<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 西日本決勝大会最終日>

 IMGA世界ジュニア(7月12~15日、米カリフォルニア州サンディエゴ)の日本代表14人が決まった。

 15―18歳の部男子では、この日2アンダー70で追い上げた今村吏桜(大阪・東大阪大柏原高1年)が、首位スタートの吉田京介(東京・代々木高3年)と通算7オーバー151で並んで日本代表の座を射止め、プレーオフでは1ホール目でバーディーを奪った今村が優勝した。同女子は、上久保実咲(奈良・奈良育英高2年)が2アンダー70で回って通算イーブンパー144で逆転優勝。2位争いを制した清本美波(愛知・誉高2年)とともに代表となった。13-14歳の部男子は、首位スタートの外岩戸晟士(鹿児島・志布志中3年)がこの日76ながら通算6オーバー150で優勝。2位に食い込んだ小川琥太郎(大阪・山田中2年)とともに代表を手にした。同女子は最終ホールで逆転し、通算12オーバー156で優勝した仲村梓(沖縄・沖縄東中3年)と、首位から2位に後退した中山凛花(愛知・守山北中2年)が代表入りした。

 西日本ブロックの世界ジュニア日本代表は以下の通り。

▽15―18歳の部男子
 【1位】今村吏桜(大阪・東大阪大柏原高1年)=151
 【2位】吉田京介(東京・代々木高3年)=151
▽同女子
 【1位】上久保実咲(奈良・奈良育英高2年)=144
 【2位】清本美波(愛知・誉高2年)=148
▽13―14歳の部男子
 【1位】外岩戸晟士(鹿児島・志布志中3年)=150
 【2位】小川琥太郎(大阪・山田中2年)=154
▽同女子
 【1位】仲村梓(沖縄・沖縄東中3年)=156
 【2位】中山凛花(愛知・守山北中2年)=157
▽11―12歳の部男子
 【1位】石口寛樹(奈良・大正中1年)=148
▽同女子
 【1位】仁科優花(千葉・打瀬中1年)=146
▽9―10歳の部男子
 【1位】小澤優仁(東京・府中第二小5年)=156
▽同女子
 【1位】寺町美友海(愛知・豊山小5年)=152
▽7―8歳の部男子
 【1位】園和真(佐賀・鳥栖北小3年)=154
▽同女子
 【1位】安藤すみれ(岡山・横井小3年)=155
※同スコアはプレーオフによる
※所属は進学校、新学年で表記しています。

【協会広報ライター・赤坂厚】

【大会雑観】

15-18歳の部男子

 15-18歳の部男子は、今村吏桜(大阪・東大阪付柏原高1年)が首位に7打差10位からスタートし2アンダー70をマーク、77と崩れた初日首位の吉田京介(東京・代々木高3年)と通算7オーバー151で並び、ともに世界ジュニア代表を決めた。優勝を決めるプレーオフでは1ホール目の1番で今村がバーディーを奪って1位となった。
 今村は「考えられないです。初めてなんで」と信じられない様子。この日は「15回グリーンを外してノーボギー。グリーンに乗った3回のうち2ホールで1メートルぐらいのバーディーだった。こんなゴルフも初めてです」という逆転劇だった。
 「優勝したい」と話していた首位スタートの吉田は77をたたいて「ズタボロでした」とぼう然。「ショットの方向は合うんですが、全部ショート。乗らない、バーディーが取れないのゴルフでした」と振り返った。それでも世界ジュニアの代表は手にし「最低限の目標は達成した」と少し納得していた。
 世界ジュニアに向けて、今村は「行ったことがないので右も左もわからない。まず、英語を勉強します」と話し、吉田は「今日悪かったことを見直して、優勝を目指したい」と気持ちを奮い立たせていた。

15-18歳の部女子

 15-18歳の部女子は、上久保実咲(奈良・奈良育英高2年)が2アンダー70で回り、混戦を抜け出して通算イーブンパーの144で優勝を飾った。2位争いは、清本美波(愛知・誉高2年)がバーディーなしながら75でこらえ、通算4オーバー148で2位となり、上久保とともに世界ジュニアの代表を射止めた。
 「今日はパターがすごく入って、5バーディーが取れた」と、強風でスコアを崩す選手が多い中での快スコアだった。「風は元々苦手だったんですけど、最近の試合で風の中でやることが多くて、それまでは風が吹いたら10ヤード(増減)みたいな感じだったのが、今回は1番手上げてハーフショットで強く打つとか、柔軟に対応できた」と振り返った。
 清本は、目まぐるしく変わる2位争いを制した。「一緒に回った美咲ちゃんがいい刺激になりました。ノーバーディーのゴルフは悔しいですけど、代表になれたのはうれしい」と、粘りのゴルフを見せた。
 世界ジュニアに「初めてなので、楽しみにしています。海外の選手はフィジカルが強いイメージがあるので、私もトレーニングをして、上位に行けるように頑張りたい」と上久保。2017年9―10歳の部に出場経験のある清本は「自分もトレーニングに取り組んでいるので、世界ジュニアで周りの選手と比べてみたい」と話していた。

