<IMGA世界ジュニアゴルフ選手権>
日本代表選手団から、5人が首位発進した。15―18歳の部女子で鈴木みなみ(埼玉・埼玉栄高1年)と、根田うの(北海道・立命館慶祥高1年)が、ともに3アンダー69をマークして首位タイグループに入った。13―14歳の部女子では山下萌寧(兵庫・甲子園学院中2年)が自己ベストの6アンダー67で2位に3打差の首位。9-10歳女子で高橋なつ希(東京・入新井第五小5年)が7アンダー65、7―8歳の部女子で常住美結(千葉・中野木小3年)が6アンダー66と、女子が5部門のうち4部門で首位に立ち、世界的なレベルの高さを見せている。
◆IMGA世界ジュニアゴルフ第1日成績
▽7-8歳男子(4269ヤード、パー73)
【4位】久保山友斗(愛知・荻谷小3年)=73
【18位】山田光之助(沖縄・嘉芸小3年)=78
▽7―8歳女子(3817ヤード、パー72)
【1位】常住美結(千葉・中野木小3年)=66
【3位】羽様希空(岡山・山陽小2年)=71
【13位】髙森心花(茨城・息栖小2年)=78
▽9―10歳男子(5039ヤード、パー72)
【7位】尾形栄飛(東京・国立学園小5年)=70
【14位】近藤大河(千葉・加茂学園4年)=72
【23位】藤原諒星(愛媛・川之江小5年)=73
▽9-10歳女子(4555ヤード、パー72)
【1位】高橋なつ希(東京・入新井第五小5年)=65
【15位】安藤すみれ(岡山・横井小5年)=73
▽11―12歳男子(5666ヤード、パー71)
【4位】福井誠ノ介(愛知・兵庫小6年)=68
【11位】吉行ローリ(広島・高屋中1年)=70
【19位】稲葉輝海(東京・青梅第三小6年)=71
【19位】小澤優仁(東京・府中浅間中1年)=71
【29位】高瀬莉空(香川・高松第一小6年)=72
▽11―12歳女子(5654ヤード、パー72)
【2位】道上稀唯(兵庫・緑が丘東小6年)=69
【6位】寺町美友海(愛知・聖霊中1年)=70
【21位】本村彩歌(兵庫・小浜小6年)=75
【21位】金城あんな(神奈川・久末小6年)=75
【37位】工藤夏姫(青森・根城中1年)=77
▽13―14歳男子(6473ヤード、パー71)
【3位】高浦維吹(千葉・昭和中2年)=69
【8位】長﨑大星(宮崎・日章学園中3年)=70
【16位】吉行アムロ(広島・高屋中3年)=72
【24位】石口寛樹(奈良・大正中3年)=73
▽13―14歳女子(5921ヤード、パー73)
【1位】山下萌寧(兵庫・甲子園学院中2年)=67
【3位】仁科優花(千葉・白井中3年)=70
【10位】佐藤涼音(兵庫・竜山中3年)=72
【31位】福崎凛々(大阪・日根野中3年)=76
【56位】重原純奈(千葉・大栄みらい学園2年)=79
▽15―18歳男子(7269ヤード、パー72)
【22位】東恩納昊貴(沖縄・エナジックスポーツ学院1年)=73
【38位】武田紘汰(徳島・生光学園高2年)=74
【57位】亥飼陽(神奈川・日本体育大1年)=75
【85位】梅田琉偉(大阪・大阪桐蔭高1年)=76
【133位】中山大生(千葉・千葉黎明高2年)=79
【164位】道上嵩琉(兵庫・滝川第二中3年)=81
▽15―18歳女子(6235ヤード、パー72)
【1位】鈴木みなみ(埼玉・埼玉栄高1年)=69
【1位】根田うの(北海道・立命館慶祥高1年)=69
【22位】後藤あい(兵庫・松蔭高1年)=72
【22位】畠田瑠(福岡・第一薬科大付属高2年)=72
【22位】岩永杏奈(大阪・大阪桐蔭高1年)=72
【33位】安西歩美(茨城・土浦日本大学高3年)=73
(協会広報ライター・赤坂厚)
雑観
15-18歳の部女子
15-18歳の部女子で世界ジュニア初挑戦の鈴木みなみ(埼玉・埼玉栄高1年)が、3アンダー69をマークして首位タイにつけた。
世界ジュニア「デビュー」の10番パー5第1打は「めっちゃ緊張して、めっちゃ曲がった」と左のラフへ。第2打はラフに食われて飛ばず、3打目は残り130ヤード。8番アイアンの当たりは「薄かった」が、手前から転がってカップインのイーグルを記録し「びっくり、驚き」のスタートになった。
