<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 東日本決勝大会初日>

 プロツアー並みの固さと10.5フィートの速さの難グリーンに強風が加わるコンディションの中、15―18歳の部は小林龍生(千葉・千葉学芸高2年)が5オーバー77で首位に立ち、村尾優一(埼玉・埼玉栄高2年)、蝉川泰果(大阪・興国高3年)、亥飼台(うてな、茨城・日本ウェルネス高1年)が1打差で追う混戦になった。同女子は六車日那乃(千葉・麗澤高1年)が5バーディー、2ボギーの3アンダー69の快スコアをマークして、2位石川茉友夏(まゆか、群馬・前橋育英高3年)に3打差をつけて首位に立った。13-14歳の部男子では、竹原佳吾(神奈川・森村学園中等部3年)が同じティーの15-18歳の部を上回る2オーバー74で回り、小泉良太(千葉・柏第四中3年)に2打差をつけてトップ。同女子は昨年の世界ジュニア代表の花田華梨(栃木・宝木中3年)が2オーバー74で、同じく昨年代表の榎本杏果(東京・新宿中3年)と、横山珠々奈(栃木・氏家中3年)に2打差をつけて首位に立ち、2年連続代表に近づいた。

 その他の部門では、11-12歳の部男女は亥飼陽(ひなた、茨城・滑川中1年)が5オーバー、藤代成実(埼玉・八潮中1年)は8オーバーで、9-10歳の部男女は渋井晃太郎(神奈川・瀬戸ヶ谷小5年)が10オーバー、斎藤碧夏(あいな、北海道・北光小5年)が8オーバーで、7-8歳男女は石口寛樹(奈良・大正小3年)が6オーバー、渡部琴(東京・東京ウエストインターナショナルスクール3年)と飯田柚月(千葉・金杉台小2年)が11オーバーで、それぞれ首位に立っている。

 東日本決勝大会は東ブロック各地区予選突破者と、昨年のIMGA世界ジュニアで本戦シード権を取れなかった選手がシード選手として出場している。2日間36ホールの合計ストロークで争い、15―18歳、13―14歳の部男女は各2人、11―12歳の部以下の男女各3部門は各1人が日本代表に選抜され、先に行われた西日本決勝大会で決まった代表とともにIMGA世界ジュニア(7月10~13日、米カリフォルニア州サンディエゴ)に出場する。

 また、15-18歳の部男子1位に男子ツアー「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」出場権、13-14歳の部男子1位に同大会の出場を争うAbemaTVツアー「HEIWA・PGM ChallengeⅠ~Road to CHAMPIONSHIP」出場権がそれぞれ与えられる。

【協会オフィシャルライター・赤坂厚】

 

【大会雑観】

15―18歳の部男子
小林龍生(千葉・千葉学芸高2年)
小林龍生(千葉・千葉学芸高2年)
15-18歳の部男子は、小林龍生(千葉・千葉学芸高2年)が5オーバー77で「午後から風があって思うようにはいかなかった」といいながらも、2位に1打差の首位に立った。1番で右ラフからピン奥3.5メートルにつけてバーディー発進。「昨日は調子を崩して、今日は70台で回れればいいぐらいの感じだったけど、一晩寝たら直る、と思ったら直りました」と、風の中で大崩れしなかった。最終18番パー5ではフェアウエーからドライバーで第2打を打ち、グリーン手前まで運んでバーディーで上がった。ゴルフのレッスンを受けている林由寿プロから「直ドラで打つ練習方法を教わって打てるようになって、好きになった。よく使います」という。来場していた林プロは「左に行かないのとアゲンスト対策で練習をやらせています」という。177センチ、100キロの巨漢で「飛ばない方です」といっても280ヤードは楽に超える飛距離を持つ。最終日の意気込みを聞くと、大きな体に似合わず、小さな声で「頑張ります」。昨年は東日本決勝大会12位に終わった雪辱を果たして、世界ジュニア代表を目指す。
15―18歳の部女子
六車日那乃(千葉・麗澤高1年)
六車日那乃(千葉・麗澤高1年)
15-18歳の部女子では、六車日那乃(千葉・麗澤高1年)が難コースの上に強風が吹く中を、5バーディー、2ボギーの3アンダー69の快進撃をみせた。「今日はたまたまが多くて」と、自分でもびっくりの好スコア。インスタートでいきなり10、11番連続ボギーだったが、12番で2.5メートル、18番で7メートルを入れ、イーブンパーで折り返た。風が強くなってきた後半は2番で残り166ヤードをユーティリティーで1メートルにつけ、5番では奥に外して「寄せようと思ったのが強くいってしまった」というアプローチがピンにあたって直接入るチップイン。最終9番では120ヤードを9番アイアンで3メートルにつけて、アウトを3バーディー、ボギーなしで回った。「もう奇跡みたいなスコアでした。チップインとかベタピンがなければ75は行っていた。いい方、いい方に展開したと思います」と振り返った。関東予選③の時はパッティングに悩んでいたが「頭の位置と左のグリップを変えたら違和感なく打てるようになった」と、東日本決勝大会に合わせられた。「最終日は高望みしないで、バーディーを取ろうと必死にならないようにやりたい」と、冷静なプレーを心掛ける。
13-14歳の部女子
花田華梨(栃木・宝木中3年)
花田華梨(栃木・宝木中3年)
13-14歳の部女子で、花田華梨(栃木・宝木中3年)が2年連続世界ジュニア代表に近づいた。インスタートで3オーバーで折り返したが、アウトに入って挽回した。2番で1メートルにつけ、3番で2.5メートルを入れる連続バーディー。9番では4メートルを沈め、ボギー2つに抑えて35をマークし、2オーバー74で2位に2打差をつけた。昨年8月に腰を痛めて、半年間静養した。2月からクラブを振り始め、この試合が故障後は2戦目。「世界ジュニアの代表とかではなく、今のベストを出してみるというつもりで出場しました」という。普通にゴルフはできるが、自分の中では故障前とは違和感があるという。それでも、思わぬ? 首位発進に「80ぐらい打つと思っていたんですけど、こうなったらちょっと頑張りたい。気持ちを楽にプレー出来れば」と欲も出てきた。昨年、一緒に世界ジュニアに出た榎本杏果が2打差2位につけており「今年も一緒に行きたいです」と期待している。

