<IMGA世界ジュニアゴルフ選手権>
日本代表選手団が、複数の「世界一」を獲得する期待が膨らんだ。

 11-12歳の部女子で森愉生(岡山・倉敷西中1年)がこの日67で回り通算7アンダー137で2位に1打差の首位に躍り出た。7-8歳の部女子で清水心結(埼玉・中尾小3年)が通算4オーバーでトップを守り、2打差2位で長峰真央(千葉・北貝塚小2年)が続いている。6歳以下の部女子の蕪木梨央(東京・番町小1年)がこの日1オーバー55で回って通算12オーバーとし、通算4オーバーの同男子・須藤樹(東京・月島第三小1年)とともに首位に立って同部門アベック優勝が見えてきた。その他では、13―14歳の部女子で梶谷翼(岡山・山陽女中2年)が昨年11-12歳の部連覇に続く3年連続優勝へ首位に4打差の3位、9-10歳の部男子では昨年7-8歳の部を制した梶谷駿(岡山・総社東小4年)と松井琳空海(愛媛・高津小5年)が3打差2位、同女子で二宮佳音(群馬・笠懸北小5年)が首位に2打差3位にそれぞれつけている。13-14歳の部以下の年齢層は13日に最終ラウンドを迎える。

 4日間競技の15-18歳の部は、女子では大林奈央(兵庫・相生学院高3年)と河野杏奈(千葉・麗澤高3年)が通算5アンダーで首位に4打差の2位につけている。同男子では中島啓太(東京・代々木高2年)の14位が最高と苦戦している。

【PGM日本代表成績】

▽15―17歳の部男子(パー72)
【1位】ブリング(米国)=139
【14位】中島啓太(東京・代々木高2年)=146
【31位】中澤大樹(兵庫・滝川第二高2年)=148
【31位】河本力(愛媛・松山聖陵高3年)=148
【105位】植木祥多(埼玉・埼玉栄高3年)=155
▽15-17歳の部女子(パー72)
【1位】サソウ(フィリピン)=135
【2位】大林奈央(兵庫・相生学院高3年)=139
【2位】河野杏奈(千葉・麗澤高3年)=139
【9位】平岡瑠依(大阪・大阪学芸高3年)=143
【12位】吉田優利(千葉・麗澤高2年)=144
【44位】小野里リア(熊本・クリスチャン・アカデミー・イン・ジャパン高熊本分校2年)=151
【72位】西郷真央(千葉・麗澤高1年)=155
▽13―14歳の部男子(パー72)
【1位】サマーヘイズ(米国)、ヤン(米国)=138
【50位】小林大河(東京・金町中2年)=149
【77位】松田正史(熊本・花陵中2年)=152
【77位】森下響(兵庫・日新中2年)=152
【108位】亥飼台(茨城・滑川中3年)=157
▽13-14歳の部女子(パー72)
【1位】デン(中国)=136
【3位】梶谷翼(岡山・山陽女中2年)=140
【8位】比嘉里緒菜(沖縄・嘉数中3年)=142
【21位】山田萌結(長崎・山里中2年)=146
【30位】花田華梨(栃木・宝木中2年)=148
【30位】梅津真優美(山口・マシュー・C・ペリー中2年)=148
【66位】榎本杏果(東京・新宿中2年)=155

