時間も会場もまちまち。「選手村」では全員が同じ時間に食事を取ることはできないため、弁当やビュッフェ形式の食事で、自分の都合に合わせて取れるようにしている。また、各選手にアテンドの方について頂き、車の移動やスタート前、トラブル時の通訳も対応してくれるようにしている。
「日本にいるときと同じパフォーマンスを発揮してもらいたい。それによって、今の世界レベル、基準を把握できると思っています」と、世界を取るためのサポート態勢は整っている。