<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 西日本決勝大会初日>

 午前は雨のコンディションの中で行われた。15-18歳の部男子は、渋川煌(大阪・大阪学院高1年)と赤松成眞(大阪・興国高2年)が1アンダー71をマークして首位に並んだ。1打差で柳川藤次郎(三重・鼓ケ浦中3年)が追っている。同女子は、松本來海(兵庫・日ノ本学園1年)と菊田ひな(大阪・ルネサンス大阪高1年)が2オーバー74で並び、1打差に4人が追う展開になった。
 13-14歳の部では、男子は、梅田琉偉(愛知・愛知教育大付名古屋中3年)がイーブンパー72で首位に立ち、1打差で長﨑大星(宮崎・日章学園中2年)と大西晃盟(兵庫・兵庫教育大付中3年)がつけている。同女子は、岩永杏奈(兵庫・塚口中3年)がイーブンパー72で1位、1打差で廣吉優梨菜(福岡・折尾中2年)、さらに1打差で藤野蒼來(鹿児島・郡山中2年)と続いている。
 その他のカテゴリーでは、11-12歳の部男子は吉行ローリ(広島・高屋西小6年)が74、同女子は重原純奈(千葉・大栄みらい学園中1年)が72で首位。9-10歳の部男子は首位に稲葉輝海(東京・青梅第三小5年)、田岡凌叶(徳島・半田小5年)、小筆一颯(栃木・埼玉小5年)、高瀬莉空(香川・高松第五小5年)が79で並び、同女子は大栗愛珠(東京・品川インターナショナルスクール5年)が74でトップに立っている。7-8歳の部では男子は根本将誠(千葉・加茂学園小3年)と近藤大河(神奈川・小田中小3年)が75で、同女子は道端楓子(兵庫・稲野小3年)が72で首位に立った。
 決勝大会は西ブロック各地区予選突破者と、昨年の世界ジュニア代表がシード選手として出場している。2日間36ホールの合計ストロークで争い、15―18歳、13―14歳の部男女は各2人、11―12歳の部以下の男女各3部門は各1人が日本代表に選抜され、IMGA世界ジュニア(7月11~14日、米カリフォルニア州サンディエゴ)に出場する。
【協会広報ライター・赤坂厚】

※4月以降の学校名、学年で表記しています。

【大会雑観】

15-18歳の部男子
渋川煌(大阪・大阪学院高1年)
渋川煌(大阪・大阪学院高1年)
赤松成眞(大阪・興国高2年)
赤松成眞(大阪・興国高2年)
 15-18歳の部男子は、渋川煌(大阪・大阪学院高1年)と赤松成眞(大阪・興国高2年)が1アンダー71をマークして首位に並んだ。
渋川は前半、パーオン3回とショットに苦しんだ。「アプローチもあまり寄らず、パットが入った」と、7番で5メートルのバーディーを奪い、残り8ホール全てパーで11パットでしのいだ。後半は「ショットが良くなったらパットが入らなくなってしまった」と今度は1度グリーンを外しただけだったが、そこをボギーとし、1バーディーにとどまっての71だった。
 世界ジュニアには「将来プロになって海外に出られるようになりたいのでその経験にしたい」と挑戦している。「あまり飛ぶ方じゃないので、グリーンを外したら頑張りたい。明日は大雨になるとロースコアの戦いになる。耐えて耐えて、パープレー、1オーバー、2オーバーあたりで回りたい」と話した。
 赤松は「自分の中ではまずまずのスコア」と納得の71だった。後半、14番で150ヤードの第2打を10センチにつけるバーディーから、15番で30センチにつけ、16番では手前カラーから10メートルほどをパターで直接入れる3連続バーディーで一時は3アンダーとした。しかし上がり2ホールをボギーにしたのはもったいなかった。
 夕食を2回と摂るなどの食育で「元々飛ばなくてまっすぐ、だったのが、体が大きくなって飛ぶようになった」と今は177センチ、67キロでドライバー飛距離は280~290ヤードまで伸びた。「最終日はみんな耐えるゴルフになる。フェアウエーに置いておけばどうにかなると思います」。
 ともに初の世界ジュニア代表を目指す。
15-18歳の部女子
松本來海(兵庫・日ノ本学園1年)
松本來海(兵庫・日ノ本学園1年)
