ＰＧＭ世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会　東日本決勝大会　最終日

＜ＰＧＭ世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会　東日本決勝大会最終日＞

　ＩＭＧＡ世界ジュニア（７月９～11日、米カリフォルニア州サンディエゴ）の代表14人が新たに決まった。
　15―18歳の部男子では、11位スタートから７バーディー、２ボギーの67で回った亥飼陽（ひなた、神奈川・日体大１年）が通算イーブンパー１４４で逆転優勝で日本代表入りした。75と崩れたが首位スタートの中山大生（おおき、千葉・千葉黎明高２年）が1打差２位に残って２人目の日本代表となった。ともに初代表。
　同女子は、安西歩美（茨城・土浦日大高３年）が通算２オーバーの１４６で優勝した。1打差２位で２人目の日本代表争いがプレーオフとなり、鈴木みなみ（埼玉・埼玉栄高１年）が五十嵐凛（東京・日体大荏原高１年）を1ホール目で下した。
　13－14歳の部男子は大混戦となったが、高浦維吹（千葉・昭和中２年）が抜け出して通算1オーバー１４５で優勝し、日本代表を手にした。４打差２位に長崎大星（宮崎・日章学園中３年）が入り、２年連続日本代表入りした。
　同女子は、仁科優花（千葉・白井中３年）が４アンダー68をマークして通算５アンダー１３９で優勝し、第1日首位の山下萌寧（兵庫・甲子園学院中２年）は78と崩れたが、貯金が利いて通算２オーバー１４６で２位となって日本代表の座を手にした。

ＩＭＧＡ世界ジュニア代表は以下の通り。
▽15―18歳の部男子
【１位】亥飼陽（神奈川・日体大１年）＝１４４
【２位】中山大生（千葉・千葉黎明高２年）＝１４５
▽同女子
【１位】安西歩美（茨城・土浦日大高３年）＝１４６
【２位】鈴木みなみ（埼玉・埼玉栄高１年）＝１４７
▽13―14歳の部男子
【１位】高浦維吹（千葉・昭和中２年）＝１４５
【２位】長崎大星（宮崎・日章学園中３年）＝１４９
▽同女子
【１位】仁科優花（千葉・白井中３年）＝１３９
【２位】山下萌寧（兵庫・甲子園学院中２年）＝１４６
▽11―12歳の部男子
【１位】高瀬莉空（香川・高松第一小６年）＝１５２
▽同女子
【１位】工藤夏姫（青森・根城中１年）＝１４０
▽９―10歳の部男子
【１位】尾形栄飛（東京・国立学園小５年）＝１５５
▽同女子
【１位】高橋なつ希（東京・入新井第五小５年）＝１４８
▽７―８歳の部男子
【１位】山田光之助（沖縄・嘉芸小３年）＝１４７
▽同女子
【１位】常住美結（千葉・中野木小３年）＝１５０
【協会広報ライター・赤坂厚】

