<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 西日本決勝大会最終日>

◇3月26日◇滋賀・滋賀GC(15-18歳の部男子6956ードほかカテゴリー別、パー72)◇出場162人◇雨◇主催・国際ジュニアゴルフ育成協会、株式会社ビーエスフジ◇後援・日本プロゴルフ協会ほか◇特別協賛・パシフィックゴルフマネージメント

 IMGA世界ジュニア(7月11~14日、米カリフォルニア州サンディエゴ)の日本代表14人が決まった。
 時折激しい風雨の中でのプレーとなった。15―18歳の部男子では、武田紘汰(徳島・生光学園高1年)が4オーバー148で優勝。2位のプレーオフを制した渋川煌(大阪・大阪学院高1年)とともに、初の日本代表となった。同女子は、高岸鈴(徳島・生光学園高2年)が7オーバー151で1位となり、2位を争うプレーオフを制した松本來海(兵庫・日ノ本学園1年)と日本代表入りした。13-14歳の部男子は、混戦を抜け出した道上嵩琉(兵庫・滝川第二中2年)が3オーバー147で優勝し、2位を争うプレーオフを制した長崎大星(宮崎・日章学園中2年)が代表入り。同女子は。後藤あい(兵庫・松蔭中3年)が3オーバー147で逆転優勝、藤野蒼來(鹿児島・郡山中2年)が2打差2位を確保して日本代表の座を射止めた。

 西日本ブロックの世界ジュニア日本代表は以下の通り。

▽15―18歳の部男子
【1位】武田紘汰(徳島・生光学園高1年)=148
【2位】渋川煌(大阪・大阪学院高1年)=149
▽同女子
【1位】高岸鈴(徳島・生光学園高2年)=151
【2位】松本來海(兵庫・日ノ本学園1年)=152
▽13―14歳の部男子
【1位】道上嵩琉(兵庫・滝川第二中2年)=147
【2位】長崎大星(宮崎・日章学園中2年)=150
▽同女子
【1位】後藤あい(兵庫・松蔭中3年)=147
【2位】藤野蒼來(鹿児島・郡山中2年)=149
▽11―12歳の部男子
【1位】吉行ローリ(広島・高屋西小6年)=152
▽同女子
【1位】重原純奈(千葉・大栄みらい学園中1年)=146
▽9―10歳の部男子
【1位】稲葉輝海(東京・青梅第三小5年)=154
▽同女子
【1位】嶋田もみじ(福岡・碓井小5年)=154
▽7―8歳の部男子
【1位】近藤大河(神奈川・小田中小3年)=152
▽同女子
【1位】道端楓子(兵庫・稲野小3年)=152