菊田ひな(大阪・ルネサンス大阪高1年)
菊田ひな(大阪・ルネサンス大阪高1年)
 15-18歳の部女子は、松本來海(兵庫・日ノ本学園1年)と菊田ひな(大阪・ルネサンス大阪高1年)が2オーバー74で首位に並んだ。
 松本は「アプローチが自分の思ったところに落とせなかったので、ボギーが多くなってしまった」と、4バーディーを奪ったが6ボギーと出入りが激しくなった。見せ場は後半のアウト。5番から「6~7メートルのパットが、あ、入ったみたいな」と3連続バーディーを奪った。
 昨年は決勝大会に進んだが「ボロボロでした」という。練習量を増やし「去年は全部だめだったので、結果ではなく安定を目指した。ショットは今イチの割に寄ったからよかったかな」という。最終日は「ミスしてもリカバリーしたい」と話した。
 菊田は不満そうな表情。「ドライバーがずっと右に出ていて」とティーショットに苦しんだ。原因は体の成長。昨年より体重がかなり増え、ドライバーの飛距離も20ヤード以上伸びたため「越えなかったバンカーが越えるかどうかになって、避けるとラフに突き抜けてしまって。10割の力で打ったらバンバン曲ったので6割ぐらいで打っていました」と、コースマネジメントへの迷いがあり、雨のコンディションもあって難しかったようだ。
 それでも15番パー5では第1打をバンカーに入れ、チョロした後の第3打を木に当て、第4打もグリーンオーバーするピンチを寄せワンのボギーで切り抜けた。「最終日は自分の組でトップになるのが基本。世界ジュニア代表になること(2位以内)だけを目指します」と意気込んだ。
 1打差に4人が追う混戦の展開。息を抜けない最終日になりそうだ。
13-14歳の部女子
岩永杏奈(兵庫・塚口中3年)
岩永杏奈(兵庫・塚口中3年)
 13-14歳の部女子では、岩永杏奈(兵庫・塚口中3年)がイーブンパー72でトップに立った。
 インスタートの10番でボギー発進したが、12番で5メートルを入れて取り返した。15番パー5で「上りのまっすぐ」の2メートルを入れ、17番パー3では「U5のティーショットが入りそうになった」と1メートルについて、前半2アンダーで折り返した。後半は「しのいだのもあった」と、4番ではボールが見えないぐらいの目玉になって1回で出なかったが、4打目を1メートルにつけてボギーに収めるなど、粘りを見せてのイーブンパーだった。
 昨年はこの大会で代表を取れず、米国でのフロリダチャレンジで優勝して世界ジュニア13-14歳の部に出場した。今年は「日本代表選手団で行きたい」と、この大会での代表獲得を目指す。「(このカテゴリーでは)上の年齢なんで優勝したいです。今日はショットが良くなかったので、修正して臨みたい」と、7-8歳の部で2017年に代表になって以来の日本代表選手団入りを目指す。
13-14歳の部男子
梅田琉偉(愛知・愛知教育大付名古屋中3年)
梅田琉偉(愛知・愛知教育大付名古屋中3年)
 13-14歳の部男子は、梅田琉偉(愛知・愛知教育大付名古屋中3年)がイーブンパー72で首位に立った。
 序盤はセカンドショットに苦しんだというが、6番で右4メートルにつけてバーディーからギアが入った。8番で10メートルほどのパットを入れ、9番では左4メートルの「スライスラインがきれいに入って」と1アンダーで折り返した。後半は15番で10メートルほどを入れたが、17番で3パットをしてしまう、イーブンパーだった。
 決勝大会は3回目の挑戦。「苦手のコースだったけど、今日はドライバーが曲がらず、ロングパットも入ってうれしかった」と振り返った。世界ジュニアには「海外の人を回っていろいろ学びたいし、自分の位置を見てみたい」という目的もある。
 「ドライバーは飛ぶ方じゃないんで、フェアウエーに置いて、乗せてパーを取り、運が良かったらバーディー」というのが自分のゴルフという。「明日は雨でもっとドライバーが飛ばないと思う。グリーンを外しても、パーを取りやすい場所に置きたい。パープレーが目標です」と話した。

【大会コメント】

小宮千愛(愛知・南山学園聖霊高1年)
