<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 東日本決勝大会最終日>

 IMGA世界ジュニア(7月11~14日、米カリフォルニア州サンディエゴ)の日本代表14人が決まった。

 15-18歳の部男子は前日首位の小林翔音(しょおん、千葉・西武台千葉高3年)が連日の73で回り、通算2オーバー146で優勝、初の日本代表入りを決めた。1打差2位に上村大和(東京・目黒日大高2年)が入り、日本代表となった。同女子は、首位スタートの戸高玲奈(東京・石神井中3年)が手堅いプレーで74と粘って通算1オーバー145で1位となり、2位スタートの柴崎香凛(山形・山形城北高1年)も73にまとめ通算4オーバーで2位に残って、ともに日本代表となった。

 13-14歳の部男子は1打差4位からスタートした斎藤旬一(栃木・三島中3年)が3バーディー、3ボギーの72をマークして逆転、通算6オーバー150で1位となり、前日首位タイ3人の1人、片野貫一朗(千葉・光英ヴェリタス中2年)が1打差2位を確保して日本代表に決まった。同女子は福田美来(みくる、兵庫・稲美中2年)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算1アンダー143で逆転優勝し、前日1アンダーで首位の清水心結(埼玉・東浦和中3年)はバーディーなしの苦しいゴルフながら75にこらえ、通算2オーバーで2位となり、ともに日本代表となった。

 11-12歳の部以下の年齢カテゴリーでは雷雲の接近により2度の中断に見舞われたが、2日間36ホールを終えて、全カテゴリーで日本代表が決まった。

東日本ブロックの世界ジュニア日本代表は以下の通り。
▽15―18歳の部男子
【1位】小林翔音(千葉・西武台千葉高3年)=146
【2位】上村大和(東京・目黒日大高2年)=147
▽同女子
【1位】戸高玲奈(東京・石神井中3年)=145
【2位】柴崎香凛(山形・山形城北高1年)=148
▽13―14歳の部男子
【1位】斎藤旬一(栃木・三島中3年)=150
【2位】片野貫一朗(千葉・光英ヴェリタス中2年)=151
▽同女子
【1位】福田美来(兵庫・稲美中2年)=143
【2位】清水心結(埼玉・東浦和中3年)=146
▽11―12歳の部男子
【1位】織田瑛太(宮城・宮城教育大付中1年)=151
▽同女子
【1位】山下萌寧(兵庫・甲子園学院中1年)=147
▽9―10歳の部男子
【1位】高瀬莉空(香川・高松第一小5年)=151
▽同女子
【1位】金城あんな(神奈川・久末小5年)=153
▽7―8歳の部男子
【1位】根本将誠(加茂学園小3年)=159
▽同女子
【1位】村上聖奈(兵庫・逆瀬台小3年)=159
【協会オフィシャルライター・赤坂厚】

