13―14歳の部以下の男女各5部門が最終ラウンドを行い、日本選手団(PGM日本代表)は3部門で「世界一」に輝いた。
11―12歳の部女子では梶谷翼(岡山・総社東小6年)は13番のイーグルで突き放し、通算9アンダーとスコアを伸ばして、7-8歳の部を制した2012年以来の優勝を飾った。7-8歳の部男子は矢野仁貴(愛知・東山小3年)が首位スタートからいったんはチャンタナニュワット(タイ)に逆転されたが、14番のバーディーで再逆転し、最後は3打差をつけて初優勝した。6歳以下の部女子の清水心結(埼玉・中尾小1年)は1アンダー53で回り、2位に12打差をつけて圧勝した。その他では、13―14歳の部女子の後藤未有(福岡・沖学園中3年)は1打差3位、6歳以下の部男子の清本貴秀(愛知・向山小1年)がプレーオフで敗れて2位と、惜しくも優勝を逃した。
第3ラウンドとなった15―17歳の部では、女子の畑岡奈紗(茨城・翔洋学園高2年)が通算8アンダー208で2位に3打差をつけて単独首位に立った。男子は杉原大河(徳島・生光学園高1年)が通算3オーバーの9位に後退したものの、首位とは4打差と優勝圏内に踏みとどまった。
【PGM日本代表最終成績】
▽13―14歳の部男子(パー71)
【1位】モー(米国)=203
【17位】大石敦也(広島・井口台中2年)=214
【17位】小木野太優(大阪・豊中第十四中2年)=214
【69位】栗原悠宇(埼玉・藤中2年)=223
▽同女子(パー72)
【1位】チェン(台湾)=211
【3位】後藤未有(福岡・沖学園中3年)=212
【8位】園田結莉亜(大分・大分中2年)=216
【61位】高木美佑(愛知・円上中3年)=232
▽11―12歳の部男子(パー72)
【1位】ピィティパット(タイ)=215
【22位】上野麟欧(兵庫・兵庫教育大付中1年)=223
【47位】森薗大河(鹿児島・高山中1年)=229
▽同女子(パー72)
【1位】梶谷翼(岡山・総社東小6年)=207
【9位】長谷川せら(岐阜・稲羽中1年)=218
【11位】平木亜莉奈(長野・御代田中1年)=222
▽9―10歳の部男子(パー62)
【1位】ジャグラン(インド)=179
【5位】黒田裕稀(兵庫・八条小5年)=184
【21位】清水蔵之介(東京・八坂小4年)=194
【23位】澤田竜成(東京・第二亀戸小4年)=195
【27位】吉田京介(大分・南部小5年)=196
▽同女子(パー56)
【1位】パノ(米国)=159
【2位】川畑優菜(千葉・佐貫小4年)=162
【3位】佐藤夏恋(千葉・白幡小5年)=170
【4位】藤代成実(埼玉・八幡小4年)=173
【10位】森愉生(岡山・老松小5年)=179
▽7―8歳の部男子(パー63)
【1位】矢野仁貴(愛知・東山小3年)=183
【10位】梶谷駿(岡山・総社東小2年)=198
【15位】橋本拓英(三重・南が丘小3年)=203
▽同女子(パー57)
【1位】コベレスキー(米国)=174
【4位】山本実希(栃木・北郷小3年)=186
【6位】酒井理琴(大阪・西淡路小3年)=187
【12位】松原柊亜(栃木・鹿沼東小3年)=197
▽6歳以下の部男子(パー54)
【1位】リッティソム(タイ)=169
【2位】清本貴秀(愛知・向山小1年)=169
※1,2位はプレーオフによる
▽同女子(パー54)
【1位】清水心結(埼玉・中尾小1年)=170
【PGM日本代表第3ラウンド成績】
▽15―17歳の部男子(パー72)
【1位】ション(米国)ニーマン(チリ)アラス(米国)ティーガラ(米国)ホーキンス(米国)=以上215
【9位】杉原大河(徳島・生光学園高1年)=219
【37位】吉田泰基(香川・香川西高3年)=226
【予選落ち】西山大広(香川・香川西高3年)=228
【予選落ち】高橋慧(新潟・開志学園高3年)=232
▽同女子(パー72)
【1位】畑岡奈紗(茨城・翔洋学園高2年)=208
【6位】小倉ひまわり(東京・日出学園高2年)=216
【11位】平塚新夢(茨城・明秀学園日立高1年)=222
【予選落ち】今綾奈(埼玉・埼玉平成高2年)=236
【予選落ち】吉田莉生(埼玉・埼玉栄高1年)=238
【協会広報ライター・赤坂厚】
雑観