※4月以降の学校名、学年で表記しています

【協会広報ライター・赤坂厚】

【大会雑観】

15-18歳の部男子
武田紘汰(徳島・生光学園高1年)
武田紘汰(徳島・生光学園高1年)
渋川煌(大阪・大阪学院高1年)
渋川煌(大阪・大阪学院高1年)
15-18歳の部男子代表の武田紘汰(右)と渋川煌
15-18歳の部男子代表の武田紘汰(右)と渋川煌
 武田紘汰(徳島・生光学園高1年)が4オーバー148で優勝。2位のプレーオフを制した渋川煌(大阪・大阪学院高1年)とともに、IMGA世界ジュニア(7月11~14日、米カリフォルニア州サンディエゴ)の日本代表となった。
 「雨だったので、無理をしないでパープレーで回れば」と思ってインからスタート。14番で2メートルのパーパットが入ってリズムがよくなり、18番で「右のバンカーから5番アイアンで完ぺきなショットだった」と1メートルにつけるバーディーで首位に立った。後半は2つのボギーをたたいたが、後続も伸びず「8番でボギーにした時に焦ったけど、9番のパーパットはドキドキしながら打って入ってホッとした」と、笑顔を見せた。
 首位スタートの渋川は「全部うまくいかなくてモヤモヤした」と前半3ボギーで後退。折り返して1番でバーディーを取った時点で「武田君と並んだと知って、日本代表を意識しました」という。7番でダブルボギーをたたいたが「諦めずここからだ」と奮起。8番で4メートルのパーパットを沈めたのが効いて、武田に1打差でホールアウト。新井龍紀と日本代表権(2位まで)を争うプレーオフに突入し、1ホール目を共にバーディーで分けた後、同じく1番パー5での2ホール目で2オンに成功し、バーディーにして決着した。
 ともに初めての世界舞台。ともに「優勝したい」と口をそろえ、武田は「飛距離の伸ばし方をあまり知らないんですけど、素振りをしてヘッドスピードを上げたい」と意欲を見せ、渋川は「飛距離が大事と思いますけど、アイアンの精度を上げていきたい。トーリーパインズは有名なんで楽しみです」と目を輝かせていた。
15-18歳の部女子
高岸鈴(徳島・生光学園高2年)
高岸鈴(徳島・生光学園高2年)
松本來海(兵庫・日ノ本学園1年)
松本來海(兵庫・日ノ本学園1年)
15-18歳の部女子代表の高岸鈴(左)と松本來海
15-18歳の部女子代表の高岸鈴(左)と松本來海
 高岸鈴(徳島・生光学園高2年)が7オーバー151で優勝、2位を争うプレーオフを制した松本來海(兵庫・日ノ本学園1年)がIMGA世界ジュニア(7月11~14日、米カリフォルニア州サンディエゴ)の日本代表の座を射止めた。
 首位に1打差3位でスタートした高岸は「雨が苦手で」と、スタート時の激しい雨に苦しみ、4番ではアプローチでグリーンを行ったり来たりでダブルボギーをたたくなど42とスコアを崩した。折り返しのインターバルで「パッティングで打った後に左に引っ張っているのに気づいた」という。上位が崩れ、17番でこの日2つめのバーディーを奪った時に首位に立ち「日本代表を意識した」と、18番は「ピンを狙わずにいった」と守りのゴルフで優勝した。
 首位スタートの松本は「飛ばないのに、雨でさらに飛ばなくなって200ヤードぐらいだった」と前半40で後退。それでも雨が小降りになった後半は粘って、高岸に1打差の8オーバーでホールアウト。菊田ひな、中嶋月葉と日本代表権(2位まで)を争うプレーオフとなり、2ホール目で2メートルのバーディーを決めて代表入りした。
 世界ジュニアに向けて、高岸は「海外のゴルフ場はテレビでしか見たことがないので楽しみです。ショートパットを確実に入れられるよう練習します」と話し、松本は「過去に行った友達が楽しそうだったので、私も行きたかった。高校生になるので練習量も増えると思うし、トレーニングをして少しでも飛距離を伸ばしていきたい」と、ともに意欲を見せていた。
13-14歳の部男子
道上嵩琉(兵庫・滝川第二中2年)
道上嵩琉(兵庫・滝川第二中2年)
長崎大星(宮崎・日章学園中2年)
長崎大星(宮崎・日章学園中2年)
13-14歳の部男子代表の道上嵩琉(左)と長崎大星
13-14歳の部男子代表の道上嵩琉(左)と長崎大星
 雨の中で混戦となったが、道上嵩琉(兵庫・滝川第二中2年)が3オーバー147で抜け出して優勝し、2位を争うプレーオフを制した長崎大星(宮崎・日章学園中2年)が代表入りした。
 道上は前半で首位に3打差と開いていたが「日本代表になることをずっと意識してやっていました」と集中力は途切れなかった。パーを積み重ねて粘り、最終9番で5メートルのバーディーパットを決めて、優勝を飾った。
 長崎は残り3ホールの時点で2位争いから2打差をつけられていた。「3ホールパーで行ったらチャンスはある」と信じてプレー。2位にいた梅田琉偉が17、18番ボギーとしたため、プレーオフに持ち込んだ。1番パー5の繰り返しのプレーオフは、1、2、3ホール目を共にパーで分けて4ホール目に突入。「疲れて飛ばなくなっていて、2オン狙いをせず刻んだら第3打が2メートルについた」という。梅田がバーディーを逃した後「手がずっと震えていた」という緊張の中で決めて、2位を射止めた。
 2人とも、先にきょうだいが世界ジュニアで活躍している。道上は妹の稀唯が2021年7-8歳の部で優勝。2年シードを得た。「妹からも話を聞いていて、メチャ、アメリカに行きたかった。うらやましかった」と、念願の代表切符だった。長崎は、兄・煌心が2022年13-14歳の部で優勝争いを演じて2位になり、今年のシード権を獲得し、15-18歳の部に出場予定。「めちゃ出たかった。お兄ちゃんが勝てなかったこのカテゴリーで僕が勝ちたい」と意気込む。ともに2023年は「きょうだい出場」となり、期待も膨らむ。
13-14歳の部女子
後藤あい(兵庫・松蔭中3年)
後藤あい(兵庫・松蔭中3年)
藤野蒼來(鹿児島・郡山中2年)
藤野蒼來(鹿児島・郡山中2年)
13-14歳の部女子代表の後藤あい(左)と藤野蒼來
13-14歳の部女子代表の後藤あい(左)と藤野蒼來
 13-14歳の部女子は、後藤あい(兵庫・松蔭中3年)が3オーバー147で逆転優勝、藤野蒼來(鹿児島・郡山中2年)が2打差2位を確保して、IMGA世界ジュニア(7月11~14日、米カリフォルニア州サンディエゴ)日本代表の座を射止めた。
 後藤は首位に6打差の13位からスタート。風雨の天気に「パーオンして2パットで行く」と思ったという。その思いが好結果を生む。1番でピン奥1メートルにつけ、2番では手前4メートルを入れる連続バーディーとスタートダッシュをかけたのが大きかった。後半も15番で1メートルにつけてバーディーを奪い、ボギーなしの3アンダー69は悪天候に見舞われた全選手の中で、ベストスコアだった。
 「ゴルフに集中したいから、順位は見ていませんでした」という。昨年日本ジュニア12-14歳の部で4位になった実力者。上位が軒並みスコアを崩す中で、さすがのゴルフを見せた。
 3位スタートの藤野は1番でいきなり3パットのボギーにしたが、4番で2メートル、6番では「パーが取れたら」というピン上12メートルのバーディーパットが入るなど前半イーブンパーで切り抜けた。
 後半は10番から「1メートルぐらいのパットが全部カップにけられて…。何が起こったか分からなかった」と4連続ボギーで後退したが、15番で4メートルを入れるバーディー後、16番では第2打を木に当てるなど4メートルのパーパットを残したが、これを決めて「2回ガッツポーズをした」と笑った。結果的にこのパーセーブが代表に導いた。
 後藤は2019年9-10歳の部以来の日本代表。「天候とは芝とかに慣れていなくて」と振り返る。今回は「2カ月ぐらい前から体幹トレーニングを始めました。今ドライバーは250ヤードぐらいで、260、270と伸ばしていきたい」と話した。
 初出場の藤野は「想像つかないですけど」といい「テレビで見たら、芝とかグリーンとかが変わっているので、対応できるようにしたい。楽しんでプレーしたい。あ、本場のマクドナルドに行きたい」とまた笑った。

