◇最終日◇7月13日◇米国・サンディエゴ周辺9コース◇男女各6部門
 
 PGM日本代表選手団は、低年齢カテゴリー4部門で「世界一」を獲得した。優勝を飾ったのは、9-10歳の部男子の福井誠ノ介(愛知・兵庫小5年)、同女子の道上稀唯(兵庫・緑が丘東小5年)、7-8歳の部男子の近藤大河(神奈川・下小田中小3年)、6歳以下の部女子の高森心花(茨城・息栖小1年)の4人で、低年齢世代での日本のジュニアの強さを示した。
 その他の部門でも上位で健闘した。11-12歳の部女子で重原純奈(千葉・大栄みらい学園1年)が4位、13-14歳の部男子で道上嵩琉(兵庫・滝川第二中2年)が3位、同女子で後藤あい(兵庫・松蔭中3年)が3位、15-18歳の部男子で武田紘汰(徳島・生光学園高1年)が6位、同女子で成田瑛麻(米国・サンディエゴ州立大1年)が4位など、高年齢カテゴリーでも優勝争いに加わって上位に入った。
 優勝者には2年間のシード権が与えられ、順位による来年のシード権は大会後に発表となるが、例年実績では6歳以下の部が男子3位、女子2位、15-18歳の部男女10位、その他のカテゴリーは男子6位、女子5位以内となっている。
 また、15-18歳の部の団体戦は、男子(本、武田)は1位中国に5打差の2位、女子(成田、柴崎)は5位だった。日本選手団以外では、15-18歳の部女子で中島七海(日本)が優勝している。

<PGM日本代表選手団最終日成績>

▽15―18歳の部男子(パー72)
【1位】アスティアザーレン(ニュージーランド)=208
【6位】武田紘汰(徳島・生光学園高1年)=215
【16位】上村大和(東京・目黒日大高2年)=218
【25位】本大志(東京・目黒日大高3年)=220
【39位】小林翔音(千葉・西武台千葉高3年)=222
【85位】長崎煌心(宮崎・日章学園高1年)=228
【129位】渋川煌(大阪・大阪学院大高1年)=235
▽15―18歳の部女子(パー72)
【1位】中島七海(日本)=210
【4位】成田瑛麻(米国・サンディエゴ州立大1年)=212
【11位】髙岸鈴(徳島・生光学園高2年)=217
【11位】戸髙玲奈(東京・石神井中3年)=217
【33位】松本來海(兵庫・日ノ本学園高1年)=221
【62位】柴崎香凛(山形・山形城北高1年)=226
▽13―14歳の部男子(パー71)
【1位】ツァイ(米国)=203
【3位】道上嵩琉(兵庫・滝川第二中2年)=204
【13位】斎藤旬一(栃木・三島中3年)=211
【23位】石口寛樹(奈良・大正中2年)=214
【26位】根本悠誠(千葉・加茂学園中2年)=215
【31位】長崎大星(宮崎・日章学園中2年)=216
【85位】片野貫一朗(千葉・光英ヴェリタス中2年)=224
▽13―14歳の部女子(パー73)
【1位】ビンタチット(タイ)=215
【3位】後藤あい(兵庫・松蔭中3年)=216
【18位】清水心結(埼玉・東浦和中3年)=223
【19位】福田美来(兵庫・稲美中2年)=224
【23位】根田うの(北海道・大曲中3年)=226
【39位】藤野蒼來(鹿児島・郡山中2年)=233
▽11―12歳の部男子(パー72)
【1位】ディン(米国)=201
【21位】小澤優仁(東京・府中第二小6年)=216
【21位】織田瑛太(宮城・宮城教育大学附属中1年)=216
【44位】吉行ローリ(広島・高屋西小6年)=221
▽11―12歳の部女子(パー72)
【1位】タウィンサン(タイ)=201
【4位】重原純奈(千葉・大栄みらい学園1年)=207
【20位】山下萌寧(兵庫・甲子園学院中1年)=222
【29位】寺町美友海(愛知・豊山小6年)=226
▽9-10歳の部男子(パー72)
【1位】福井誠ノ介(愛知・兵庫小5年)=199
【3位】稲葉輝海(東京・青梅第三小5年)=212
【7位】高瀬莉空(香川・高松第一小5年)=215
【47位】吉松優馬(兵庫・塩屋北小3年)=234
▽9-10歳の部女子(パー72)
【1位】道上稀唯(兵庫・緑が丘東小5年)=208
【3位】本村彩歌(兵庫・小浜小5年)=211
【5位】金城あんな(神奈川・久末小5年)=214
【8位】高橋なつ希(東京・入新井第五小4年)=217
【14位】嶋田もみじ(福岡・碓井小5年)=221
【18位】安藤すみれ(岡山・横井小4年)=222
▽7-8歳の部男子(パー74)
【1位】近藤大河(神奈川・下小田中小3年)=213
【24位】根本将誠(千葉・加茂学園小3年)=235
【31位】山田光之助(沖縄・嘉芸小2年)=239
▽7-8歳の部女子(パー58)
【1位】トゥディア(米国)=167
【7位】村上聖奈(兵庫・逆瀬台小3年)=183
【9位】道端楓子(兵庫・稲野小3年)=186
▽6歳以下の部男子(パー65)=第2日アウトのみパー36
【1位】ゴー(英国)=164
【9位】大竹凜人(東京・フェニックスハウス・インターナショナルスクール1年)=177
▽6歳以下の部女子(パー65)=第2日アウトのみパー36
【1位】高森心花(茨城・息栖小1年)=172