この日は「やってやるぞ、みたいな、気合が入っていました」という。14番では左に曲げて出すだけで4メートルのパーパットが残ったがこれを沈めた。15番パー3では左に落として、ピンが見えないアプローチが3メートルと寄らなかったがこの厳しいパーパットを決めた。「耐えられたのがよかった」と、1イーグル、3バーディー、2ボギーで終えた。
「今日はパターが入りました」と振り返った。初出場で「スコアは関係なく、上位に入れればいいな」と漠然とした目標だったという。「明日からも楽しく、ボギーをたたいてもへこたれずに行きたい。アンダーパーでは回りたい」と、スコアにも意欲が出ていた。
15-18歳の部女子では、根田うの(北海道・立命館慶祥高1年)が3つ目の「世代優勝」へ向けて、3アンダー69をマークして首位タイの好発進をした。
「練習の時からアンダーは出せると思っていました。練習ラウンドよりラフに行って納得いくプレーではなかったけど、うまく取れていなかったロングホールで3つバーディーが取れたのがよかった」と振り返った。インスタートの10番パー5で2メートル強を入れてバーディー発進。17番パー5では2オンしたものの奥17メートルのロングパットだったが、OKに寄せてバーディー。折り返して5番では第2打を刻んで100ヤードの第3打を1メートル強につけてパー5で3つ目のバーディー。これが「貯金」になった形だ。
2019年に9-10歳の部で優勝し、コロナ禍で2年派遣見送りを挟んで22年に13―14歳の部で優勝した。優勝の2年シード権を有効に活用して連続で大会出場してきており、今回取れれば、高校3年生まで出場可能になる。
「スタート前にプレーするのが楽しみだなという気持ちがあり、実際に楽しめました」という。首位発進には「順位より(プレーに)納得できるほうがいいんです」といい「その上で3日間、60台をだせるようにできれば」と、数字も口にした。
13-14歳の部女子
13-14歳の部女子では、山下萌寧(兵庫・甲子園学院中2年)が、自己ベストの6アンダー67をマークして、2位の仁科優花(千葉・白井中3年)らに3打差をつけて首位に立った。
「またベストスコアなんです」とニコニコする。昨年初出場のこの大会(11―12歳の部)ではシード権をとれなかったが、今年のPGM世界ジュニア日本代表選抜大会の東日本決勝大会第1日に自己ベスト68をマークして、この大会への出場権獲得に結び付いた。世界ジュニアとベストスコアは縁があるようだ。
2番で3メートルを入れてから、8バーディー、2ボギーの内容。いずれもパターを使って、7番ではグリーンカラーから4メートル、16番でもカラーから5メートルを決めるなど「パターがよかったです。ショットはいいなあというほどじゃなかったので」と振り返った。
「いいスコアが出てほしいなあと思っていましたけど、まさかこんなスコアとは思いませんでした。毎日、ちょっとずつアンダーを出したいと思っていたんで」と、早くも6アンダーまで伸ばして、ちょっと困惑気味でもある。「明日はとりあえずイーブンパーか、少しでもスコアを伸ばして、ちょっとでも前進できたら」と控えめ。「目標はシード権。1度来ると、もう1度来たくなるのが世界ジュニアなので」と笑った。
9-10歳の部女子
9-10歳の部女子で、高橋なつ希(東京・入新井第五小5年)が、7バーディー、ボギーなしの7アンダー65で回り、首位発進した。
インからスタートし、14番でこの日一番長いバーディーパットとなったピン奥からの5メートルを入れて「気持ちが乗った」という。続く15番では手前3メートルを入れて連続バーディーを奪った。17、18番、折り返して3、4番でも連続バーディー。7番で7つ目のバーディーを決めた。
この日は「ドライバーがまっすぐに行ったことと、2、3メートルの長いパットが思ったよりたくさん入れられた」と要因を笑顔で振り返った。ショットが好調で、ピンチらしいピンチはなく「全部パーオンできたと思います」というように、会心のゴルフを展開した。
