<キャロウェイ世界ジュニアゴルフ選手権>

◇3日目◇18日◇米国・サンディエゴ周辺11コース◇男女各6カテゴリー

 マクドナルドカップ日本代表が、3部門で世界一になった。6歳以下から13-14歳の部男女が最終ラウンドを迎え、11-12歳の部女子で手束雅(徳島・坂野中1年 )が2アンダー71で回り、逆転で初優勝を果たした。9-10歳の部女子では、2日目首位に立った阿部未来(東京・東落合小5年)がいったんはルー(中国)に逆転されたが、最終18番で再逆転して通算3オーバー171で優勝した。7-8歳の部男子では前日首位の清水蔵之介(東京・八坂小2年)が2アンダー60をマークし、2位に3打差をつけて逃げ切り優勝を果たした。優勝者には2年間のシード権が与えられる。また、男子は9-10歳の部4位の久常涼(岡山・広野小5)、7-8歳の部3位の柴田憲(マニラ日本人学校3年)、6歳以下の部3位の矢野仁貴(愛知・東山小1年)、女子では13-14歳の部5位の石井理緒(新潟・本丸中2年)、11-12歳の部3位の長野未祈(千葉・麗澤中1年)、9-10歳の部3位の梶谷翼(岡山・総社東小4年)、7-8歳の部2位飯島早織(栃木・矢板小2年)と3位川畑優菜(千葉・佐貫小2年)が、それぞれ来年のシード権を獲得した。
【IJGA広報ライター・赤坂厚】

<マクドナルドカップ日本代表チーム最終成績>
 
▽13―14歳の部男子(パー71)(1)アレバロ(フィリピン)204 (8)◎杉原大河(徳島・南部中2年)212(10)美村凌我(神奈川・上菅田中2年)213(18)内田直輝(神奈川・伊勢原中2年)215(70)芹澤慈眼(大分・庄内中2年)224
 
▽同女子(パー72)(1)ロサリオ(フィリピン)206(5)石井理緒(新潟・本丸中2年)215(6)吉本ひかる(滋賀・湖西中3年)216(11)☆廣田真優(東京・杉並学院中2年)218(16)河野杏奈(東京・松沢中2年)220(22)◎大田紗羅(福島・小名浜第二中1年)222
 
▽11―12歳の部男子(パー72)(1)ノーム(米国)209(10)蝉川泰果(兵庫・兵庫教育大付中1年)220(10)中尾亮太(京都・同志社中1年)220
 
▽同女子(パー73)(1)手束雅(徳島・坂野中1年 )215(3)長野未祈(千葉・麗澤中1年)220(9)◎八木涼風(大阪・箕面自由学園小6年)225
 
▽9―10歳の部男子(パー62)(1)ヤン(米国)181(4)久常涼(岡山・広野小5)187(28)小林大河(東京・半田小4年)197
 
▽同女子(パー56)(1)阿部未来(東京・東落合小5年)171(3)◎梶谷翼(岡山・総社東小4年)174(7)◎大久保柚季(大阪・茨田北小4年)179(9)長谷川せら(岐阜・稲羽西小5年)180
 
▽7―8歳の部男子(パー62)(1)清水蔵之介(東京・八坂小2年)181(3)☆柴田憲(マニラ日本人学校3年)188(11)◎清水拳斗(埼玉・中尾小2年)200(20)斉藤隼人(埼玉・立花小3年)205(24)◎澤田竜成(東京・第二亀戸小2年)208
 
▽同女子(パー57)(1)パノ(米国)174(2)◎飯島早織(栃木・矢板小2年)177(3)川畑優菜(千葉・佐貫小2年)179(7)森愉生(大分・大分大付小3年)191(12)◎石川成実(埼玉・八幡小2年)197
 
▽6歳以下の部男子(パー54)(1)チャンタナヌワット(タイ)164(3)矢野仁貴(愛知・東山小1年)171
 
▽同女子(パー54)(1)ヒャン(米国)181(3)山本実希(栃木・北郷小1年)191

<マクドナルドカップ日本代表チーム第3ラウンド成績>
 
▽15―17歳の部男子(パー72)(1)メンデス(コスタリカ)210(34)下田雄大(東京・堀越高2年)223(予選落ち)金子優将(栃木・作新学院高2年)240(予選落ち)佐々木魁斗(宮城・仙台育英高3年)250
 
▽同女子(パー72)(1)ガルディアーノ(米国)208(4)永井花奈(東京・日出高1年)216 (17)野口彩未(熊本・熊本国府高3年)221(23)蛭田みな美(福島・学法石川高1年)222

※◎はシード選手、☆は日本以外で出場資格を獲得した選手で、マクドナルドカップ日本代表チームに合流

【大会雑観:3日目】

手束雅

11-12歳の部女子で手束雅(徳島・坂野中1年 )が逆転で世界一になった。フォルツナ(フィリピン)に1打差でスタートしたが、5番で9メートルのバーディーパットを沈めて逆転。10番で5メートル、11番では左11メートルのロングパットを決めて突き放した。最終18番パー5では第2打を左クリークの土手に打ち込んだ。「フォルツナがインでいい感じだったので(17番までで)4打差あるとは知らなくて、やばいと思った」という。深いラフだったため、無理せずフェアウエーに出し、4打目で3メートルへ。ボギーにしたものの、通算4アンダー215で世界一をしっかり手にした。「ギリギリ勝ったかなという感じです。優勝を目指してここに来たけど、現実になってホントうれしい」と、3位になった長野未祈と抱き合った。