【大会雑観】

15-18歳の部男子
小林翔音(千葉・西武台千葉高3年)
小林翔音(千葉・西武台千葉高3年)
上村大和(東京・目黒日大高2年)
上村大和(東京・目黒日大高2年)
15-18歳の部男子日本代表の小林翔音(左)と上村大和
15-18歳の部男子日本代表の小林翔音(左)と上村大和
 15-18歳の部男子は、小林翔音(しょおん、千葉・西武台千葉高3年)が、通算2オーバー146で優勝、1打差2位に上村大和(東京・目黒日大高2年)が入り、日本代表となった。
 小林はインスタートで3つのボギーが先行したが、17番で6メートルを決め、18番パー5では2オンに成功してバーディー。折り返した1番で5メートルを沈める3連続バーディーで取り返し、残りをボギー1つに抑えて逃げ切り優勝した。「幼稚園からこの大会に出て、最終日後半で崩すのが続いて、ずっと世界ジュニアに行きたかった。ドライバーでOBを打ちたくなかったので、めちゃ、カット打ちをして、フェアウエーにしか行かなかったのがよかった」と笑顔を見せた。
 上村は小林と同組で首位に3打差でスタート。前半1オーバーで2位争いになったが、1番で6メートルを決め、8番パー3で1.5メートルにつけるバーディーで2位を決定づけた。「しびれました。前半、18番パー5でバーディーの計算がボギーになってしまって。1番のバーディーが大きかった」と振り返った。
 小林は兄・大河に続くきょうだい(兄弟)代表。世界ジュニアに向けて「代表になりたくてそっちのことばかり考えていたのでまだ考えられていません。初めての米国なので楽しみたい」と話した。
 上村は同じ高校の1年先輩の本大志が昨年このカテゴリーで世界一(2年シード)になっており「大会前に『一緒に行こうよ』と言われた。大志君が勝っているので自分も優勝を目指したい」と意欲を見せた。
15-18歳の部女子
戸高玲奈(東京・石神井中3年)
戸高玲奈(東京・石神井中3年)
柴崎香凛(山形・山形城北高1年)
柴崎香凛(山形・山形城北高1年)
15-18歳女子日本代表の戸高玲奈(左)と柴崎香凛
15-18歳女子日本代表の戸高玲奈(左)と柴崎香凛
 15-18歳の部女子は、首位スタートの戸高玲奈(東京・石神井中3年)が手堅いプレーでて通算1オーバー145で1位となり、2位スタートの柴崎香凛(山形・山形城北高1年)も73にまとめて通算4オーバーで2位に残って、ともに日本代表となった。
 戸高は「スタート前は心臓がはちきれそうだった」と緊張していたが、ティーショットを打って少し落ち着いた。ボギーが先行したが、4番でピン奥6メートル、5番で2メートルにつける連続バーディーでプレッシャーをはねのけた。12、13番でも連続バーディーを取り、1位を守り切った。
 柴崎は通算4オーバーで2位を守っていたが、2つ前の組の安西歩美が16番から3連続バーディーで追撃し、先に5オーバーで上がった。1打差の17番で第2打残り156ヤードから6番アイアンで30センチにつけて2打差とし、最終18番でバンカーに入れてボギーにしたが辛くも逃げ切った。「ドキドキしました。やっとアメリカに行けると思った」と、ホッとした表情を見せた。
 世界ジュニアに向け、初代表の戸高は「何も分からないのでアプローチとパットを強化したい。せっかくアメリカに行けるので楽しむのが一番。面白い食べ物を食べたい」と笑った。
 2021年に13-14歳の部で優勝して代表になったが、コロナ禍で個人参加を見送った柴崎は初の世界ジュニア挑戦に「日本とは芝が違うという事なので、早く対応したい。グリーンが難しそうなので、パッティングがうまくなりたい」と話した。
13-14歳の部女子
福田美来(兵庫・稲美中2年)
福田美来(兵庫・稲美中2年)
清水心結(埼玉・東浦和中3年)
清水心結(埼玉・東浦和中3年)
13-14歳の部女子日本代表の福田美来(左)と清水心結
13-14歳の部女子日本代表の福田美来(左)と清水心結
 13-14歳の部女子は、福田美来(みくる、兵庫・稲美中2年)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算1アンダー143で逆転優勝、首位スタートの清水心結(埼玉・東浦和中3年)はバーディーなしの苦しいゴルフながら通算2オーバーで2位となり、ともに日本代表となった。
 福田は「スタート前、首位(清水)と3打差あったので、2アンダーで回るのを目標にしました」という。2番で得意のショートアイアンで1メートルにつけるバーディーなど4バーディー、1ボギーの69と目標を上回り、清水を逆転した。「ボギーをたたかないゴルフを目指して(出来が)良かったと思います。日本代表を意識していたのですごくうれしい」と笑った。
 2位で日本代表を手にした清水は、バーディーなしの苦しいゴルフもあって、ちょっと浮かない表情。「いい感じで出ていけたらベストスコアを目指そうと思ったんですけど、1番からボギーになって、楽しいゴルフがシーンとしてしまった」と話した。
 世界ジュニアに向けては、福田は「今全てがいい感じなのでこのまま行けたらと思います」という。昨年12月のフロリダチャレンジに出場して米国の経験があり「グリーンの芝に合わせたプレーをしたい」と話した。
 清水は2015年に6歳以下の部で世界ジュニアに優勝し、17年に7-8歳の部を制するなど5年連続出場している。コロナ禍で久しぶりの舞台に「強い子が集まっているので、負けないようにショットやパットの精度を上げて行きたい」と楽しみにしていた。
13-14歳の部男子
斎藤旬一(栃木・三島中3年)
斎藤旬一(栃木・三島中3年)
片野貫一朗(千葉・光英ヴェリタス中2年)
片野貫一朗(千葉・光英ヴェリタス中2年)
13-14歳の部男子日本代表の斎藤旬一(左)と片野貫一朗
13-14歳の部男子日本代表の斎藤旬一(左)と片野貫一朗
 13-14歳の部男子は、1打差4位からスタートした斎藤旬一(栃木・三島中3年)が3バーディー、3ボギーの72をマークして逆転、通算6オーバー150で1位となり、片野貫一朗(千葉・光英ヴェリタス中2年)が1打差2位に入って日本代表に決まった。
 斎藤は「トップとは1打差だったので、伸ばすことだけ考えてプレーしました」という。インスタートの12番で2メートルを決め、13番で1.5メートルにつけて連続バーディーと序盤で抜け出した。折り返して2番で3つ目のバーディーが来たが、直後の3番、4番で連続3パットのボギーで「流れが悪くなった。次の5番で切り替えられたのがよかった」と振り返った。右腕には「練習ラウンドで筋が痛くなって熱を持った」とテーピングをしてのプレーだった。
 片野が前日首位タイに並んだ3人の中にいた。「逃げるというよりは伸ばしたいという気持ちでした」という。前半はパットに苦しんで1オーバーで後退。折り返して2番で左のカラーから入れて息を吹き返し、6番で3メートルにつけてバーディーを奪って「代表に近づけたかなと思った」という。
 ともに2度目の日本代表だが、斎藤は2021年11-12歳の部で勝ち取ったがコロナ禍で個人参加は見送った。世界ジュニアに向け「周りに惑わされないで、しっかり自分のプレーをして優勝を狙いたい」と話した。「本番までに、自分に自信がつくように練習して、苦手を埋めて行きたい。特にアプローチ」と意欲を見せた。
 片野は2019年に9-10歳の部で世界ジュニアを経験している。「シード権まであと2打(10位)で悔しい思いをした」という。「ボギーを打たない安定したプレーをしたい。今セカンドはピンに行っているけど、ドライバーが安定していないので修正していきたい」と話していた。

