<IMGA世界ジュニアゴルフ選手権>
日本代表選手団は4人が首位で最終日を迎えることになった。13―14歳の部男子では吉行アムロ(広島・高屋中3年)がこの日7アンダー64をマークし、通算6アンダーで首位に浮上した。同女子でも、仁科優花(千葉・白井中3年)が4アンダーで回り、通算7アンダーで首位に並んだ。9―10歳の部女子では高橋なつ希(東京・入新井第五小5年)が通算12アンダーで、7―8歳の部女子では常住美結(千葉・中野木小3年)が通算11アンダーで、ともに第1日からの首位を守った。 その他の部門でも日本代表選手は上位につけており、最終日に何人の「世界チャンピオン」が誕生するか、期待される。
メーン会場のトーリー・パインズGCで行われている15―18歳の部は、男女とも霧でスタート時間が遅くなったため、午前スタートの半数の選手がショットガン方式のスタートで第2ラウンドを回った。午後スタートの半数の選手は翌日に延期となり、11日は午前中に男女とも残り半数の選手がショットガン方式のスタートで第2ラウンドを行い、終了した時点で男女とも60位タイまでが午後からの最終ラウンドに進み、54ホールを行って優勝者を決めることになった。日本選手団の男女12人は11日に第2ラウンドを持ち越している。
▽7-8歳男子(4269ヤード、パー73)
【1位】ローレンゾ(米国)=141
【2位】久保山友斗(愛知・荻谷小3年)=144
【7位】山田光之助(沖縄・嘉芸小3年)=147
▽7―8歳女子(3817ヤード、パー72)
【1位】常住美結(千葉・中野木小3年)=133
【2位】羽様希空(岡山・山陽小2年)=142
【19位】髙森心花(茨城・息栖小2年)=159
▽9―10歳男子(5039ヤード、パー72)
【1位】シ(米国)=136
【8位】藤原諒星(愛媛・川之江小5年)=142
【23位】尾形栄飛(東京・国立学園小5年)=145
【23位】近藤大河(千葉・加茂学園4年)=145
▽9-10歳女子(4555ヤード、パー72)
【1位】高橋なつ希(東京・入新井第五小5年)=132
【5位】安藤すみれ(岡山・横井小5年)=141
▽11―12歳男子(5666ヤード、パー71)
【1位】ヴェルマ(インド)=134
【6位】小澤優仁(東京・府中浅間中1年)=136
【15位】吉行ローリ(広島・高屋中1年)=140
【19位】福井誠ノ介(愛知・兵庫小6年)=141
【19位】稲葉輝海(東京・青梅第三小6年)=141
【29位】高瀬莉空(香川・高松第一小6年)=144
▽11―12歳女子(5654ヤード、パー72)
【1位】シン(ニュージーランド)=138
【5位】道上稀唯(兵庫・緑が丘東小6年)=143
【5位】寺町美友海(愛知・聖霊中1年)=143
【8位】工藤夏姫(青森・根城中1年)=144
【24位】本村彩歌(兵庫・小浜小6年)=150
【28位】金城あんな(神奈川・久末小6年)=151
▽13―14歳男子(6473ヤード、パー71)
【1位】吉行アムロ(広島・高屋中3年)=136
【2位】長﨑大星(宮崎・日章学園中3年)=138
【7位】高浦維吹(千葉・昭和中2年)=141
【17位】石口寛樹(奈良・大正中3年)=145
▽13―14歳女子(5921ヤード、パー73)
【1位】仁科優花(千葉・白井中3年)=139
【1位】ブーンチャン(タイ)=139
【10位】山下萌寧(兵庫・甲子園学院中2年)=144
【10位】佐藤涼音(兵庫・竜山中3年)=144
【14位】福崎凛々(大阪・日根野中3年)=146
【31位】重原純奈(千葉・大栄みらい学園2年)=150
▽15―18歳男子暫定(7269ヤード、パー72)
【1位】キム(米国)=-4
【18位】東恩納昊貴(沖縄・エナジックスポーツ学院1年)=+1