【大会雑観】

15―18歳の部男子
亥飼陽（神奈川・日体大１年） 中山大生（千葉・千葉黎明高２年） 15―18歳の部男子で日本代表となった亥飼（右）と中山	15―18歳の部男子は、11位スタートから７バーディー、２ボギーの67で回った亥飼陽（ひなた、神奈川・日体大１年）が通算イーブンパー１４４とし、逆転優勝で日本代表入りした。首位スタートの中山大生（おおき、千葉・千葉黎明高２年）は75と崩れたが、１打差２位に残って２人目の日本代表となった。ともに初代表。 　亥飼は「前半（イン）２つ伸ばして上がった時は上も伸ばしていて差が縮まっていなかった」というが「あきらめずにやりました」と後半は１番で３０センチにつけ、２番パー５は第２打をグリーン手前まで運んで連続バーディー。後半になって上位陣が崩れ、終わってみれば優勝で日本代表を決めた。 「４年ぶりにこの大会に挑戦して日本代表になって最高です。海外に行ったことがないので外国選手に会うのが楽しみです」と話した。 　首位でスタートした中山は「前半はめちゃめちゃでした。最終ホール（９番）のイーグルで救われました」と、前半は１つスコアを落としただけにとどめたのが大きかった。後半もバーディーなしと調子が上がらなかったが、通算１オーバーにこらえた。他の選手もスコアを崩し、何とか２位で日本代表を手にした。 「ホールアウトしてから２位と知りました。初めて代表になれたのでうれしい。しっかり練習して行きたい」とほっとした表情を見せた。
15―18歳の部女子
安西歩美（茨城・土浦日大高３年） 鈴木みなみ（埼玉・埼玉栄高１年） 15―18歳の部女子で日本代表となった安西（右）と鈴木	15―18歳の部女子は、安西歩美（茨城・土浦日大高３年）が通算２オーバーの１４６で２位から逆転優勝した。1打差２位で２人目の日本代表争いがプレーオフとなり、鈴木みなみ（埼玉・埼玉栄高１年）が五十嵐凛（東京・日体大荏原高１年）を1ホール目で下した。 　１打差２位から逆転した安西は、昨日と同じ73での優勝に「ショットではチャンスを作っていたんですけど、パッティングがひどかったので（優勝は）うれしいんですけど･･･」と、プレーに納得いかない様子。この日唯一のバーディーが14番で1メートルを入れたもの。そのほかを逃し続けた。後半、15、17番で３パットのボギーとして「少し焦りました」というが、そのまま逃げ切った。 　2022年に15―18歳の部に出場して「私1人だけ予選落ちして悔しかった」と振り返った。当時はこのカテゴリーは４日間大会で３日目に予選カットがあったが、昨年からカットなしの３日間になっていることを知り「え？」とリベンジできないことに言葉を失った後「３日間アンダーパーを目指します」と気を取り直した。 　プレーオフで日本代表を手にした鈴木は「プレーオフの緊張感が残りすぎていて、頭が真っ白」と話した。プレーオフ１ホール目、五十嵐が２打目を木に当てるなど４オン２パットのダブルボギーで先に上がった後、鈴木は「緊張しながら１メートルのパーパットを決めた」とパーで決着した。「最終18番で６メートルぐらいのパーパットを強めに打って入ってプレーオフに行けたのがよかった」とポイントを挙げた。世界ジュニアでは「初めての代表で、世界の選手がどんなプレーをするのか見てみたい」と話した。
13―14歳の部女子
仁科優花（千葉・白井中３年） 山下萌寧（兵庫・甲子園学院中２年） 13―14歳の部女子でともに2度目の日本代表となった仁科（右）と山下	13―14歳の部女子は、仁科優花（千葉・白井中３年）が４アンダー68をマークして通算５アンダー１３９で優勝し、第1日首位の山下萌寧（兵庫・甲子園学院中２年）は78と崩れたが、貯金が利いて通算２オーバー１４６で２位となって日本代表の座を手にした。 　３打差２位でスタートした仁科は「確かにいいゴルフだったと思います。ロングパットが入ったとかの偶然ではなく、ショットでつけてバーディーを取れましたし、安定したゴルフができました」と振り返った。前半１つ伸ばしたときはまだ上がいたが、12番パー３で130ヤードを９番アイアンで60センチにつけ、続く13番パー５では80ヤードの第３打を１．５メートルにつけて連続バーディーを奪って抜け出した。最終18番パー５では「グリーンが見えないし、いつも届かないので狙っていなかったんですけど、飛んでいた」という３番ウッドの第２打がグリーンに乗ってびっくり。バーディーで締めた。 終わってみれば２位に７打差の圧勝で「目標の５アンダーを出せたのは良かった」と笑顔を見せた。世界ジュニアは2022年11―12歳の部以来２度目。「飛距離に自信がありますし、アイアンのコントロールも武器だと思っているので、かみ合えばスコアを出せると思います」と意欲を見せた。 　前日68で飛び出した山下は苦しい展開。1つ落として折り返した後半、17番までに３つ落とし、18番ダブルボギーをたたいてこの日78。それでも、他の選手も伸びず、２人目の日本代表の座を手にした。「きょうは何もいいところがありませんでした」と肩を落としたが「スタートからずっと日本代表になりたいと思ってやりました」という気持ちが通じた。 昨年は11―12歳の部で出場し２年連続となる世界ジュニアに向け「去年は初日に失敗した(76)ので、今度は初日から頑張ってシード権を目指したい」と話した。
13―14歳の部男子
高浦維吹（千葉・昭和中２年） 長崎大星（宮崎・日章学園中３年） 13―14歳の部男子で日本代表となって喜ぶ高浦（左）と長崎	13―14歳の部男子は大混戦となったが、首位タイスタートの高浦維吹（千葉・昭和中２年）が抜け出して通算1オーバー１４５で優勝し、初の日本代表を手にした。４打差２位に長崎大星（宮崎・日章学園中３年）が入り、２年連続日本代表入りした。 　高浦は「アンダーで回るのが目標でしたが、ピンの位置とか難しくて。今日はパターに助けられ、しっかり耐えきれた」と振り返った。４人が首位タイでスタートし、後続も追いかけるなど、大混戦が続いた。高浦はインスタートの18番バーディーで折り返し、後半は３バーディー、３ボギーながら、他の選手が崩れたこともあり、ただ1人アンダーパーの71で回って優勝を飾った。 　「順位を気にしてしまって焦りとかあったけど、最後の９番で30センチにつけてグリーンに行ったときに日本代表になれたと思いました」と笑い「初めてでわからないけど、芝とか天候とか違うと思うので、影響されないようなゴルフをしたい」と話した。 　長崎は最後まで息が抜けない展開になった。前半は「縦距離が合わなくて」と13番で第２打をＯＢするなど崩れたが、17、18番連続バーディーでスコアを立て直した。２枠目の日本代表を巡って４人ほどが絡み、最後は岡田凛空とのマッチレースになったが、最終９番プレー中に同スコアで前の組の岡田が９番をボギーにしたことを知り「そこからはパーを取りに行きました」と、２年連続の日本代表入りを決めた。 　「去年はバックスピンとかで悩まされたんですけど、この１年、クラブ選択とかを意識して練習してきた。それを十分発揮したい」と話した。