 

【大会コメント】

石川茉友夏(群馬・前橋育英高3年)
石川茉友夏(群馬・前橋育英高3年)
◇15-18歳の部女子2位の石川茉友夏(まゆか、群馬・前橋育英高3年)◇
「メチャしのいだ。アプローチがよくなくて、微妙なパーパットがけっこう残ったけど、入ったので。1パットのパーが5回あった。練習ラウンドをしていなかったので今日は下見の感じでしたが、73には満足しています。パッティングのラインは読めているので、最終日はバーディーをたくさん取りたい」
竹原佳吾(神奈川・森村学園中等部3年)
竹原佳吾(神奈川・森村学園中等部3年)
◇13-14歳の部男子1位の竹原佳吾(神奈川・森村学園中等部3年)◇
「練習ラウンドが雨で行けず、ぶっつけ本番だったので、ノープレッシャーで行けた。インターネットでコース図を買って、自分の行きそうなところに線を引いて、危ないところを確かめた。大体あっていました。9番で3打目が140ヤード残ったけど、8番アイアンで入ったんで思わず万歳してしまった。元々水泳とゴルフをやっていて、中学になってゴルフに絞った。トレーニングのために水泳は続けています。最終日は優勝を意識しすぎないように、冷静にやりたい」
亥飼陽(茨城・滑川中1年)
亥飼陽(茨城・滑川中1年)
◇11-12歳の部男子1位の亥飼陽(ひなた、茨城・滑川中1年)◇
「前半(イン)はショットがよかったけど、後半はだめだった。前半はチャンスがいっぱいあったけど、バーディーは12番で1メートルぐらいのだけだった。グリーンが難しかった。最終日はパープレーで回りたい。兄(台、15-18歳の部初日2位)が去年世界ジュニアに出ているので、今年は一緒に行きたい」
佐藤快斗(埼玉・埼玉栄中1年)
佐藤快斗(埼玉・埼玉栄中1年)
◇同2位の佐藤快斗(埼玉・埼玉栄中1年)◇
「スコア(79)にはあまり納得していない。スタートの10番でOBしてダブルボギー、11番も林に入れてダブルボギーだった。そのあと立て直したのはよかったと思う。軽く振るようにしました。感じとしては70台前半が出そうだったんですけど。最終日はドライバーが曲がらなければ行けると思う。パットは最後のほうになって入ったんで」
藤代成実(埼玉・八潮中1年)
藤代成実(埼玉・八潮中1年)
◇11-12歳の部女子1位の藤代成実(埼玉・八潮中1年)◇
「後半はボギーをたたかないようにしようと思っていたら、10、11,15番でボギーにしてしまった。16番で3メートルのバーディーを取ったら、17番でまたボギーにした。納得いってないです。パットが悪かった。最終日はパーオン率を上げたい。グリーンの真ん中を狙ってパーを取って行けば、世界ジュニアに行けると思う」