<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 東北予選>
15―17歳の部男子は、日本ゴルフ協会ナショナルチーム入りしている中島啓太(東京・代々木高2年)が、風と速いグリーンに各選手が苦しむ中、ただ一人1アンダーパーの1アンダー71をマークして、2位若有宣彦(新潟・開志国際高3年)に5打差をつけて、1位で東日本決勝大会(4月22、23日、茨城・美浦GC)に進んだ。同女子は大須賀望(宮城・東北高1年)が10オーバー82で1位になった。13-14歳の部男子は豊田真太郎(熊本・玉名中1年)が11オーバー83でトップ通過。同女子は二宮佳凛(かりん、群馬・笠懸中3年)が9オーバー81で1位となり、9-10歳の部女子で2位になった妹の佳音(かのん、群馬・笠懸北小5年)とともに姉妹で東日本決勝大会に進んだ。
東日本決勝大会進出者は以下の通り。
15~17歳の部
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【男子】 |
【1位】中島啓太(東京・代々木高2年)=71
【2位】若有宣彦(新潟・開志国際高3年)=76
【3位】倉林太聖(宮城・東北高1年)=78
【4位】戸松仁(新潟・新潟産大付高3年)=81
【5位】五十嵐瑠亜(新潟・開志国際高3年)=82
【6位】中村凛(山形・日大山形高1年)=82 |
【女子】 |
【1位】大須賀望(宮城・東北高1年)=82
【2位】中村珠莉香(神奈川・法政第二高2年)=83
【3位】薄井香澄(栃木・宇都宮文星女高2年)=87 |
13~14歳の部
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【男子】 |
【1位】豊田真太郎(熊本・玉名中1年)=83
【2位】原田竜成(宮城・成田中2年)=85
【3位】薄井悠真(福島・白河第二中3年)=85 |
【女子】 |
【1位】二宮佳凛(群馬・笠懸中3年)=81
【2位】阿曽帆夏(山形・酒田第三中2年)=82
【3位】三浦琴未(宮城・鹿島台中3年)=87
【4位】秋葉怜奈(山形・天童第三中1年)=89 |
11~12歳の部
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【男子】 |
【1位】工藤颯太(山形・神町小6年)=84
【2位】平野誠一(埼玉・行田中1年)=90
【3位】井出太陽(長野・川上中1年)=93 |
【女子】 |
【1位】倉林紅(宮城・東向陽台小6年)=82
【2位】芳賀幸瞳(山形・陵東中1年)=88
【3位】渡辺そ代加(宮城・仙台白百合学園小6年)=97 |
9~10歳の部
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【男子】 |
【1位】山本大勢(福岡・西小倉小4年)=87
【2位】橋詰海斗(新潟・栖吉小5年)=94 |
【女子】 |
【1位】櫻井萌(宮城・吉成小5年)=82
【2位】二宮佳音(群馬・笠懸北小5年)=88 |
(注)同スコアの順位は18番からのカウントバックによる
【広報ライター・赤坂厚】
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【大会雑観】
15―17歳の部男子 |
中島啓太(東京・代々木高2年) |
15―17歳の部男子では、中島啓太(東京・代々木高2年)が日本ゴルフ協会ナショナルチームの力を見せた。前半は2オーバーだったが、後半に入って13番パー5(479ヤード)で残り210ヤードを4番アイアンで7メートルに2オンしてバーディーを奪い、16番では6メートルを入れて2つ目。最終18番(449ヤード)では「カート道に当たって前に行ったと思うんですが、残り70ヤードだった」という第2打を4メートルにつけてバーディーと、後半ボギーなしの3アンダーで回り、1アンダー71をマーク。1位で東日本決勝大会(4月22、23日、茨城・美浦GC)に進出した。ぶっつけ本番でコースを知らず「本当なら刻むところがたくさんあったと思うけどドライバーの調子がよかった」と振り返る。ただ「1ホールだけ3番アイアンで刻んだ5番で右OBだった」と苦笑いした。この予選には初めて出場した。「周りの友達がいっぱい出ているのでやってみようと。試合にはなるべく多く出たいんです」という。「ティーショットが安定しているので、東日本決勝大会では持ち味のボギーが少ないゴルフができれば」と、中学3年からナショナルチーム入りしている逸材が、IMGA世界ジュニア出場を目指す。 |
15―17歳の部女子 |
大須賀望(宮城・東北高新1年生) |
15―17歳の部女子は、地元宮城県の東北高の新1年生、大須賀望が10オーバー82ながらも、トップで東日本決勝大会(4月22、23日、茨城・美浦GC)に進んだ。インスタートの10番でいきなり30センチにつけるバーディーを奪ったが、続く11番で「セカンドをOBにしてトリプルにしても波に乗れなかった」という。それでも、15番で3メートルを入れて踏ん張り、強風と速いグリーンで各選手がスコアを崩す中では粘りを見せた。「今日はパットが良かった。前半11パット、後半15パット。アプローチが悪くて後半はパーをなかなか取れなかったけど、パターに救われた感じです」と、振り返った。予選は3回目で、過去2回はカウントバックで2位となって決勝大会に進んでいる。今回は念願のメダリストになり「美浦GCはバンカーが多くて苦手なんですけど、バンカーに入れないようにショットをよくしていきたい」と、対策を練っていた。 |