【大会コメント】

11―12歳男子日本代表の高瀬莉空	◇11―12歳の部男子で日本代表となった高瀬莉空（香川・高松第一小６年）◇ 「（４回目の日本代表に）すごくうれしいです。２日間、パターが入りました。特に朝（前半）がよかった。今回はパター練習を多めにしてきたけど、最後のホールまで分からんかった。５メートルから１メートルオーバーして、パーパットはめちゃしびれました。世界ジュニアでは優勝はめざしますけど、まずシード権を取って帰りたいです」
11―12歳女子日本代表の工藤夏姫	◇11―12歳の部女子で日本代表となった工藤夏姫（青森・根城中１年）◇ 「（寺岡虹とのプレーオフを制して）手が震えて緊張したけど、やり切った感があります。２日間、パー５でドライバーを飛ばして２オンできるようにやったことがよかったと思う。２～３メートルのパットも入った。日本代表になったので、今回みたいに納得したプレーをしたい。世界ジュニアまでに、ロングパットをもっと寄せられるようにすることと、苦手なアプローチを練習したい」
9―10歳男子日本代表の尾形栄飛	◇９―10歳の部男子で日本代表となった尾形栄飛（東京・国立学園小５年）◇ 「（園和真とのプレーオフを制して）相手が最終ホールでバーディーを取ってプレーオフになったけど、短いパットが外れたのでびっくりした。足が震えたけど、勝った時はうれしかった。今回はパターも入ったし、２０ヤードぐらいのアプローチが入ったりした。ドライバーもバンカーに１回入れただけでよかった」
9―10歳女子の部日本代表の高橋なつ希	◇９－10歳の部女子で日本代表となった高橋なつ希（東京・入新井第五小５年）◇ 「今日の前半は、ロングパットでもなんでも、気持ち悪いぐらい入った（５バーディー）けど、後半は全然だけでボギー３つ取ってしまった。15番で手前からチップインして、16番も取れたのがよかった。世界ジュニアは去年までシードで久しぶりに（決勝大会に）出たから緊張したけど、２日間楽しく回れた。世界ジュニアはチャンスの年（カテゴリーで上の年齢）なので、トップを狙って頑張りたい」
7―8歳男子日本代表の山田光之助	◇７―８歳の部男子で日本代表となった山田光之助（沖縄・嘉芸小３年）◇ 「２日ともパープレーで回れなかったのが悔しい。でも今日は最後に３メートルぐらいのを入れて１オーバーにできたのはうれしかった。代表になれたのは、パーおじさんと戦おうと思ったから優勝できたと思う。世界ジュニアでは（西日本決勝大会優勝の久保山）友斗君と争って優勝する」
7―8歳の部女子日本代表の常住美結	◇７－８歳の部女子で日本代表となった常住美結（千葉・中野木小３年）◇ 「今日は失敗がなかなかなくて、いいゴルフができました。すごくうれしいです。西日本決勝大会で悔しかったので、負けないようにいっぱい練習して、うまくできました。世界ジュニアでは失敗をなくして、アプローチとか寄せられるようにしたい。自信はとてもあります」