2位とは2打差。第2日に向けて「明日はまたパープレーから始まると思って、今日みたいな感じで気合入れて、油断せずにやりたい」と意気込みを見せていた。
コメント
☆7―8歳女子で1位の常住美結(千葉・中野木小3年)
「暑かったけど、楽しかった。6番までパーで抑えていたから、7番から5連続バーディーになった。9番はOKバーディーだった。10番パー5は2オンしたけど、位^グルパットはラインがちょっと悪かった。朝、時間がいっぱいあったからスイングを仕上げて、アプローチ、パターを練習できた。明日はノーボギーで65を目指す」
☆11―12歳男子で4位の福井誠ノ介(愛知・兵庫小6年)
「1番で6メートルが入って、出だしの3連続バーディーにできたのがよかった。後半は11番で6~7メートルから3パットして(3バーディー、3ボギーで)伸ばせなかった。目標は3アンダーだったから。(トップと2打差で)追いかけるのは嫌いじゃない。上と差を広げられないようにできたらいいなと思います。」
☆11―12歳女子で2位の道上稀唯(兵庫・緑が丘東小6年)
「(3アンダーに)バーディーチャンスはいっぱいあったけど、外したところもあるから、も
う少しスコアは出ると思う。5アンダーぐらいはクリアできると思う。ショットが特によかった。4番パー5で、第2打を6番ユーティリティーで打って、1メートルについてイーグルを取れた」
☆11―12歳女子で6位の寺町美友海(愛知・聖霊中1年)
「(2アンダーは)まあまあで、いいとか悪いとかはないです。前半(イン)はショットが良くて、ドライバーをちゃんと振ったらいつもより飛んでいた。後半は4番でOBをやったり、パッティングも全部なめられました。でも、いい感じのスタートにはなったと思います。明日は3アンダー、4アンダーを出していきたい」
☆13―14歳男子で3位高浦維吹(千葉・昭和中2年)
「前半は縦距離が合わず、アプローチも芝が湿っていてちゃんと打っているんですけど短くて2ボギーにした。後半なっておく芽を狙うようにしたら、パターが打ちやすいラインにショットで置けた。11番で1.5メートル、12番で3メートルについてバーディーだった。14番で麦に行ったけど5番アイアンで転がしてグリーンに乗せて8メートルを入れた。16番では奥からスピンで戻して2メートルにつけられた。(同組の選手と)英語で必死について行って、楽しかった。みんなうまかった」
☆13―14歳で8位の長﨑大星(宮崎・日章学園中3年)
「調子的にはあまりよくなかった。14番で30センチについてバーディーを取った、でも15番でグリーンエッジでえげつないぐらい跳ねて、奥にOBになってしまった。16番で1メートルについてバーディーだった。パターを3本持ってきて、今日は遅めのグリーンにいいパターを使ってよかった。今日はティーショットが悪くてボギーにしたホールがあったけど、来る前からアイアンは調子がよかった。でも、バックスピンでどのぐらい戻るかが難しい」
☆13―14歳女子で3位の仁科優花(千葉・白井中3年)
「悪いところは特にないです。9番パー5のイーグルは、残り142ヤードの第2打を9番アイアンで1メートル以内についた。18番で初めてボギーをとってしまった。グリーンの奥が池で、意識していないけど体が反応して突っ込みたいけど、すごくショートしてしまった。アプローチも寄せようとし過ぎてショートしてしまいました。1日5アンダーで3日間が目標で、今日は前半チャンスがあったんですけどパーで出遅れた感じです。切り替えて明日はもっと伸ばせるようにしたい」
☆13―14女子で10位の佐藤涼音(兵庫・竜山中3年)
「1番で3パットでスタートして、3番までに2オーバーになってしまったけど、4番で5メートルのスライスラインが入って、おー来た来たって思った。9番パー5では3メートルに2オンして、イーグルパットがカップ回って惜しかった。後半はなぜかグリーンに乗らなくて。18番でグリーンに行ったら球がないんで焦って奥を探したら、OB杭から20センチぐらい(内側に)にあって、よくパーを取れたと思う。初日は何とかアンダーで回りたかった。明日からはもっとピン筋に打って行って、かつカップに入るようにしたい」