▽11―12歳の部男子(パー72)
【1位】アローラ(米国)、オウヤン(米国)=135
【7位】黒田裕稀(兵庫・豊岡南中1年)=140
【12位】吉沢己咲(群馬・藤岡北中1年)=141
▽11-12歳の部女子(パー72)
【1位】森愉生(岡山・倉敷西中1年)=137
【9位】川畑優菜(千葉・佐貫小6年)=145
【14位】藤代成実(埼玉・八幡小6年)=149
▽9―10歳の部男子(パー72)
【1位】チャンタナヌワット(タイ)=140
【2位】松井琳空海(愛媛・高津小5年)=143
【2位】梶谷駿(岡山・総社東小4年)=143
【80位】山本大勢(福岡・西小倉小4年)=167
▽9-10歳の部女子(パー72)
【1位】リュウ(米国)=141
【3位】二宮佳音(群馬・笠懸北小5年)=143
【11位】荒木七海(熊本・築山小4年)=149
▽7―8歳の部男子(パー74)
【1位】パーソンズ(米国)=138
【6位】根本悠誠(千葉・小山小2年)=147
【14位】今屋大雄(東京・月島第三小3年)=156
【30位】星野煌貴(群馬・榛東北小2年)=167
▽7-8歳の部女子(パー57)
【1位】清水心結(埼玉・中尾小3年)=118
【2位】長峰真央(千葉・北貝塚小2年)=120
【5位】岩永杏奈(兵庫・塚口小3年)=125
【7位】荻原すいみ(埼玉・明戸小2年)=127
▽6歳以下の部男子(パー54)
【1位】須藤樹(東京・月島第三小1年)=112
▽6歳以下の部女子(パー54)
【1位】蕪木梨央(東京・番町小1年)=120
(協会広報ライター・赤坂厚)

雑観

15-18歳の部女子で2位に浮上の河野杏奈

15-18歳の部女子で2位に浮上の河野杏奈

15―18歳の部女子で、河野杏奈(千葉・麗澤高3年)が「自分でもびっくり」という4アンダー68で回り、通算5アンダー139で大林奈央(兵庫・相生学院高3年)とともに首位に4打差の2位に上がった。1番で幸先よく5メートルのバーディー。290ヤードの7番では「20メートルぐらい転がって1オンした」といい、20メートルほどのイーグルパットが入って「人生初のミドルホールのイーグルで、人生初のガッツポーズをしてしまったんです」と興奮気味に振り返る。後半も1つ伸ばし「ドライバーが気持ち悪いぐらい飛んでるんです。アドレナリンかな」と、元々飛ばし屋だが今大会ではコンスタントに270ヤードは飛んでいるという。首位サソウ(フィリピン)は昨年畑岡奈紗に競り負けたが2位になった実力者。「明日は一緒に回れてうれしい。いつも世界ジュニアでは悪いから優勝争いをしようなんて思っていませんでした。少なくともアンダーで回りたい」と、優勝への可能性を残して最終日につなげたい。

11-12歳の部女子で首位に立った森愉生

11-12歳の部女子で首位に立った森愉生

11―12歳の部女子で、森愉生(ゆい、岡山・倉敷西中1年)がボギーなしの5アンダー67をマークして、通算7アンダー137で首位に立った。2番パー5で1メートルのバーディーを奪って流れを引き寄せる。5番ではグリーン奥にこぼれたが、パターで5メートルを直接入れた。10番で4メートルを入れ、17番で1・5メートルと沈めた。「ここまでボギーなしだったので、最後でトラブルになるのが怖かった」という18番で手前12メートルにパーオン。「2パットでは行けると思ったのでリラックスして打ったら入ってしまった」と、自己ベストスコアの67になった。13年7-8歳の部、15年9-10歳の部に出場した時は会場がショートコース。3回目の世界ジュニアで「やっとドライバーを打てて気持ちがいい」という。ただ、飛距離もドライバーで240ヤードと伸びているため、刻むホールも多い。最終ラウンドは昨年優勝した梶谷翼の8アンダーを超えるのが目標。「できれば切りのいい10アンダーにしたい」と意気込んでいた。

二宮佳音(かのん、群馬・笠懸北小5年)

二宮佳音(かのん、群馬・笠懸北小5年)

9―10歳の部女子の二宮佳音(かのん、群馬・笠懸北小5年)が優勝圏内に浮上した。6バーディー、3ボギーの出入りの激しいゴルフだったが、3アンダー69で回って通算1アンダー143とし、首位に2打差3位につけた。よかったところは「きのう、いっぱい寝たから」と笑う。夜9時に寝て翌朝8時までぐっすりだったというのが浮上の要因だったらしい。インスタートの10番パー5でいきなり50センチを決めるバーディー。18番パー5では3打目のアプローチが「5センチだった。イーグルが惜しかった」とショットも好調だった。もう1つの要因は「運がよかった。しのいだパーがいくつかあった」といいながらも「でも、今日のスコアの90%は実力」と胸を張った。優勝争いに食い込み「勝っちゃう。今日もいっぱい寝て勝つ」と言い切っていた。

