<PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会 西日本決勝大会最終日>
IMGA世界ジュニアゴルフ選手権(7月8~10日、米カリフォルニア州サンディエゴ)の代表14人(13―14歳の部以上男女各2人、11―12歳の部以下男女各1人)が決まった。
15―18歳の部男子は大混戦となったが、首位スタートの西山陽斗(香川・香川西高3年)が抜け出して通算2オーバー146で優勝。2位争いは小川琥太郎(大阪・大阪学院大高2年)が4オーバー148で世界ジュニア代表の座を射止めた。
同女子は首位スタートの佐藤涼音(大阪・ルネサンス大阪高1年)が2オーバー146で逃げ切って優勝。2位争いは最終ホールまでもつれたが、中山凜花(愛知・中部大第一高2年)がバーディーを奪って通算4オーバー148とし、岡嵜マイヤ(岐阜・岐阜聖徳学園高3年)を振り切って日本代表となった。
13-14歳の部男子は宮城ジョセフ(沖縄・Hope international academy3年)が5オーバー149で優勝。2人目の代表争いはプレーオフとなり、廣木直翔(佐賀・香楠中3年)が瀧田琥白(愛知・N中等部2年)を1ホール目で破って日本代表を手にした。
同女子は、首位スタートの竹田妃菜(奈良・王寺北義務教育学校2年)が安定したプレーで通算5オーバー149で優勝。2位には混戦を抜け出した山本智亜紗(兵庫・山手台中3年)が入った。
IMGA世界ジュニアゴルフ選手権代表は以下の通り。
▽15―18歳の部男子
【1位】西山陽斗(香川・香川西高3年)=146
【2位】小川琥太郎(大阪・大阪学院大高2年)=148
▽同女子
【1位】佐藤涼音(大阪・ルネサンス大阪高1年)=146
【2位】中山凜花(愛知・中部大第一高2年)=148
▽13―14歳の部男子
【1位】宮城ジョセフ(沖縄・Hope international academy3年)=149
【2位】廣木直翔(佐賀・香楠中3年)=153
▽同女子
【1位】竹田妃菜(奈良・王寺北義務教育学校2年)=149
【2位】山本智亜紗(兵庫・山手台中3年)=152
▽11―12歳の部男子
【1位】高瀬莉空(香川・高松第一中1年)=155
▽同女子
【1位】大栗愛珠(千葉・暁星国際中1年)=157
▽9―10歳の部男子
【1位】佐伯嶺斗(大阪・錦小5年)=156
▽同女子
【1位】村上聖奈(兵庫・逆瀬台小5年)=147
▽7―8歳の部男子
【1位】周参見悠生(大阪・奥坂小3年)=149
▽同女子
【1位】小澤蘭(東京・幸小3年)=160
※所属は4月からの進学校、新学年で表記しています
【協会広報ライター・赤坂厚】
- 15―18歳の部男子表彰
- 15―18歳の部女子表彰
- 13―14歳の部男子表彰
- 13―14歳の部女子表彰
- 11―12歳の部男子表彰
- 11―12歳の部女子表彰
- 9―10歳の部男子表彰
- 9―10歳の部女子表彰
- 7―8歳の部男子表彰
- 7―8歳の部女子表彰
雑観
15―18歳の部男子
15―18歳の部男子は大混戦となったが、昨年の日本ジュニア代表の西山陽斗(香川・香川西高3年)が抜け出して通算2オーバー146で優勝。2位争いは、最後は小川琥太郎(大阪・大阪学院大高2年)と渋川煌(大阪・大阪学院大高3年)の同じ高校の先輩後輩の競り合いになり、4オーバー148で小川が1打差で振り切って世界ジュニア代表の座を射止めた。
西山は強風と寒さの中を75にこらえ、2016年7-8歳の部以来9年ぶりの世界ジュニア日本代表。インスタートで「10,11番バーディーで出て『来たわ』と思ったんですけど、すぐボギー、ダボで落としてしまって。(相手の)ミスを待っていた感じです」と笑った。2打差3位で来た後半の7番で首位の小川がトリプルボギー、2位渋川がダブルボギーで首位に返り咲き、そのまま逃げ切った。
9年ぶりの舞台に日本ジュニアチャンピオンとして臨む。「世界で負けないゴルフをしたい。今の自分のレベルで挑戦してみて、本大志さん(2022年優勝)のように優勝したい」と意欲を見せた。
小川は2位に並んだ先輩との争いになったが、最終9番で渋川がミスをして先にボギーとし、パーをセーブして1打差で振り切った。「7番ではバンカーのふちに打ち込んで出して、3打目がグリーン左に落ちて、ピン上にのせて3パット。もったいなかったので、代表になってよかった」と、笑顔で振り返った。
