<IMGA世界ジュニアゴルフ選手権>
PGM日本代表選抜大会を勝ち抜いた日本選手団(PGM日本代表)が、5部門で首位スタートした。13―14歳の部女子では比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)が7バーディー、ボギーなしの65で回り、首位に立った。11―12歳の部女子では昨年覇者の梶谷翼(岡山・山陽女子中1年)が2番でイーグルを奪うなど3アンダー69をマークし、首位タイで連覇へ好発進。弟の駿(岡山・総社東中3年)も7―8歳の部男子で2アンダー62の首位に立ち、日本選手では初の姉弟世界一を目指す。6歳以下の部では、男子は根本悠誠(千葉・小山小1年)が1アンダー53、女子は長峰真央(千葉・北貝塚小1年)が1オーバー55でともにトップに立っている。女子の活躍も目立ち、15―17歳の部では、連覇狙う畑岡奈紗(茨城・ルネサンス高3年)が2アンダー70で小倉ひまわり(東京・日出学園高3年)とともに首位に2打差2位、9―10歳の部で藤代成実(埼玉・八幡小5年)、清水心結(埼玉・中尾小2年)が3位発進するなど、日本勢が各部門で上位につけている。
【PGM日本代表成績】
▽15―17歳の部男子(パー72)
【1位】ピチャイクール(タイ)ほか5人=70
【15位】西脇まあく(大阪・興国高2年)=73
【112位】河本力(愛媛・松山聖陵高2年)=79
【147位】大澤優(新潟・開志国際高2年)=81
【165位】五十嵐瑠亜(新潟・開志国際高2年)=82
▽同女子(パー72)
【1位】サソ(フィリピン)=68
【2位】小倉ひまわり(東京・日出学園高3年)=70
【2位】畑岡奈紗(茨城・ルネサンス高3年)=70
【5位】平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)=71
【19位】奥山友梨(熊本・熊本国府高1年)=74
【49位】平塚新夢(茨城・明秀学園日立高2年)=77
【60位】山路晶(宮城・東北高3年)=78
【60位】河野杏奈(千葉・麗澤高2年)=78
▽13―14歳の部男子(パー71)
【1位】ヴィリプス(米国)=64
【51位】松田正史(熊本・花陵中1年)=74
【79位】栗原悠宇(埼玉・藤中3年)=76
【79位】小林大河(東京・東金町中1年)=76
【129位】豊里裕士(沖縄・恩納中3年)=81
▽同女子(パー72)
【1位】比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)=65
【4位】西郷真央(千葉・麗澤中3年)=70
【9位】長谷川せら(岐阜・稲羽中2年)=72
【38位】郡山瞳(宮城・寺岡中3年)=76
▽11―12歳の部男子(パー72)
【1位】ポッター(米国)=66
【5位】黒田裕稀(兵庫・八条小6年)=70
【22位】縄田領一(山口・高川学園中1年)=73
【29位】北添海翔(奈良・伏見中1年)=74
▽同女子(パー72)
【1位】梶谷翼(岡山・山陽女子中1年)=69
【1位】スチクト(米国)=69
【6位】川畑優奈(千葉・佐貫小5年)=72
【12位】杉浦愛梨(愛知・高浜中1年)=73
【22位】花田華梨(栃木・宝木中1年)=77
【失格】佐藤夏恋
▽9―10歳の部男子(パー72)
【1位】レン(米国)=66
【14位】橋本拓英(三重・南が丘小4年)=75
【20位】池由哉(新潟・根岸小5年)=76
▽同女子(パー56)
【1位】アラムクル(タイ)=55
【3位】藤代成実(埼玉・八幡小5年)=56
【4位】清本美波(愛知・向山小5年)=57
【12位】栗田怜奈(千葉・小栗原小5年)=61
▽7―8歳の部男子(パー64)
【1位】梶谷駿(岡山総社東小3年)=62
【26位】西山陽斗(北海道・開西小3年)=71
▽同女子(パー57)
【1位】ドヴヒー(米国)=57
【3位】清水心結(埼玉・中尾小2年)=60
【6位】瀬谷里美(埼玉・西町小3年)=61
【8位】豊田ヒカル(熊本・築山小3年)=63
▽6歳以下の部男子(パー54)
【1位】根本悠誠(千葉・小山小1年)=53
▽同女子(パー54)
【1位】長峰真央(千葉・北貝塚小1年)=55
(協会広報ライター・赤坂厚)
雑観
梶谷翼(岡山・山陽女子中1年)が、11―12歳の部女子の連覇に向けて首位タイ発進した。2番パー5(465ヤード)では2メートルに2オンし、イーグルを奪う幸先いいスタートから3、4番連続バーディー。バーディーも計5つとこの部門での力の違いを示した。しかし、同伴競技者がラインを踏むなど世界ジュニアではありがちなマナーの悪い行為にイライラした部分もあってか、4ボギー。結局3アンダー69に「ボギーをたたいたのがもったいなかった」と振り返った。6月の日本女子アマで3日目4位につけるなど最年少12歳で優勝争いに加わり、6位に食い込んだ。連覇がかかる追われる立場に「優勝はまだ分からないけど、ボギーを打たないように、バーディーをもっとたくさん取る」と、気合を入れなおしていた。