小宮千愛(愛知・南山学園聖霊高1年)
◇15-18歳の部女子3位の小宮千愛(愛知・南山学園聖霊高1年)◇
「去年、世界ジュニア(13-14歳の部)から帰ってきて、クラブを全部替えました。お姉ちゃんのお下がりで、飛ばそうと思ったらおかしくなって、フィッティングで見てもらったら全部合っていないと言われた(笑い)。体幹トレーニングを週1回やるようになって飛距離が伸びました。今日はもう少しパターが入ったらよかったんですけど。(年齢が)上の人ばかりだけど、同じように頑張りたい。今日の75以下では回りたい」
長﨑大星(宮崎・日章学園中2年)
長﨑大星(宮崎・日章学園中2年)
◇13-14歳の部男子2位の長﨑大星(宮崎・日章学園中2年)◇
「イーブンパーが目標だったんですが。1番パー5で2オンして3パットで流れが悪くて。前半2オーバーだったけど、アンダーとかで回っている人もいたんで後半頑張ろうと思った。13番で15センチぐらいのバーディーパットがかすりもしなくて…。でも15番パー5で第2打をグリーンオーバーして20ヤードぐらいのアプローチが良くてバーディーになって、インはアンダーで回れた。明日はショートパットをしっかり入れたい」
大西晃盟(兵庫・兵庫教育大付中3年)
大西晃盟(兵庫・兵庫教育大付中3年)
◇13-14歳の部2位の大西晃盟(兵庫・兵庫教育大付中3年)◇
「(3バーディー、4ボギーに)1週間ぐらい前からウッド系がスライスしていたんで、朝の練習で頑張って極端に打って、コースに行ったらちょっと良くなった。1番で完ぺきなドライバーを打てて、あーよかったと思った。決勝大会は中1の時に出て全然だめだった。(昨年日本ジュニア12-14歳の部で優勝し)全国で1番になる目標を達成して勇気にもなった。今度は世界一になりたいです。パターがいいので、明日は乗せたらパターでねじ込む」
廣吉優梨菜(福岡・折尾中2年)
廣吉優梨菜(福岡・折尾中2年)
◇13-14歳の部女子2位の廣吉優梨菜(福岡・折尾中2年)◇
「バーディー2個しか取れず、8ホールで乗らなかったのが3つボギーになったけど、何とかパターでしのぎました。無理せず攻めるところは攻めるゴルフを目指していますが、今日は出来たと思います。世界ジュニアでいろんな人のプレーを見て参考にしたいし、芝とかも違うので考えた練習ができると思うので、行きたいです。明日はパーオン率を上げて、ボギーを少なくしたい」
藤野蒼來(鹿児島・郡山中2年)
藤野蒼來(鹿児島・郡山中2年)
◇13-14歳の部3位の藤野蒼來(鹿児島・郡山中2年)◇
「納得いかないです。前半の最後(18番)は奥のバンカーに入れてバンカーショットがよかったのにボギーにしたけど、今日はバンカーに4,5回入れてよく寄ってパーを取れた。飛ばないから、飛距離アップのために一日5食(朝、昼、夕方、晩、夜食)とって、もやし(38キロ)からごぼう(45キロ)になって、もっと増やして大根を目指したい(笑い)。明日はバーディーはたぶん取れんから、落とさないようにしたい。組の中でトップを目指します」
吉行ローリ(広島・高屋西小6年)
吉行ローリ(広島・高屋西小6年)
◇11-12歳の部男子1位の吉行ローリ(広島・高屋西小6年)◇
「(2バーディー、4ボギーに)思ったより良かった。練習ラウンドでグリーンがムズかったので、78ぐらいを予想していた。18番で53ヤードのチップインバーディーがあった。(コースは)ドッグレッグとか打ち上げとかあって面白かった。明日は気を緩めずに、75、76を目標にして回りたい。下手なんでこれからパターを練習します」
重原純奈(千葉・大栄みらい学園中1年)
重原純奈(千葉・大栄みらい学園中1年)
◇11―12歳の部1位の重原純奈(千葉・大栄みらい学園中1年)◇
「前半、波があって、2~3メートルのパットもスレスレ入らなかった。後半はパットを少し直して良くなった。全部パー出たけど、アプローチで寄らなくてギリギリ入ったのもあった。危なかった。最終日は雨が降るらしいので、飛ばないのを計算に入れながら、丁寧にやりたい。ショットは大丈夫です」