【34位】武田紘汰(徳島・生光学園高2年)=+2
【46位】亥飼陽(神奈川・日本体育大1年)=+3
【64位】梅田琉偉(大阪・大阪桐蔭高1年)=+4
【109位】中山大生(千葉・千葉黎明高2年)=+7
【130位】道上嵩琉(兵庫・滝川第二中3年)=+9
▽15―18歳女子暫定(6235ヤード、パー72)
【1位】ティルマ(米国)=-8
【5位】鈴木みなみ(埼玉・埼玉栄高1年)=-3
【5位】根田うの(北海道・立命館慶祥高1年)=-3
【16位】後藤あい(兵庫・松蔭高1年)=イーブン
【16位】畠田瑠(福岡・第一薬科大付属高2年)=イーブン
【16位】岩永杏奈(大阪・大阪桐蔭高1年)=イーブン
【33位】安西歩美(茨城・土浦日本大学高3年)=+1
※日本代表は15―18歳男女とも第2ラウンドを未消化
(協会広報ライター・赤坂厚)
雑観
13-14歳の部女子
13-14歳の部女子で、仁科優花(千葉・白井中3年)が4アンダー69とスコアを伸ばし、通算7アンダーでブーンチャン(タイ)とともに首位に並んだ。
「初日18番で3パットしたこともあって、今日はパターを替えてみました」と切り替えたのが功を奏した。「感覚がよくて、1.5メートルぐらいのパットを決められた」という。スタートからグリーンを外してパーを拾うなど苦しい展開。5番でボギーが先に来て「気持ちいいスタートではなかった」というが、流れが変わったのが7番。ピン左4メートルの得意の下りが「気持ちよく入った」とスコアを戻し9番パー5で2オンに成功してバーディー。後半に入って4バーディー、1ボギーと伸ばした。
「海外の試合は緊張感とかがあったけど、海外によく行くようになって海外慣れしてきた感じがします」という。派遣や個人渡航も含め、昨年は中国やインドネシア、今年は韓国やハワイなどで試合をしてきた。苦労もあるが「それを含めて楽しいを思える」と、海外での場数が好結果に結び付いているようだ。
「昨日3アンダーだったので、今日はそれ以上伸ばして、できれば通算8、9アンダーに行きたかった。明日は5アンダー、6アンダーと伸ばしたい。なるべくボギーを打たないことで、バーディーを生かしたい」と、初めての世界一を目指す。
13-14歳の部男子
13-14歳の部男子で、吉行アムロ(広島・高屋中3年)が7バーディー、ボギーなしの快進撃を演じ、通算6アンダーとして第1日16位から一気に首位に立った。
ネットで成績表を確認して「やった、トップだ」とつぶやき「パターがゴルフ人生で一番入りました」と笑顔を見せる。ゴルフは小4から始めている。「普段なら絶対に入らないようなパットも入りました」という。
インスタートの13番で20センチにつけるバーディーが幕開け。14番では右隣のホールに打ち込んだが、グリーンを狙えて奥7メートルにオンし、これが入った。16番で3メートル、17番で8メートルが入り「打てば入るので、楽しいなと思いながらやっていました」と振り返った。
後半はショットも好調で1番1メートル、5番1.5メートル、8番2メートルとピンに寄せてのバーディーだった。7アンダーは何度かマークしているそうだが「64というスコアは初めてです」と話した。
初出場の第1日、最初のアウトを2アンダーで回ったが、後半崩れて1オーバーに落ちた。「ピン奥に行くことが多かったので、手前手前から行こうというのを気を付けてよくなった」と、前日の教訓を生かせた。
最終日はこちらも2位に浮上した長﨑大星(宮崎・日章学園中3年)と2打差で日本代表同士での優勝争いになる。「大星君には負けたくない。ショットでつけてバーディーを取る自分のゴルフが出来たら。最初のティーショットがいい球だったら、行けると思う」と意気込んでいた。
7-8歳の部女子