励みにもなるのが、7-8歳の部男子に出場の弟の駿(岡山・総社東小3年)も首位にたったこと。こちらは「シュットが曲がってだめだったけど、明日は曲がらないようにする。優勝できそうだけど、不安もある」という。日本選手では初めての姉弟そろっての世界一を目指す。13―14歳の部女子の比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)が7バーディー、ボギーなしの65で回り、首位にたった。インスタートの13番で下り5メートル、14番パー5では第3打を1メートルにつける連続バーディーで波に乗った。「きょうはパターが良かった。練習ラウンドでは1メートルも全然ラインの読みが違って気持ち悪かった。きのう、インサイドに引く悪い癖が出ていたのが分かったので、修正しました」という。16、17番でも連続バーディー。アウトに折り返してからは1番から3連続と、言葉通りグリーン上でうまくいった。これまで「60台で回ったことがなかった」というので、世界舞台で自己最高スコア、しかも一気に65まで伸ばした。「今日は途中から、あまり調子に乗らないようにと思った。後半はミスもあったけどボギーにしなかったのが良かった」と振り返る。2位に2打差の首位発進にも「明日からも調子に乗らないように、自分の気持ちを一定にさせて、また60台を目指します」と、気持ちを引き締めていた。
6歳以下の部男女で、根本悠誠(千葉・小山小1年)と長峰真央(千葉・北貝塚小1年)が仲良く首位発進した。根本は「調子悪かった。もっといいスコアでた」といいながら、1アンダー53で、2位に4打差をつけた。3番で2メートル、16番ではグリーンの外から4メートルのチップインと2つのバーディーを取った。「きょう1アンダーだったから、明日は2アンダーで回る。優勝する」とにこにこ。根本とは普段も仲良しの長峰は「絶好調。スッキリした」と、こちらも会心の笑顔。2、3番で2メートルの連続バーディーを取ったのがうれしかったといい「いつも通りに打ったら、パターがすごく入った」という。1オーバー55だが、2位には7打差の大差をつけた。「明日は(他選手にスコアで)負けても、最終日に5打差あれば大丈夫。絶対優勝する」と、力強かった。
7―8歳の部男子の西山陽斗(北海道・開西小3年)が、ホールインワンを達成した。18番121ヤードを「5番ユーティリティーで打った。ちょっと転がって、ぴゅーっと入った」と解説。ホールインワンは3歳からゴルフを始めて、もちろん初めてで主催者から証明書ももらってご満悦。初出場で思うようなゴルフができずにいたが、16番で左のOB方向に飛んだボールを捜し、あきらめかけたときに「木の枝に挟まっていた」と、木に「ホールインワン」したボールを見つけ、ボギーに収めてから運が向いてきた。17番でこの日2つ目のバーディー後、最終ホールでの快挙。スコアは7オーバー71の26位だったが「練習ラウンドで1回、ハーフでアンダーを出した。頑張れば、アンダーが出せる。3位ぐらいに入りたい」と、巻き返しへのいいきっかけになった。
15―17歳の部女子がいい滑り出しをした。小倉ひまわり(東京・日出学園高3年)が2アンダー70で、団体戦を組む畑岡奈紗(茨城・ルネサンス高3年)とともに、2位発進。「前半はいい流れだったんですけど、後半は悪くなってしまった」と振り返るように、1番で145ヤードを8番アイアンで40センチにつけるバーディーと幸先いいスタートからアウト3バーディーで折り返した。後半は3つのボギー(2バーディー)をたたくなど「最近後半オーバーが多くて。原因は分からないんですけど、集中力の問題かな。スコアが気になってくるから守りに入ってしまうのかも」と反省した。残り3日間、「攻めすぎてもだめ。冷静に判断したい。1日3アンダーが目標」と、優勝を目指す。
コメント
☆西郷真央(千葉・麗澤中3年、13―14歳の部女子4位)
「全体的にちょっと運が良かったのが多かった。あたりが薄かったり、ドローせずにストレートに行ったのがピン近くに行ってくれたりした。イーブン以下ならいいと思っていたのでスコアはよかったけど、狙ったところに行かなかったので、60点ぐらい。緊張していました。明日からはリズムを崩さないようにやりたい」
☆黒田裕稀(兵庫・八条小6年、11―12歳の部5位)
「14番で113ヤードを9番アイアンで打って、イーグルを取りました。入るところは見えなかったけど。児湯は5回バーディーチャンスがあったけど2回しか決められなかった。ラインの読みが違ったり、押し出したりした。コースはフェアウエーが狭くて、荒れているところがあるんで、そういうところに言ったら上からたたくようにしています。66の子がいたし、目標はシード権。イーブンかアンダーを目指したい」
☆清水心結(埼玉・中尾小2年、7―8歳の部女子3位)
「1番で10メートルぐらいのバーディーパットが、カップをクルクルッて回って入ったよ。気分良かったから、頑張った。前半、お父さんが泣いていた。ドライバーの調子がいい。距離が長くて11回使った。明日もお父さんを泣かす」