11―12歳の部女子で梶谷翼(岡山・総社東小6年)が、2012年7-8歳の部以来3年ぶり2度目の「世界一」に輝いた。5アンダーの首位タイ(3人)でスタートし、前半3つスコアを伸ばしたアンジェリーナ・キム(米国)を1打差で追いかけて後半へ。11番でキムがボギーをたたいて並び、迎えた13番パー5(413ヤード)。梶谷は2メートルに2オンし、これを決めるイーグルで突き放した。ピンチは17番パー5。第2打を木に当てて、3打目を刻み、4打目も手前のグリーンエッジ。「25ヤードぐらいあったのが入った。あれでいい感じになったと思った」と、このパーセーブで優勝を確信し、通算9アンダーで逃げ切った。ホールアウト直後、一緒に戦った長谷川せら(岐阜・稲羽中1年)平木亜莉奈(長野・御代田中1年)に出迎えられ、ハイタッチで祝福された。3年前に7-8歳の部で優勝し、9―10歳の部でも期待されたが、昨年は初日5アンダーで飛び出しながら、1歳年下のアレクサ・パノ(米国)に逆転負けした。その悔しさを晴らすのが今回の最大の目標。そのために「最後まで何があってもくじけない、あきらめないこと」を胸に臨んだ。「パノ(9-10歳の部連覇)に勝つためには今年優勝して来年迎え撃ちたかった」という。体も年々大きくなり、今年はアイアンの距離感、縦の距離が合わなくなって苦しんだ。「去年より、気持ちが強くなったと思う。イラッとしてもゴルフと関係ないことを考えられるようになった」と、好きな漫画のことを考える余裕もできて、精神面でも成長をしている。
次の目標は昨年制した全国小学生大会の連覇。そして「パノにリベンジする。来年はそれしかない。パットの打ち方を直していきたい」と、早くも連覇を見据えている。
7―8歳の部男子の矢野仁貴(愛知・東山小3年)が3度目の正直で念願の「世界一」を獲得した。首位でスタートしたが、10番でボギーをたたき、バーディーだったリッチャノン・チャンタナニュワット(タイ)に逆転された。「15番で向こうがダブルボギーだったんで、攻めた。最後まで諦めなかった」と1・5メートルのバーディーを決めて再逆転。6アンダー183で逃げ切った。2013年6歳以下の部で3位、昨年は7-8歳の部で14位と、世界の壁に跳ね返されてきたが、やっと一番大きなトロフィーを手にした。
日本選手団より早めに渡米し、大会前にサンディエゴでのジュニア大会では230ヤードのパー4で直接入れるアルバトロスを達成したが、今回マッチレースになったチャンタナニュワットに敗れて2位だった。「同じ選手に2回負けたくなかった」と、気合が入ったという。「来年も勝ちたい。パターを練習してくる。メンタルも強くしたい」と、気を引き締めていた。
6歳以下の部男女は明暗を分けた。女子の清水心結(みゆ、埼玉・中尾小1年)が2位に12打差をつける圧勝で優勝を飾った。「お兄ちゃんのスコアを抜きたい」と、男女が同じティーで、2012年に3つ上の兄拳人がマークした最終ラウンド1アンダー53、通算13オーバー175(3位)が目標。この日はボギーが2つ先行したものの、3つのバーディーを取り返して、兄と同じ53で、通算は170で抜いた。「トロフィーは重かった。玄関に飾る。お兄ちゃんのおかげで優勝できた」と大はしゃぎだった。
男子の清本貴秀(愛知・向山小1年)はタンクン・リッティソム(タイ)と通算7オーバーで並んでプレーオフ。1ホール目で相手が池に入れるボギーで勝ったかに見えたが、1メートル弱のパーパットを外し、流れは相手に。3ホール目にバーディーを奪われて敗れた。「悔しかった。でも、2位のトロフィーもよかった。来年は勝つ」と、宣言していた。
9-10歳の部女子で、佐藤夏恋(千葉・白幡小5年)が通算2オーバー170で、初出場で3位になった。第1ラウンドで2アンダーをマークして優勝も狙える位置にいた。2日目に1オーバーに後退して「きょうは手前から攻めて、バーディーを狙おうと思った。パープレーが目標だった」という。バーディーが先行したが、終盤16、18番で落としてこの日は1オーバー57だった。「楽しかった。初めてだったけどコースは意外と楽だった」という。来年のシード権は確実で「今度は1位を取りたい。練習したら次は勝てそう」と、早くも来年に目を向けていた。
コメント
〈戦い終わって〉
◆13―14歳の部男子
☆大石敦也(広島・井口台中2年=17位)
「第1日に首位だったので悔しい。コースはとてもきれいだったけど、ラフに入れると意外とクラブが抜けなかった。世界でもビッグスコア(7アンダー64)が出せたことが良かった。課題は初日からアンダーをキープすることです」
☆小木野太優(大阪・豊中第十四中2年=17位)
「初日は良かったけど、ズルズルたたくという展開になってしまった。フェアウエーを外すとノーチャンスなので、ショットの精度が高くないと戦えないコースでした。ある程度はアイアンの精度は通用したと思う。ボギーをたたかず、流れをキープするゴルフが必要だと思いました」
☆栗原悠宇(埼玉・藤中2年=69位)
「とても悔しい気持ち。一言で言うと下手です。風との勝負でした。ラフが深くて、日本と違って引っかかる。このままじゃ、米国では勝てない。一からやり直して、来年またこの舞台に戻ってくられるように頑張りたい。そのときは優勝したいです」