7-8歳の部女子では、常住美結(千葉・中野木小3年)が第1日の66に続き、この日も5アンダー67をマーク、通算11アンダーで2位の羽様希空(そら、岡山・山陽小2年)に9打差をつけて独走態勢に入った。
「今日はドライバーが飛んでいて、アイアンがすごく寄っていたので、バーディーを取りやすいところについた」と、スタート10番パー5で2オンするバーディーを皮切りに、8バーディー(1ボギー、1ダブルボギー)を量産した。特に4つのパー5をすべてバーディーにしたのが大きかった。
第1日に6アンダーで飛び出した。「今日はさらに差を広げて、最終日に楽に世界一になりたいと思ってスタートしました」と、優勝を意識してのプレーだったが、言葉通りに独走態勢を固めた。「ちょっと2位と離れているけど、油断しないで、自分のプレーでバーディーをいっぱい取りたい。取れるところは全部取る」と意気込んでいた。
7-8歳の部男子
久保山友斗(愛知・荻谷小3年)が、大会前のアクシデントにめげず、通算2アンダーで2位に浮上した。
「今日は2アンダー以上出そうとお父さん(広大さん)と話していたんで、目標は達成できた」とニコニコ。イーブンパーでインからスタートし、3バーディー、2ボギーで1つスコアを伸ばして8番へ。「ドライバーが飛んで、60度で打って大きいかと思ったらバックスピンが入ってくれて、1.5メートルについてバーディーが取れた。今日一番良かった」と振り返ったショットで2アンダーに伸ばした。
米国入国の際に、ドライバーのヘッドとヘッドカバーがなくなるアクシデント。「ホテルについてバッグを開けたらヘッドとカバーが盗まれていたので、びっくりした」と広大さん。翌日、急遽ゴルフショップでドライバーヘッドをつけたが「計測してつけたんですけど、やはり全然シンを食わなかった」という。少し慣れてきてはいるが、まだ納得いく状態ではない。「でも、アプローチがうまいんで、耐えるゴルフをしています」と、何とかスコアメークしている。
首位とは3打差。「イーブン、2アンダーときたから、倍々で最終日は4アンダーで回る」と友斗。初出場でアクシデントを乗り越えての逆転で世界一を目指す。
コメント
☆7―8歳女子2位の羽様希空(岡山・山陽小2年)
「パターが全然入らなかったけど、一緒に回ったミリー(スノウチ)ちゃんがバーディーなら私もバーディーで、一緒に71だった。6番でミリーちゃんがチップインバーディーだったけど、私は10メートル以上のが入った。18番でバンカーに入れて出たけど、ホームランでダボにしたのが残念だった。最終日は、ピンについたらバーディーをバンバン取っていきたい」
☆11―12歳女子8位の工藤夏姫(青森・根城中1年)
「昨日悪かったパターがいい感じで、3メートル以内の短いのが全部入った。1、5,7番のバーディーがそのぐらいだった。18番もそのぐらいだった。世界ジュニアに初めて出て、世界に友達ができるのがいいと思った。17番で右に打ってしまって、木に当って落ちて同伴競技者のお父さんのポケットにボールが入ってしまうハプニングがあった。最終日は今日みたいなスコアを出して、来年のシード権を目指したい。ドライバーが右に行かないようにする」
☆13―14歳男子2位の長﨑大星(宮崎・日章学園中3年)
「朝は芝が湿っていてショートしてしまった。3番で木の下からグリーンの下の段に乗せたんですけど、4メートルショートして3パット。6番で手前にショートして、アプローチもショートしてボギーにした。7番で奥からバックスピンで1メートルにつけて、流れが変わってきたと思った。8番パー5で残り240ヤードを3番ウッドでアルバトロスになりかかけて10センチについてイーグルになった。後半は100%パーオンだった。自分のプレーで楽しんでラウンドした感じです。3アンダー×3日間と思っていたんですけど、まだ4アンダーしかいっていない。明日は取れるところをしっかり取って伸ばしたい」