2023年に13―14歳の部で代表になりながらも腰痛で辞退しており、うれしい世界ジュニア切符。「芝も日本と違うでしょうし、しっかり準備したい。コースを調べたりします」と話した。
※所属は4月からの進学校、新学年で表記しています
15―18歳の部女子
15―18歳の部女子は、首位スタートの佐藤涼音(大阪・ルネサンス大阪高1年)が2オーバー146で逃げ切って優勝。2位争いは最終ホールまでもつれたが、中山凜花(愛知・中部大第一高2年)がバーディーを奪って通算4オーバー148とし、岡嵜マイヤ(岐阜・岐阜聖徳学園高3年)を振り切って日本代表となった。
佐藤は、昨年13―14歳の部に続く日本代表。「去年は決勝大会2位、本戦8位だったので、今年はまず決勝大会優勝」を目指したが、前半3つスコアを落とした。後続も伸びなかったので「焦りはなかった」という。「ピン位置が難しかったので、グリーンセンター狙いでいきました」と大崩れを防いでの優勝になった。
昨年世界ジュニアでは1打差で今年のシード権を逃した。「(今年の会場の)トーリーパインズは初めてのコースなので、フェアウエーに飛ばしてセカンドでチャンスをつくっていくゴルフをしたいです」と話した。
中山は13番で1メートル弱を外してボギー、14番では4パットしてダブルボギーで追い上げてきた岡嵜に追いつかれる形で最終18番にもつれこんだ。「不安でしょうがなかったんですけど、18番では吹っ切れて『もう攻めていこう』と思いました」という。ピン手前25メートルほどと3パットもある状況だったが「外れたら5メートルぐらい行ったかも」という強気のパットが入り、岡嵜を振り切って日本代表を手にした。
2022年に世界ジュニア13―14歳の部で4位に入って翌年の本戦シード権を獲得したが、腰椎分離症を患って欠場を余儀なくされた。そこから復活してのうれしい代表に「楽しみです。13―14歳の時とはレベルが違うと思うんで、自分の力を試したい。(トーリーパインズが)風が強いと聞いているので低い球を打つ練習とかをしていきます」と意欲を見せた。
※所属は4月からの進学校、新学年で表記しています
13―14歳の部男子
13―14歳の部男子は、宮城ジョセフ(沖縄・Hope international academy3年)が首位スタートからトップを譲らず、通算5オーバー149で優勝し、初めて世界ジュニア日本代表を手にした。2位争いは通算9オーバー153で廣木直翔(佐賀・香楠中3年)と瀧田琥白(愛知・N中等部2年)のプレーオフとなり、1ホール目で廣木がバーディーで勝って、こちらも初の世界ジュニア日本代表となった。
宮城は「前半はショットが荒れていて、アプローチでカバーもできてはいた」が、後続との差が縮まってきた。「緊張はしなかったけど、焦りはありました」という。10番でバーディーを奪い、12番で左のバンカーから寄せワンができて「(廣木)直翔君がボギーにしたので、勝ったかなと思いました」と振り返った。
初めての世界ジュニア日本代表に「今日は大きなミスがたくさんあったので、そういうことがないように、打ち分けだとかを練習して行きたい」と課題を挙げた。すでに世界ジュニアの優勝スコアも調べていて「7、8アンダーにいくので、ちゃんと3日間安定してアンダーを出していきたい」と意欲を見せた。
廣木は瀧田との1番パー5で行われたプレーオフでひやりとした。「手前13メートルに2オンして、上につけたくないので3メートルぐらいショートした。(瀧田)琥白は4オンで8メートルぐらいのパーパットだったので、勝ったなと思ったんですけど、入れたんです。ビビりました。でも(正規ラウンドで宮城)ジョセフが入ったのと同じ上りの軽いフックラインだったので、何とか入れられた」とバーディーで決着した。
廣木も世界ジュニアは初出場になる。今大会は4日前に「ちょっと重たいクラブを替えて」臨んだ。今回はうまく使いこなしたが「自分の実力を発揮できるようにクラブに慣れたい。安定したゴルフを目指したい」と話した。
※所属は4月からの進学校、新学年で表記しています
13―14歳の部女子の部