8歳でゴルフを始めた。しばらくは「体力がつくかと思って」とサッカーも並行してやっていた。小さいときから男の子としか遊んでいなかったといい「野球とか鬼ごっことかやっていた」という。今は毎日2時間、300球の練習を欠かさない。優勝で2年シードを獲得。「課題は30ヤード以内のアプローチ。ピッタリと寄せたい」という。世界一の肩書きで日本に帰る。「これで日本で負けたらしょぼいですよね。頑張らないと」と、気を引き締めていた。(ランチョ・バーナード・イン=5567ヤード、パー73)

阿部未来

9-10歳の部女子で阿部未来(みく、東京・東落合小5年)が最終18番で世界一をつかんだ。得意のパットの調子が悪く、17番までバーディーなしの4ボギーで、17番でバーディーのルー(中国)に1打差をつけられた18番。先に打ったルーが左の池に入れた。阿部はグリーンを外し、寄せも3メートルと寄り切らなかった。「これを入れないと逆転できないと思った」と、手前からのパーパットを集中して決め、ダブルボギーだったルーを再逆転。通算3オーバー171で、優勝を手繰り寄せた。

7歳でゴルフ教室に通ったのをきっかけにゴルフを始め、1年で2011年の世界ジュニア7-8歳の部に出場。9位に終わって悔しくて泣いたが、この日は満面の笑顔。練習ラウンドでは17番パー3(127ヤード)で「ワンバウンドで入った」という自身2度目のホールインワンを達成するなど、大会前から乗っていた。パター練習は毎日1時間、200~300球練習するといい、成果が土壇場で発揮された。「来年に向けて、パターをもっと練習してくる」と、終始ニコニコしていた。(ロマス・サンタフェ・サウスGC=2434ヤード、パー56)

清水蔵之介

7-8歳の部男子で清水蔵之介(東京・八坂小2年)が宣言通りに世界一になった。前半で2日目首位並走だったジャグラン(インド)が崩れて逃げ切り態勢。途中で「涙が出そうになった」という。この日3アンダーで来た最終18番では前日「4アンダーを出して優勝」と言ったのを思い出して7メートルのバーディーパットを「狙って3パットしちゃった」と頭をかいたが、目標通りの優勝に「すごくうれしかった」と、トロフィーを手に笑顔がはじけた。

2年前のUSキッズでアラン・クルニコワに敗れて2位となり、目標を世界ジュニアの優勝においた。毎日4キロを走り、時には7時間以上もボールを打つこともあるといい、かなりの練習を積んでいる。2年シードを獲得した。「来年優勝して、また優勝して。タイガー(ウッズ=4連覇を含む6勝)みたいに連覇するんだ」と、今度は早くも来年の優勝を宣言した。(オークス・ノースGC=3135ヤード、パー62)

石井理緒
13-14歳の部女子で、この世代きっての飛ばし屋、石井理緒(新潟・本丸中2年)が猛チャージで来年のシード権を獲得した。1番パー5(474ヤード)で残り230ヤードを3番ウッドで手前8メートルに2オンし、これを決めてイーグル発進。4アンダー68で回り、通算1アンダー215で、17位から一気にシード権ギリギリの5位に飛び込んだ。「2日間楽しくなかったけど、今日は楽しかった。トップ10を狙っていたけど、シード権までいったのはうれしい」と話した。2日目まではパットに苦しんだが「きょうは気持ちの切り替えがうまくいったみたいで、ボギーを打っても次で耐えられたのがよかった」と振り返った。ドライバーの飛距離は270ヤードを超える楽しみな逸材。「来年も来ます。同じカテゴリーなんで、コースを忘れないようにしないと」と笑った。(CCランチョ・バーナード=5814ヤード、パー72)

 

【大会コメント】

☆河野杏奈
(東京・松沢中2年=13-14歳の部女子)

「楽しかったけど、3日間でショートパットをめちゃ外して、もったいなかった。正確性とかがまだ足りないけど、気持ちでは負けていなかったと思います。来年来たら、ショートパットは絶対に外さない」

☆大田紗羅
(福島・小名浜第二中1年=13-14歳の部女子)

「みんな飛ぶんですごかった。アプローチとかパターとか、一緒に回った人から勉強になった。来年までにもう少し英語を鍛えてきたい。もうちょっといすコアで回りたい」

☆長野未祈
(千葉・麗澤中1年=11-12歳の部女子)

「米国の雰囲気が明るくて、楽しかった。外国選手がパットがうまくてびっくりした。来年はもう少し飛距離が出ると思うので、優勝を狙いたい」

☆八木涼風
(大阪・箕面自由学園小6年=11-12歳の部女子)

「1つ上の子は飛ばす子もいて、来年やったらもっとドライバーも飛んで楽になると思う。パターとアプローチは通用したと思う。(同伴競技者に)いろいろ聞かれたりして楽しかった」

☆久常涼
(岡山・広野小5=9-10歳の部男子)

「最終日にようやく力が出せた(4アンダー58)。初日悪かった(6オーバー68)ので、プールで水に流したのがよかった。来年までにスイングをもう少しきれいにしたい」

☆梶谷翼
(岡山・総社東小4年=9-10歳の部)

「初日悪かったけど、だんだんよくなった。来年までにあんまり打ち方が良くないパットとアプローチをやるでしょう。来年は優勝するでしょう」

☆川畑優菜
(千葉・佐貫小2年=7-8歳の部女子)

「優勝したかった。ショットがだめ。アプローチは良かったけど。コースは難しくない。暑いけど楽しかった」

☆矢野仁貴
(愛知・東山小1年=6歳以下の部)

「納得いかなかった。なんか、アイアンが開いていた。今日はベストスコア(2アンダー52)だった。来年までショット練習をする」

☆山本実希
(栃木・北郷小1年=6歳以下の部女子)

「楽しかったけど、うまくいかなかった。緊張してパターが入らなかった。来年はお母さんと一緒に来たい」