<IMGA世界ジュニアゴルフ選手権>
15-18歳の部が最終ラウンドを行い、女子では仲村果乃(奈良・奈良育英高2年)が3位に食い込んだ。首位チャン・ツーイー(台湾)に1打差2位でスタートし、2打差で折り返したが、インに入って3バーディーのチャンに引き離され、通算3アンダー285で3位となった。六車日那乃(千葉・麗澤高1年)、比嘉里緒菜(沖縄・興南高1年)、小野里リア(熊本・クリスチャン・アカデミー・イン・ジャパン高熊本分校3年)が日本勢3人同組という珍しい組み合わせになり、来年シード権(前年実績10位以内)を目指したが、トップ10入りはならなかった。男子は4位からスタートの河本力(神奈川・日本体育大1年)が序盤に不運もあってスコアを落とし、通算2オーバー290で15位に終わった。団体戦は男子(蝉川泰果、中尾亮太)、女子(六車日那乃、比嘉里緒菜)とも5位に終わった。【日本代表最終成績】
▽15―18歳の部男子
【1位】ソープ(オーストラリア)=284
【15位】河本力(神奈川・日本体育大1年)=290
【26位】蝉川泰果(大阪・興国高3年)=293
【33位】中尾亮太(京都・同志社高3年)=294
▽同団体
【1位】メキシコ(フィゲロア、マダリアガ)=580
【5位】日本(蝉川、中尾)=587
▽15-18歳の部女子
【1位】チャン(台湾)=280
【3位】仲村果乃(奈良・奈良育英高2年)=285
【12位】六車日那乃(千葉・麗澤高1年)=292
【14位】比嘉里緒菜(沖縄・興南高1年)=293
【20位】小野里リア(熊本・クリスチャン・アカデミー・イン・ジャパン高熊本分校3年)=294
【43位】石川茉友夏(群馬・前橋育英高3年)=301
▽同団体
【1位】オーストラリア(チョイ、キリアコウ)=576
【5位】日本(六車、比嘉)=585
【協会広報ライター・赤坂厚】
雑観
15-18歳の部女子の仲村果乃(奈良・奈良育英高2年)が、悔しい3位となった。通算5アンダーで首位チャンに1打差2位からスタートしたが「パッティングが思うようにいかなかった」と振り返るように、3回けられるなどカップに嫌われた1日。折り返しまでは逆転の可能性を残していたが、チャンが11、15、16番で伸ばしていくのについていけなかった。最終18番で2メートルほどのパーパットを外して通算3アンダーで3位に。「安全に行きながら、チャンスが来たら伸ばしていこうと思ったのですが、なかなかうまくいかなかった」と悔しさをにじませた。日本勢3連覇中のカテゴリーで、初出場ながら先輩からのバトンを引き継ごうと戦った。「初日のスコア(68=首位)は自分をほめてあげたい。4日間やれてうれしいといえばうれしいですけど、満足はしていません。外国の子たちと少しだけど仲良くできたのはよかった」話した。課題を聞くと「腕です」と笑い「一緒に回った2人(チャン、チョイ)はチャンスには絶対に入れてきた。飛距離とパターで劣っていると思いました。こちらの環境もわかったので、来年はリベンジしたい」と、早くも闘志を見せていた。15-18歳の部男子の河本力(神奈川・日本体育大1年)は「世界ジュニア最終年」を15位で終えた。通算1アンダーで首位に5打差4位からの逆転を狙ってスタートしたが、序盤で不運。アゲンストの1番で第1打、第2打とも2、3ヤード飛距離が足りずにバンカーにつかまるボギー発進。3番でボギー後、4番で1メートルにつけるバーディーで「あのセカンドショットで悪い流れを断ち切れたかと思った」と振り返るが、5番で左ラフからの第2打でフックをかけようとしてそのまま右ラフに突き抜けるボギーと、序盤でスコアを落としたのが最後まで響いた。「日本では勝つときは引き離して逃げ切りみたいなのが多くて、追いかけるという経験がなかった。プレッシャーをかけてもいけないと思ったのですが…。いい経験になったと思います。飛距離は通用したと思う」と、大学生として出場した最後の世界舞台でまた1つ、経験を積んだ。優勝スコアが4アンダーと知ると「もったいなさすぎる。悔しいですね」と、芝生に倒れ込んだ。今後は学生の試合のほか「プロツアーにもがっつり挑戦できたら。課題はショートゲーム」と話していた。