稲葉輝海(東京・青梅第三小5年)
稲葉輝海(東京・青梅第三小5年)
◇9-10歳の部男子1位の稲葉輝海(東京・青梅第三小5年)◇
「前半1番でダブルボギーにして、取り戻す気迫はあったんだけど。ミスばっかりしてしまった。でも後半は10番で2メートルのバーディーを入れて、18番でも1.5メートルを入れた。課題はショット。ウッドはいいけど、アイアンがボロボロだった。地面がぐしゃぐしゃでダフってしまった。最終日は去年優勝しているので、差をつけて優勝したい。ホテルの床でパット練習する」
田岡凌叶(徳島・半田小5年)
田岡凌叶(徳島・半田小5年)
◇9-10歳の部男子1位の田岡凌叶(徳島・半田小5年)◇
「前半ショットが良くてパターが入った。後半はちょっと腰の切れがなくて、10番でOBしたり、バンカーで目玉になったりしてよくなかった。バーディーは2つ(2、9番)取った。明日はもっとショットをよくして、OBをなくして、安定したショットを打ちたい。パットも入れて75ぐらいのスコアを出して、世界ジュニアに行きたい」
小筆一颯(栃木・埼玉小5年)
小筆一颯(栃木・埼玉小5年)
◇9-10歳の部男子1位の小筆一颯(栃木・埼玉小5年)◇
「調子悪かったんですけど、ショットが悪い中でよく耐えられた。メンタル的なところもよかった。練習ラウンドで90だったけど、いっぱい練習になった。1位との差は気にせず練習ラウンドよりいいスコアを出そうと思った。明日は耐えて粘って、チャンスで取れるところは取っていく」
高瀬莉空(香川・高松第五小5年)
高瀬莉空(香川・高松第五小5年)
◇9-10歳の部1位の高瀬莉空(香川・高松第五小5年)◇
「やばいですよ。ショットで左足下がりのライでうまく飛ばなかった。でもパターはよかったです。バーディーゼロだったけど、パターのしのぎができた。2メートルぐらいのパーパットがけっこう入ったから。最終日はパーを重ねて、チャンスを取って、ムダなボギーを打たないこと。目標は75ぐらい」
大栗愛珠(東京・品川インターナショナルスクール5年)
大栗愛珠(東京・品川インターナショナルスクール5年)
◇9-10歳の部女子1位の大栗愛珠(東京・品川インターナショナルスクール5年)◇
「最終9番で10メートルをガツンと打ったらピンに当たって入った。今日はトップばかりしていた。(4バーディー、6ボギーに)トップやアプローチ寄らずや3パットもあった。今日はたまたまの奇跡、ラッキーばっかりでバーディーも全部ラッキーだった。明日はなるべく奥につけないようにしてアプローチとパターで頑張る」
根本将誠(千葉・加茂学園小3年)
根本将誠(千葉・加茂学園小3年)
◇7-8歳の部男子1位の根本将誠(千葉・加茂学園小3年)◇
「今日は少しだけよかった。悪いところもちょっとあったけど、いいところの方が多かった。21歩のパットを半歩に寄せられたりした。パターはあまり得意じゃないから。バンカーの目玉も結構ダフってきれいに打つことができた。最終日はパターとドライバー。1位を目指す。(優勝確率は)50%ぐらいかな」
近藤大河(神奈川・小田中小3年)
近藤大河(神奈川・小田中小3年)
◇7-8歳の部1位の近藤大河(神奈川・小田中小3年)◇
「バーディーパットがあんまり入んなかった。でも(ピンをオーバーして)行っちゃったときにパーパットが入った。2メートルぐらいの長いパーもあった。1,2番でギリギリのパーをキープしたのがよかった。最終日はパーをキープする。パーオンして2パットか1パットで入れたアンダーにしたい。練習ラウンドではアンダー(70)が出たから」
道端楓子(兵庫・稲野小3年)
道端楓子(兵庫・稲野小3年)
◇7-8歳の部女子1位の道端楓子(兵庫・稲野小3年)◇
「パットがよかった。タッチが合っていた。1番で2歩、8番でウッドが寄って2歩のバーディーが取れた。練習ラウンド4回やった時は76、77、78ぐらいだった。それで反省して、今日はつけたらあかん所につけなかった。最終日は出来れば今日みたいなパープレーで回りたい」