13-14歳の部男子

 13-14歳の部男子は、初日首位の外岩戸晟士(鹿児島・志布志中3年)が通算6オーバー150で逃げ切って優勝した。2位争いは小川琥太郎(大阪・山田中2年)が抜け出し、通算10オーバー154で日本代表の座を射止めた。
 外岩戸は「2アンダーで回ろうと思いましたが、前半は自分らしくないミスをしてしまった」と、インスタートでバーディー、ボギー2つずつで36。後半はと意気込んだが、2番でバーディーを奪った後、連続ボギーなど「自分の体力の限界を感じた。クラブが重くなってきて、パターも入らなくなった」と3パット3回などスコアを落とした。それでも2位に4打差をつけての日本代表に「ロングアイアンの精度を上げ、ショートゲームを課題にしたい」と話した。
 小川は「びっくりです。自分ではいいゴルフをした思いましたが、まさかの2位です」と笑顔を見せた。この日はイーブンを目標にスタート。前半39と落としたが、後半はイーブンをキープして終盤に。8番でアプローチをミスして4メートルのパーパットを残したが、これを決めて3位に1打差で日本代表を引き寄せた。「みんなより飛ばないんで、自身があるアプローチとパターを武器にやりたい」と目を輝かせた。

13-14歳の部女子

 13-14歳の部女子は、最終18番で逆転した仲村梓(沖縄・沖縄東中3年)が通算12オーバー156で優勝、逆転された中山凛花(愛知・守山北中2年)が1打差2位で、ともに世界ジュニア代表の座を手にした。
17番まで首位を守ってきた中山。仲村を1打リードして最終18番に。ティーショットを右のフェアウエーバンカーに入れ、出して3打目をトップしてグリーン奥のバンカーに。4オンしたが、3パットしてまさかのトリプルボギー。ボギーで終えた仲村が1打逆転して優勝した。17番までの貯金が効いて、中山は3位に1打差でかろうじて2位を確保した。
仲村は「天気が晴れだったので、バーディーが取れたらと思っていたけど、うまくいかなかった。優勝は思っていなかった。耐えるゴルフができた結果だと思います」と振り返った。最後の最後で優勝を逃した中山は「首位スタートで緊張しました。アイアンが良くて17番までトップだったんですけど…すごく悔しいです」と話した。
 世界ジュニアに向けて仲村は「自分の力を精いっぱい出して、行けるだけ攻めていきたい」と意気込んだ。中山は「日本と違うコースだと思うので、しっかり対応して攻めていきたい」とこちらも意気込みを見せた。

【大会コメント】

◇11―12歳の部男子優勝の石口寛樹(奈良・大正中1年)◇
「今日は72で回れてよかった。バーディーは2個で少なかったけど。グリーン乗せてパーを取るという作戦で我慢していたら、いいことがあるかなと思ってやりました。世界ジュニアの代表になれて、めっちゃうれしいです」

◇11-12歳の部女子優勝の仁科優花(千葉・打瀬中1年)◇
「普段通りの攻めのゴルフができました。」アンダーにはならなかったけど、最終の9番で6,7メートルの難しいラインのバーディーパットを思った通りに打てた。自分的にも米国に行きたいと思っていたのでうれしい」

◇9―10歳の部男子優勝の小澤優仁(東京・府中第二小5年)◇
「バーディーパットが決まらなくて、耐えるゴルフをしたのがよかった。バンカーショットが2回、うまくいった。日本代表として恥をかかないように、世界ジュニアでいい結果を出したい。アプローチをもっと寄せられるようにしたい」

◇9-10歳の部女子優勝の寺町美友海(愛知・豊山小5年)◇
「今日は5打差でスタートしたから、一か八かで狙えるところは全部狙って行こうと思った。前半、狙える機会がたくさんあって、バーディーを2個取れてよかった。後半は安全にやりたくて控えめにやった、世界ジュニアは初めてだから、楽しんできたい」

◇7―8歳の部男子優勝の園和真(佐賀・鳥栖北小3年)◇
「世界で勝ったみたいにうれしいです。今日はグリーンに乗せるのがだめで、80だったので、ちょっと悪かったけど。もう1回70台で回りたかった。世界ジュニアでは60台で回りたいです。乗せるショットを練習する」

◇7-8歳の部女子優勝の安藤すみれ(岡山・横井小3年)◇
「今日はちょっとうまくいかなかった。アンダーを出したいなと思ったけど、行かなかった。世界ジュニアでは、5位ぐらいまでには入りたいです。アプローチとパターで寄せていったり、ボールを高く上げる練習をしていく」