<IMGA世界ジュニアゴルフ選手権>
13―14歳の部女子で、第1ラウンド首位の比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)は7バーディー、3ボギーの68で回り、通算11アンダーにスコアを伸ばして首位を守った。2位に5打差をつけ、第3日の最終ラウンドで世界一をかけて戦う。6歳以下の部では、男子は根本悠誠(千葉・小山小1年)が2位に10打差、女子は長峰真央(千葉・北貝塚小1年)が2位に9打差をつけて首位を守り、初の「アベック世界一」が濃厚になった。15―17歳の部を除く男女各5部門で第3日が最終ラウンドとなる。11―12歳の部女子では昨年覇者の梶谷翼(岡山・山陽女子中1年)が2位に後退したものの、1打差2位で連覇に挑む。弟の駿(岡山・総社東小3年)も7―8歳の部男子で3打差2位から逆転を狙う。11-12歳の部男子で黒田裕稀(兵庫・八条小6年)が3打差5位、9―10歳の部女子では藤代成実(埼玉・八幡小5年)が2打差2位、清本美波(愛知・向山小5年)が3打差4位につけるなど、各部門で優勝圏内にいる。
4日間大会の15―17歳の部では、女子で連覇狙う畑岡奈紗(茨城・ルネサンス高3年)が通算1アンダーで2打差3位と好位置をキープ。3打差6位で平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)、5打差10位で小倉ひまわり(東京・日出学園高3年)が続いている。男子は西脇まあく(大阪・興国高2年)の通算5オーバー149の40位が最高と苦戦している。

【PGM日本代表成績】

▽15―17歳の部男子(パー72)
【1位】チョイ(米国)=140
【40位】西脇まあく(大阪・興国高2年)=149
【64位】河本力(愛媛・松山聖陵高2年)=152
【91位】大澤優(新潟・開志国際高2年)=154
【139位】五十嵐瑠亜(新潟・開志国際高2年)=159
▽同女子(パー72)
【1位】サソ(フィリピン)=141
【1位】河本結(愛媛・松山聖陵高3年)=141
【3位】畑岡奈紗(茨城・ルネサンス高3年)=143
【5位】平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)=144
【10位】小倉ひまわり(東京・日出学園高3年)=146
【19位】平塚新夢(茨城・明秀学園日立高2年)=149
【55位】河野杏奈(千葉・麗澤高2年)=156
【72位】山路晶(宮城・東北高3年)=158
【80位】奥山友梨(熊本・熊本国府高1年)=159
 ▽13―14歳の部男子(パー71)
【1位】ヴィリプス(米国)=134
【1位】マイチョン(米国)=134
【31位】松田正史(熊本・花陵中1年)=144
【68位】栗原悠宇(埼玉・藤中3年)=150
【83位】小林大河(東京・東金町中1年)=152
【114位】豊里裕士(沖縄・恩納中3年)=156
▽同女子(パー72)
【1位】比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)=133
【5位】西郷真央(千葉・麗澤中3年)=141
【7位】長谷川せら(岐阜・稲羽中2年)=143
【34位】郡山瞳(宮城・寺岡中3年)=150
▽11―12歳の部男子(パー72)
【1位】ポッター(米国)=139
【1位】スポルディング(米国)=139
【5位】黒田裕稀(兵庫・八条小6年)=142
【19位】北添海翔(奈良・伏見中1年)=147
【68位】縄田領一(山口・高川学園中1年)=153
▽同女子(パー72)
【1位】スチクト(米国)=138
【2位】梶谷翼(岡山・山陽女子中1年)=139
【10位】川畑優奈(千葉・佐貫小5年)=148
【10位】杉浦愛梨(愛知・高浜中1年)=148
【32位】花田華梨(栃木・宝木中1年)=157
 ▽9―10歳の部男子(パー72)
【1位】レン(米国)=134
【11位】橋本拓英(三重・南が丘小4年)=145
【40位】池由哉(新潟・根岸小5年)=157
▽同女子(パー56)
【1位】チャイシルプラングルアング(タイ)=112
【2位】藤代成実(埼玉・八幡小5年)=114
【4位】清本美波(愛知・向山小5年)=115
【19位】栗田怜奈(千葉・小栗原小5年)=125
 ▽7―8歳の部男子(パー64)
【1位】チェリー(米国)=123
【2位】梶谷駿(岡山総社東小3年)=126
【34位】西山陽斗(北海道・開西小3年)=145
▽同女子(パー57)
【1位】ドヴヒー(米国)=116
【4位】瀬谷里美(埼玉・西町小3年)=123
【5位】清水心結(埼玉・中尾小2年)=124
 【8位】豊田ヒカル(熊本・築山小3年)=125
▽6歳以下の部男子(パー54)
【1位】根本悠誠(千葉・小山小1年)=104
▽同女子(パー54)
【1位】長峰真央(千葉・北貝塚小1年)=112
(協会広報ライター・赤坂厚)

雑観

比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)

比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)

13―14歳の部女子で第1ラウンド首位の比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中2年)が7バーディー、3ボギーの4アンダー68で回り、通算11アンダーにスコアを伸ばして首位をキープした。2位とは5打差で、初出場世界一に近づいた。この日は1番で第2打を20センチにつけるバーディーと、前日の勢いを持ち込んだ。悔やんだのは5番。「飛ばそうと欲を出してしまい、右の林に入れてしまって」と、この大会初ボギーにした。パットは相変わらず好調で、9番で10メートルを入れると、10番1メートル、11番5メートルと3連続バーディーを奪った。ただ、前日よりもショットが今ひとつで、12番でバンカーに入れ「自分の悪い癖」という右にふけるボールがでた不安から13番で第3打を奥のカラーまで打つ連続ボギー。初めて「あ、やば、と思いました」と振り返った。終盤はリズムを取り戻し、17番ではチップインバーディーなど、連日の60台をマークする回復力は見せた。「今日は満足とはいえません。注意していた欲が出てしまって。パーのホールが全部バーディーにならないと満足しなくて」と、課題を挙げた。日本予選3度目の挑戦で初めて出場できた大舞台で、優勝が目前に。「欲かかないで、気持ちをコントロールすること。優勝します」と、最後は力強く言った。