13―14歳の部女子の部は、首位スタートの竹田妃菜(奈良・王寺北義務教育学校2年)が安定したプレーで通算5オーバー149で優勝。2位には混戦を抜け出した山本智亜紗(兵庫・山手台中3年)が入った。
前日からの首位を明け渡さなかった竹田は「最終組が楽しかったので、とりあえず緊張しないで済みました」と、同組選手に感謝した。前半1バーディー、1ボギーと、風と寒さでスコアを落とす選手が多い中で落ち着いたプレーをみせた。後半は4つのボギーをたたいたが、2位に3打差で逃げ切った。
初めての世界ジュニア日本代表になった。「芝とか全然違うと思う。世界の人がどんなゴルフをするのか見たい。世界一を狙っていきます」と意気込む。大会までには今は220ヤードのドライバー飛距離を「少しでも伸ばしたい」と課題を挙げた。
山本は混戦の2位争いを終盤抜け出した。10番でOBにしてトリプルボギーをたたいて自ら招いた混戦だったが、「とりあえずパーを積み上げていこうと思った」という。15番でバーディーが来て2位をほぼ確定させたが「最後まで分からない」と集中力を切らさず、最後は3位と5打差がついていた。
小5の時に中国・四国予選で落ちてから挑戦してきて、こちらも初めての世界ジュニア日本代表になった。「ショットの精度を上げる。アプローチ、パターを練習する。コースマネジメントをしっかりする」と、課題をたくさん挙げ「いろいろな選手とコミュニケーションを取って、楽しみたい」と話した。
※所属は4月からの進学校、新学年で表記しています
コメント
▽11―12歳の部男子日本代表の高瀬莉空(香川・高松第一中1年)
「頑張りました。自分で崩れてしまって(首位の中嶋璃陽と)2打差になってしまったけど、17番でパーでいいと思った下り5メートルのパットが入ってバーディーになって、中嶋君がボギーにして追いついてプレーオフになった。プレーオフは、先にパーを取って、中嶋君が2メートルぐらいのパーパットを外して決まりました。うれしいです。最近調子が悪かったんですけど、久しぶりにいい試合ができました。世界ジュニアは5回目ですけど、今年こそシード権を取りたい。1打1打大切にして練習します」
▽11―12歳の部女子日本代表の大栗愛珠(千葉・暁星国際中1年)
「(3人のプレーオフになり)1ホール目で(信藤)好ちゃんがダブルボギー、(国仲)咲々ちゃんがボギーで、私がバーディーチャンスだったのに3パットしてしまって長引いてしまった。3ホール目で咲々ちゃんがボギー、私が3メートルのバーディーパットからパーで決まった。お先の時に、泣いてしまった。(亡くなった)おばあちゃんに『勝てたよ』といいました。今まで2位3回でずっと逃してきた日本代表にやっとなれた。世界ジュニアはみんなうまいと思うので、バカみたいなミスをしないように淡々とプレーしたい。パターを磨いて行きます」
▽9―10歳の部男子日本代表の佐伯嶺斗(大阪・錦小5年)
「パットが徐々に入り出してくれたのでよかった。長いパットとか、寄せワンのパットが入った。ショットは全体的に良かった。後半3ホールぐらいになって、世界ジュニアに行けるかなと思いました。うれしい。アメリカではショットでピンにつけたり、パットを入れたり、自分の中でのいいプレーをしたいです。これから、スライスやフックを打ったり、いつもとは違う練習をしていきたい」
▽9―10歳の部女子日本代表の村上聖奈(兵庫・逆瀬台小5年)
「ちょっとスコアが悪かったけど、勝ててよかった。調子は普通だった。最終ホールで優勝したと思った。世界ジュニアでは勝てていないから、勝てるように頑張る。アプローチとかパターとかの練習をする。バーディーパットとかをしっかり決められるようにしたい」
▽7―8歳の部男子日本代表の周参見悠生(大阪・奥坂小3年)
「今日はパットのタッチが合っていてよかった。今回はショットとパットが安定していた。後半の7番ぐらいで優勝したと思った世界ジュニアにはアプローチとかパットを練習していく。パットのタッチをよくする。ショットとかも安定して打てるようにしたい」
▽7-8歳の部女子日本代表の小澤蘭(東京・幸小3年)
「世界ジュニアの代表になれてうれしいです。9、10番ぐらいで優勝できると思った。パットはあまりよくなかったけど、パットがよかった。世界ジュニアではアンダーパーで回りたい。パターをどんな距離でも入るようにしたい」
※所属は4月からの進学校、新学年で表記しています