◆同女子
☆園田結莉亜(大分・大分中2年=8位)
「最終日は良かった(67)けど、2日目に打ちすぎた(76)。せめて74で回っていたら2アンダーだったので悔しい。コースはバンカーが難しくて苦戦しました。グリーンはラインが読みにくくて入らないと、とことん入らない気がした。最終日はようやく入ってくれた感じ。もっとアプローチとパターを練習して、グリーンを外してもパーを拾えるようにしたい」
☆高木美佑(愛知・円上中3年=61位)
「バーディーは結構取れたので、もう少し伸ばせたと思います。プレーしてみて、正確なショットとパッティングのラインの読みが重要だと感じました。今後に向けて、メンタル面を強くしたい。どんなことがあっても自分を忘れないようにしたい」
◆11―12歳の部男子
☆森薗大河(鹿児島・高山中1年=47位)
「ショットの正確性と球を低く出すショットの練習をしてきましたが、全然ダメでした。もっと考えて回れば、あと少しはスコアが良くなったかもしれない。ラインの読みの重要さを感じた。ドライバーの飛距離や正確さは負けていなかったと思います。メンタル面とパットが課題です」
◆同女子
☆長谷川せら(岐阜・稲羽中1年=9位)
「結果はダメだったけど、いい経験になりました。コースはティーショットの狙いどころが難しかった。ドライバーの飛距離に関しては、世界でも通用したと思います。3メートル以内のパットの精度を上げて、また挑戦したい」
☆平木亜莉奈(長野・御代田中1年=11位)
「2日目にスコアを出そうと思ったけど、11個のパーのうち、8個が2~3メートルぐらいのチャンスだったのに、ひとつも取れなかったのが悔しい。グリーン周りのバンカーに捕まることが多くて、砂が固くて距離感をだせなかった。最終日にアンダーパー(71)で回れたことは良かった。グリーンに打つショットの精度を高めることと、3日間での戦い方のリズムを覚えることが必要だと思いました」
◆9―10歳の部男子
☆黒田裕稀(兵庫・八条小5年=5位)
「5位以内が目標だったので、達成できてよかった。コースがグリーンが難しかった。でも、最後まで諦めずにプレーできたのでよかった。連続バーディーでフィニッシュできて気持ちよかった。来年までにショットとパットの精度を上げるように練習する」
☆澤田竜成(東京・第二亀戸小4年=23位)
「コースが長くて難しかったので、頑張ったと思います。パターが入って、バーディーが取れたのが良かった。もう少しショットの精度を上げて、ピンそばに打って、バーディーを取れるように練習したい」
☆吉田京介(大分・南部小5年=27位)
「自分としてはあまりよくない結果だったと思います。グリーンが少し難しかった。アイアンはよくて、世界でも戦えると思った。3日間ともグリーンに苦しめられた感じだったので、来年も来られたら、しっかりやりたいです」
◆同女子
☆森愉生(岡山・老松小5年=10位)
「初日の7オーバーがやばかった。2日目にイーブンで回れたのは良かったけど、5位までに入れなかったので悔しい。ドライバーの飛距離は通じたと思う。でもアイアンとパターはもっと精度を上げたいと思った」
◆7―8歳の部男子
☆梶谷駿(岡山・総社東小2年=10位)
「悔しい。もっと上位を狙えた。難しくていいコースだった。飛距離では届かなくても、アプローチで寄せられたのが良かった。もっとショットの精度を上げて、まっすぐパターを打てるようにしたい。待ち時間が長くても集中力を切らさないようにしたい」
☆橋本拓英(三重・南が丘小3年=15位)
「結果がダメだと思います。コースはすごく簡単だったんだけど。今回はアプローチは良かった。大会までにパターとフェアウエーウッドを練習してきたけど、試合前の調整が大事だと思った」
◆同女子
☆山本実希(栃木・北郷小3年=4位)
「アプローチを練習してきたけど、全然通用しなかった。2段グリーンが難しかった。スコアは悪かったけど、マナーは良かった。アメリカの人は笑顔で楽しそうにプレーしていた。私ももっと楽しくプレーしたい」
☆酒井理琴(大阪・西淡路小3年=6位)
「ショットの練習をしてきたけど、結果はちょっと悪かった。コースが難しかった。飛距離は良かったと思う。来年までにアプローチとパターをもっと練習したい」
☆松原柊亜(栃木・鹿沼東小3年=12位)
「順位に満足はしていないけど、しょうがないと思いました。また次の時がんばろうと思いました。体格の大きい外国人にも飛距離は勝っていた。2・5メートル以内のパットはほとんど決められた。アプローチを正確に打てるようにしたい」