コメント
▽15―18歳の部男子
☆26位蝉川泰果(大阪・興国高3年)
「初日(78)が悔しい。結果的にはよかった方なのかもしれないし、もっとやれたとも思います。練習ラウンドでアンダーが出ていたので、いいスコアが出そうな感じはしたのですが。海風が重たくて番手に苦労したショットが多かった。パッティングは外国選手に褒められたので、通用するのかなと思いました。アプローチやハーフスイングを徹底的に練習していきたい」
☆33位中尾亮太(京都・同志社高3年)
「グリーン上、グリーン周りにめちゃ苦しみました。まだまだ改善できるところはたくさんあり、順位は物足りなかった。風の強弱の予想は出来そう。グリーンのスピード感が難しい。チャンスメークは出来たけど、入れごろ、外しごろのパットをきれいに外してしまった。ミスは少なかったけど、やはりパッティングの決定力を身に着けないと。来年も挑戦したい」
☆予選落ち小木野太優(大阪・近畿大付高2年)
「3日間、すべて自分が思うようなゴルフができませんでした。コースは自分にとっては相性がよさそうだったんですけど、グリーンの芝に苦戦しました。アイアンの技術は通用したと思います。飛距離アップと体がぶれないための体づくりをしたいと思います」
☆予選落ち吉田隼汰(茨城・日本ウェルネス高1年)
「もっと練習しなきゃいけないと思いました。海風が難しかった。グリーンの芝目を読むのが大変でした。ドライバーやアイアンの安定感はよかったと思います。でも、ここぞという場面でのパッティングが課題だと思います。飛距離ももう少し上げないと」
▽15-18歳の部女子
☆12位六車日那乃(千葉・麗澤高1年)
「心が疲れました。優勝とか狙える位置にいた(2日目4位)のに伸ばせなかった自分が悔しいです。距離は短かったけど、グリーンは芝目の影響があって難しかった。風も難しかった。悪い時でもショットの方向性はよかったと思います。4日間スルーでやる集中力や、ラウンド中の気持ちの持っていき方、パーセーブしていくマネージメント力が課題。いかに気持ちに少し余裕を持ってプレーできるかだと思いました」
☆14位比嘉里緒菜(沖縄・興南高1年)
「元々ボギーが少ないプレーをしているのに、今回はグリーンの落としどころやアンジュレーションの細かいところが見分けきれずに難しかった。谷から吹き上げてくる風とか、普通のショットでは通じない感じのコースでした。あまり納得のいかない順位でしたが、15-18歳の世界レベルを味わえたし、楽しめたからよかったと思います。やっぱり最後はパターで決まると実感したので、1球1球大切にして練習したい。日本でも恥ずかしくない成績を残したい」
☆20位小野里リア(熊本・クリスチャン・アカデミー・イン・ジャパン高熊本分校3年)
「悪いなりに頑張りました。今日は1番でダブルボギーでスタートして、3バーディーで戻したんですけど、15番で池に入れてまたダブルボギーにしてしまいました。収穫は、去年は予選落ちしたけど、今回は4日間やれたので自信になりました。ドライバーは曲がっていたけど、バーディーは前よりも取れるようになった。ボギーを抑えることが大事だと思いました」
☆43位石川茉友夏(群馬・前橋育英高3年)
「最終日まで残れてよかった。練習ラウンドではよかったので優勝を狙っていたんですけど、本番になったらパターがことごとく外れ、パターが大事だと思いました。ショットは狙ったところに打てたんですけど、グリーンが日本とは違った。もっと体力をつけて4日間戦えるようにトレーニングしたい」
☆予選落ち平木亜莉奈(茨城・ルネサンス高1年)
「1人だけ予選落ちして悔しい。最終日にいろいろな人のプレーを見て勉強になりました。去年に比べて風が強くて、特にグリーン周りが難しいと思いました。通用したと思えるところが1つもなかったけど、少しずつ成長していきたいです。飛距離アップといろいろなアプローチの打ち分けができるようになりたい」