【大会コメント】

織田瑛太(宮城・宮城教育大付中1年)
織田瑛太(宮城・宮城教育大付中1年)
織田瑛太(宮城・宮城教育大付中1年)
◇11―12歳の部男子1位の織田瑛太(宮城・宮城教育大付中1年)◇
「とてもうれしいです。前半で2位に4打差をつけていたので、日本代表になれるかなと思った。でも後半疲れが出てきてミスが多くなってしまった。廣木(直翔)君が後半絶好調で1打差になった時は焦りました。18番で2人ともバーディーパットで、廣木君が入れて、僕が外したらプレーオフだと思ってとてもとても緊張した。3メートルぐらいを先に打って入れて、下からガッツポーズをした。21年に代表になって行かなかったので、世界ジュニアでは楽しく、本気でゴルフをしてトップ10に入りたい」
山下萌寧(兵庫・甲子園学院中1年)
山下萌寧(兵庫・甲子園学院中1年)
◇11-12歳の部女子1位の山下萌寧(兵庫・甲子園学院中1年)◇
「去年3位だったのでめちゃくちゃうれしいです。優勝できると思っていなかったけど、できることをできるだけやろうと思いました。全部パーを取ろうと思って、バーディーが4つ取れた。まぐれかなって思いました。トップって知らなかったけど、後半の1、2番でバーディーを取って逆転したと思います。世界ジュニアまでにショット、パット、アプローチ、全部練習して、できるだけのことをしたい」
高瀬莉空(香川・高松第一小5年)
高瀬莉空(香川・高松第一小5年)
◇9―10歳の部男子1位の高瀬莉空(香川・高松第一小5年)◇
「(コンディションが)昨日より楽だったけど、(首位スタートで)追いつかれないように、攻めたり守ったりした。6番で48度のウエッジでライン出したら30センチについた。3回目の世界ジュニアだけど、前の2回(2019、21年)は勝ちたい気持ちが負けを呼んでしまった。今度こそシード権、1位を取りたいんで、まず切符が取れてよかったです。世界ジュニアはいろんなうまい子とぶつかるんで、アプローチとパッティングの安定感を上げていく」
金城あんな(神奈川・久末小5年)
金城あんな(神奈川・久末小5年)
金城あんな(神奈川・久末小5年)
◇9-10歳の部女子1位の金城あんな(神奈川・久末小5年)◇
「(1打差の)18番パー5でセカンドでバンカーに入れちゃったけど、先生に教えてもらったことをやって、3メートルぐらいについて、それを入れてバーディーで感動しちゃった。最後はドキドキしました。すごくうれしくて、助けてくれたおじいちゃん、おばあちゃんに、その感動をあげたい。世界ジュニアは笑顔でやりたい。私の一番だから。アメリカっぽい服を着たい」
根本将誠(加茂学園小3年)
根本将誠(加茂学園小3年)
◇7―8歳の部男子1位の根本将誠(加茂学園小3年)◇
「めちゃくちゃ厳しい試合だった。抜いたり、抜かれたりして厳しかった。今日はドライバーが飛んでいた。お兄ちゃん(悠誠=2022年11-12歳の部2位で23年はシード)と一緒にやりたかった。世界ジュニアでも絶対に勝つ」
村上聖奈(兵庫・逆瀬台小3年)
村上聖奈(兵庫・逆瀬台小3年)
◇7-8歳の部女子1位の村上聖奈(兵庫・逆瀬台小3年)◇
「今日は楽しく回れた。緊張しなかった。バーディーは1つだけだった。(5度目の決勝大会で代表を手にして)アメリカでも楽しく回って、1位を目指したい。ドライバーはよかったけど、パットはまあまあ、セカンドはまあまあだった。今の調子を落とさないように全部練習する」