13―14歳の部女子、9-10歳の部女子 |
二宮佳凛(群馬・笠懸中3年)
二宮佳凛(左)と妹・佳音 |
姉妹で世界ジュニアの可能性をつないだ。13―14歳の部女子で二宮佳凛(かりん、群馬・笠懸中3年)が1位となり、9-10歳の部女子で2位になった妹の佳音(かのん、群馬・笠懸北小5年)と、第1目標の「姉妹で東日本決勝大会」を達成した。9オーバー81のスコアには「練習ラウンド2回よりもよかったのでうれしいです」と笑顔を見せる。「グリーンは奥につけるとだめなので、手前から行く攻め方がうまくいった」という。練習ラウンドで「右にOBがあって苦手だった」という5番で50センチにつけ、この日唯一のバーディーを取った。予選出場は2回目で、今回は「妹にも世界ジュニアのチャンスがあるぐらいうまくなったので、2人で出場した」という。佳音は地元の群馬県の大会に優勝するなどメキメキ上達していて「今回は親からは私の方が心配されたので、いい成績を残せてよかった」と、姉の意地を見せた形。妹は「2人で世界ジュニアに出たい」といい、姉も「パターが苦手なのでもっと練習して2人で行けるように頑張ってみたい」と、次の目標は「姉妹で世界へ」になる。 |
11―12歳の部女子、15―17歳の部男子 |
倉林紅(左)と兄・太聖 |
こちらは「兄妹」で世界を目指す。11―12歳の部女子の倉林紅(宮城・東向陽台小6年)が10オーバー82で1位となり、15-17歳の部男子で3位となった倉林太聖(宮城・東北高1年)とともに、東日本決勝大会に進んだ。紅は「今日は2打目が左に曲がるのが多くてよくなかった。バーディーチャンスが2回ぐらいあったけど、下りが速くて取れなかった」と振り返った。4歳違いの兄・太聖と同じ時にゴルフを始めた。「6歳の時、震災の後に、お兄ちゃんがお父さんとゴルフを始めようといったので、私もやるといった」という。その兄が「きょうはよくなかったけど、東日本決勝大会は勝ちに行きます。優勝で世界ジュニアに行きたい」というのを、妹は「優勝を狙う。海外の人がどのぐらい強いか見てみたい」と、こちらも兄と同じ目標を持っている。 |
【大会コメント】
若有宣彦(新潟・開志国際高3年)
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◇15-17歳の部男子2位の若有宣彦(新潟・開志国際高3年)◇
「前半ボギー5つで流れが悪かったけど、後半は10番で10メートルぐらいが入った。12番で左のOBぎりぎりセーフでバーディーになった。今日はアプローチがザックリばかりでよくなかった。去年、同じ学校から2人(大澤優、五十嵐瑠亜)が世界ジュニアに出て、いろいろ話を聞いていたので、出たいと思って今回出場しました。アプローチの不調の原因を突き止めて、調整していきたい」 |
豊田真太郎(熊本・玉名中1年) |
◇13-14歳の部男子1位の豊田真太郎(熊本・玉名中1年)◇
「初めてフルバックからの試合だったので、アイアンを乗せきれなかった。練習ではやって来たけど、グリーンの速さを考えて打たないといけなかった。米国でIMGAの合宿に出たので、九州・沖縄予選に出られなかったから、東北予選に出ました。パターとアプローチをたくさん練習してきた。今日は両方ともまあまあだった」 |
工藤颯太(山形・神町小6年)
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◇11-12歳の部男子1位の工藤颯太(山形・神町小6年)◇
「12番で20ヤードぐらいのチップインバーディーがあって、ガッツポーズした。でも、ゴルフはあんまりよくなかった。たまにボールが左に行ったから。決勝大会は3回目だけど、前はあんまりいいスコアじゃなかったので、今度は左に行くのを直して、パターの距離感を確実にして、世界ジュニアに行けるようにする」 |
山本大勢(福岡・西小倉小4年) |
◇9-10歳の部男子1位の山本大勢(福岡・西小倉小4年)◇
「パターが入ったり入らなかったりしてダメだった。ドライバーはよかった。得意。200ヤードぐらい飛ぶ。ショートホール(14番)でチップインバーディーを取った。30ヤードぐらいあったのでうれしかった。九州・沖縄予選に出たけどダメだったのでこっちでもでた。練習ラウンドより今日はよかった」 |
櫻井萌(宮城・吉成小5年)
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◇9-10歳の部女子1位の櫻井萌(宮城・吉成小5年)◇
「前半(イン)39で回れた。13番で下りの6メートルぐらいのを打ったらいってしまうと思ったけど、強かった。でも入ってバーディーが取れた。後半は調子が崩れてやばいなと思ったけど、優勝できてよかった。アメリカに行くと、すごいなって感じがするので行きたい。パターとアプローチを練習する」 |