平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)

平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)

15―17歳の部女子で平岡瑠依(大阪・大阪学芸高2年)が粘りのゴルフ優勝圏内にとどまった。インスタートで10番、11番の「アプローチミス」で連続ボギースタート。「やばいなあと。それを考えるとよくこらえたと思います」と、この日1オーバーながら、難しい条件で上位もあまり伸びなかったため、通算イーブンパーで首位に3打差8位につけた。取り戻すきっかけは16番。「セカンドを6番アイアンで距離があった。右に10メートルぐらいだったのが入って気分も良くなった」と、そこから計3バーディーを奪ってなんとか踏みとどまった。この2日間、パーオンしたホールがともに10ホールと、アプローチ、パットでカバーしている。「明日以降もパープレーを基本にします。練習ラウンドから、このコースはバーディーが取れるので大崩れはしないと思った。パープレー以内では回れる」と、風などでコースが難しくなってくれば、持ち味を発揮できそうだ。

黒田裕稀(兵庫・八条小6年)

黒田裕稀(兵庫・八条小6年)

11―12歳の部男子では、黒田裕稀(兵庫・八条小6年)が首位に3打差として優勝争いに加わった。インスタートの10番で4メートルが入るバーディー発進。序盤は16番まで4バーディーと一時6アンダーまでスコアを伸ばした。「パッティングのラインが合わず、時々押し出してしまう」と、前夜は器械を使って修正。その効果がさっそく出た。しかし「17番で3パットしてからまた戻ってしまった」と、後半は苦しんだが、何とかイーブンパー70に収め、通算2アンダーを守った。前日は14番で113ヤードの第2打が直接入るイーグルを奪うなどショットは好調だが、2日間で3パット6回とグリーン上に課題がある。「パットが入らないとたぶん逆転は難しい。今晩もパットの修正をします。逆転したい」と、何とかチャンスをつかまえたい。

藤代成実(埼玉・八幡小5年)

藤代成実(埼玉・八幡小5年)

9―10歳の部女子では、藤代成実(埼玉・八幡小5年)が2打差2位、清本美波(愛知・向山小5年)が3打差4位と優勝へ好位置につけた。通算3オーバーの初出場清本は、昨年6歳以下の部でプレーオフの末に2位になった弟・貴秀に続く世界一争い。この日はボギーの後にバーディーが来るという展開で16番までイーブンパーだったが、上がりの17、18番連続ボギーにして「もったいなかった」と残念そう。それで「コースは難しいとは思わない。アンダーは出そう」と、強気。連続ボギーで順位を落としていると思ったそうで「トップともっと差があると思っていた」と、逆転可能な位置に残って意欲も出る。「明日、ばん回します。5アンダーが目標。優勝したくて来た。優勝してまた来年も出場させてもらいたい」と、父からご褒美をもらうつもりのようだ。

瀬谷里美(埼玉・西町小3年)

瀬谷里美(埼玉・西町小3年)

瀬谷里美(埼玉・西町小3年)が7―8歳の部女子で4位に浮上した。コースは長く、暑さもあって各選手とも苦しんでいる。その中で、67ボギーをたたいたものの、8番では「OKに寄った」と、バーディーを奪うなど、通算9オーバー123に粘った。「きょうはパットがだめだった。打ったけど、届かなかったのが多かった。ショットはいいから、パターだけ。思い切って打つ」と元気だ。目標は「トロフィーが欲しい」ので、3位以内。もう少し順位を上げないといけないが「来年も来たいから6位(シード権)でもいい」といい「水着持ってくなかったから、ホテルのプールに入れない」という方が気になっているようだった。

コメント

☆西脇まあく(大阪・興国高2年、15―17歳の部40位)
「初日(1オーバー73)と違って、きょうは途中から流れが悪くなってしまった。でも、3パットとダブルボギーを歌内という目標はまだ達成しています。やっと、バーディーを取れそうなところも分かってきて、アンダーパーを出すイメージは出てきたんですけど」
☆長谷川せら(岐阜・稲羽中2年、13―14歳の部7位)
「13番から3連続で取って4アンダーにしたんですけど、16番で木の根元に行ってボギー、17番で左のやしの木に当たったんだけど落ちてこなくてロストにしてダボ。ムカついてます。上がりでこんなに落とすとは思っていなかった。予定通りはずが、ガーンです。明日は上がりに気をつけたい。ラインが分かってきたから、5アンダーぐらい頑張る。バーディーは普通に取れるから、ボギーのないゴルフをしたい」

☆根本悠誠(千葉・小山小1年、6歳以下の部男子1位)
「きょうは練習日と同じピンの位置だった。1番で5メートルぐらい、2番で1メートルを入れたよ。ショットが良かった。昨日は11連続パー取ったけど、きょうは10連続だった。(2位に10打差に)もう下手でもいい。勝てると思う。優勝したらマスターズのDVD(2002年、2003年)を買ってもらうんだ」

☆長峰真央(千葉・北貝塚小1年、6歳以下の部女子1位)
「楽しかったけど、後半のスコアがだめだった。前半25だった。8番で6メートルのバーディーは思い切り打った。入ってびっくりした。9番で80センチについた。(2位に9打差に)明日は50台出せば優勝。出るかな。優勝したら、犬を買ってもらうの」