【大会コメント】

吉行ローリ(広島・高屋西小6年)
吉行ローリ(広島・高屋西小6年)
◇11―12歳の部男子優勝の吉行ローリ(広島・高屋西小6年)◇
「攻めるゴルフよりも守るプレーができました。12番で5メートルのバーディーパットを深めのフックに読んでちょっと強めに打って入った。これで優勝できるかなと思った。順位を知らなかったけど、友達から(優勝と)聞いてメチャうれしかった。世界ジュニアまでにはもう少し飛距離を伸ばして精度を上げたい。世界の友達と回るのが楽しみ」
重原純奈(千葉・大栄みらい学園中1年)
重原純奈(千葉・大栄みらい学園中1年)
◇11-12歳の部女子優勝の重原純奈(千葉・大栄みらい学園中1年)◇
「スタート(10番)で3パットしてダブルボギーにしたけど、気持ちを切り替えました。(赤穂)みらいちゃんに前半で1打負けていたけど、前向きに行こうと思いました。今度で世界ジュニアは3回目で、去年は練習ラウンドと本番3日で5日間ラウンドして体力が持たなかったので、今年は走り込みを入れて体力をつけて行きたい」
稲葉輝海(東京・青梅第三小5年)
稲葉輝海(東京・青梅第三小5年)
◇9―10歳の部男子優勝の稲葉輝海(東京・青梅第三小5年)◇
「前半は勝てるとは思わなかった。後半はピリピリしていたけど、全部パーで行けば勝てるかなと思って、最後(9番)でボギーにしたけどそこまでパーでいけた。友達に『ルキ、1位だよ』と言われてメチャうれしかった。世界ジュニアまでにショットの方向性をよくする。1回も気を抜かないでやる」
嶋田もみじ(福岡・碓井小5年)
嶋田もみじ(福岡・碓井小5年)
◇9-10歳の部女子優勝の嶋田もみじ(福岡・碓井小5年)◇
「スタートで4打差ついていたからちょっとやばいなと思った。前半全然バーディーが取れなくて41だったけど、後半はバーディー3個取れて35だった。ショットもよかったんですけど、パットで丁寧にラインを読んだ。ショットの方向が思った通りに行かないから、世界ジュニアまでに方向を思った通りに行くようにしたい」
近藤大河(神奈川・小田中小3年)
近藤大河(神奈川・小田中小3年)
◇7―8歳の部男子優勝の近藤大河(神奈川・小田中小3年)◇
「飛び上がるぐらいうれしい。優勝はびっくりした。後半(アウト)で3ホールボギー、ボギー、ボギーで始まったけど、それで抑えたから勝てた。世界ジュニアで今度は1位になる。バーディーとか、いっぱい取る。ショットとパットの方向性をよくする」
道端楓子(兵庫・稲野小3年)
道端楓子(兵庫・稲野小3年)
◇7-8歳の部女子優勝の道端楓子(兵庫・稲野小3年)◇
「80たたいたから勝てないと思った。優勝できてうれしい。雨で球も飛ばなかったし、体が動かなくてダフっていて、いい当たりもしなかった。世界ジュニアで初めて外国に行けるからうれしい。日本ではできんことをやりたい。+5まででは回りたい」