首位に立った6歳以下の部男女の須藤樹(左)蕪木梨央

首位に立った6歳以下の部男女の須藤樹(左)蕪木梨央

6歳以下の部男女が世界一に王手をかけた。
女子の蕪木梨央(東京・番町小1年)が2バーディー、3ボギーの55で回り、通算12オーバー120で、2位に1打差の首位に立った。「今日はちょっと涼しかった。バーディーは取れて楽しかった」というのは、8番でティーショットがピンに当たって、あと10センチでホールインワンにファインショット。前日悪かったパッティングも安定して、この日のベストスコアになった。世界一が見えて「明日も楽しくやる。1アンダーを出したい」とニコニコしていた。
男子第1ラウンド首位の須藤樹(東京・月島第三小1年)は、この日も安定したゴルフで1オーバー55をマーク。通算4オーバー112で2位に5打差をつけて首位を守った。最終18番で2メートルのバーディーパット。「イーブンだったらホテルのプール遊びOKを出していた」と父・将行さん。入れたらイーブンパーならプールで遊べるという思いが強すぎたか、強すぎて1・5メートルオーバー。「妥協して、これを入れたらプール1時間だけOKにした」ところ、集中力を見せてパーに収めた。本人は「明日は優勝する。4アンダーでイーブンに戻す」と宣言した。

コメント

☆15―17歳の部女子2位の大林奈央(兵庫・相生学院高3年)
15―17歳の部女子2位の大林奈央(兵庫・相生学院高3年)
「初日と同じ感じでショットは安定していた。チャンスをものにできたのが4つという感じです(4バーディー、1ボギー)。ショットで助かっています。パッティングもカップに嫌われていないけど、ロングパットの距離感がちょっと怖い。こっちの生活にはだいぶ慣れてきました。インスタントのみそ汁とスーパーで買ったご飯食べてます」


☆11―12歳の部男子7位の黒田裕稀(兵庫・豊岡南中1年)
11―12歳の部男子7位の黒田裕稀(兵庫・豊岡南中1年)
「(3アンダー69に)易しくも難しくもなかった。(スタートの)10番で7メートルについて、昨日は3パットしてやばかったから、タッチを合わせたら入った。4番で風が強かったから番手上げて打って4メートルについてうまくいった。パターさえ入れば65ぐらい出るコースだと思う。明日は風をしっかり読んで、ショートゲームでスコアを作っていきたい。ミスしないように2打目からは振らない。シードを取りたいです」


☆11-12歳の部男子12位の吉沢己咲(群馬・藤岡北中1年)
11-12歳の部男子12位の吉沢己咲(群馬・藤岡北中1年)
「バーディーが少なかったのが悔しい(2バーディー、ボギーなし)。チャンスが3つぐらいあった。距離が短いのでショートアイアンで乗せて2パットというゴルフだった。初日から10個ぐらい外している。50センチも4回外した。チャンスについたパットを確実に決めたら、60台は出せる。最終日はベストスコアを出す」


☆9-10歳の部女子11位の荒木七海(熊本・築山小4年)
9-10歳の部女子11位の荒木七海(熊本・築山小4年)
「ドライバーが昨日よりよくて、木の後ろに行かなかった。結構外国の選手と話している。きょうは、一緒の組の人からミストをかけてもらった。何話しているかはわかんないけど、たぶんこうなんだろうなと思って、なんとなくやっている。グリーンが速くてパットが入っていません。最終日はイーブンぐらいで回りたい」


☆7―8歳の部女子5位の岩永杏奈(兵庫・塚口小3年)
7―8歳の部女子5位の岩永杏奈(兵庫・塚口小3年)
「いいゴルフだった。15番で右にいったけど、5メートルが入った(バーディー)。3番で奥にOBもした。暑かったから水を3本飲んだ。氷を入れたバッグで首を冷やしていた。明日はパープレーぐらいで回りたい。グリーンに乗せて、ボギーを打たないようにしたい」