(協会広報ライター・赤坂厚)

日本選手団

日本選手団

雑観

9-10歳の部男子

9-10歳の部男子 福井誠ノ介(愛知・兵庫小5年)

9-10歳の部男子 福井誠ノ介(愛知・兵庫小5年)

9-10歳の部男子 福井誠ノ介(愛知・兵庫小5年)

9-10歳の部男子 福井誠ノ介(愛知・兵庫小5年)

 9-10歳の部男子で福井誠ノ介(愛知・兵庫小5年)が3日間首位を守り、通算17アンダーで完全優勝を飾った。
 2位に6打差でスタートしたが、ダダ(チェコ)の追い上げにあい、7番でボギーにした時点で4打差に縮まった。「前半はまだ(優勝は)分からなかった」と振り返るように、楽に逃げ切らせてはくれなかった。ただ、福井は「見る限り、(相手が)どこかで崩しそうな感じがした」という。その読み通り、9番でダダがボギーにして5打差で折り返した。
 ともにパーを重ねた後の13番、福井は第2打を6番アイアンで2メートルにつけてバーディー。スタート時の6打差に戻したところで「いつも通りにやれば大丈夫」と、優勝が見えてきた。「自分の中で気持ちが落ち着いてきました」と、15、16番連続バーディーで突き放し、終わってみれば9打差をつけての圧勝だった。
 世界一になって、一番ほっとしたのが「2年シードがあるので、日本代表選抜大会の緊張がなくなること」と、毎年春に全国で1000人以上が挑む予選に出場しなくていいことを挙げた。来年は1つ上の11-12歳の部に上がるが、早くもそのカテゴリーに出場した小澤優仁にコースの様子を聞き「パターとかムズかったと言っていたので、パターを練習しておきたい」と意欲的だった。


9-10歳の部女子 13-14歳の部男子

9-10歳の部女子 道上稀唯(兵庫・緑が丘東小5年)

9-10歳の部女子 道上稀唯(兵庫・緑が丘東小5年)

9-10歳の部女子 道上稀唯(兵庫・緑が丘東小5年)

9-10歳の部女子 道上稀唯(兵庫・緑が丘東小5年)

13-14歳の部男子 道上嵩琉(兵庫・滝川第二中2年)

13-14歳の部男子 道上嵩琉(兵庫・滝川第二中2年)

 きょうだい(兄妹)で世界一と世界3位をつかんだ。9-10歳の部女子で道上稀唯(きい、兵庫・緑が丘東小5年)が通算8アンダーで優勝、13-14歳の部男子で兄・嵩琉(たける、兵庫・滝川第二中2年)がプレーオフに1打届かず通算9アンダーで3位となった。
 稀唯は首位でスタート。「1番からタイの選手(ピヤワラサック)が迫ってきて」という焦りもあって2番でボギーをたたくなど伸ばせず、15番でボギーとした時点で首位に並らばれた。16番でバンカーからのパーセーブしたのが大きく、続く17番でピヤワラサックがボギーとして1打リード。最終18番パー5では「(キャディーを務めた)お父さんは刻めと言ったけど、2オンを狙った。グリーン手前10センチまで行った」という。アプローチは寄らなかったが、ピヤワラサックがバーディパットを外し、パーに収めた稀唯が1打差で逃げ切っった。
 首位に6打差6位スタートの嵩琉は1番1メートル、2番2メートルのバーディーを決めてリズムに乗った。6番でも取って上位に進んだが、本人は「知らなかった」という。ショットが乱れ始め「パットで何とか粘れた」と優勝を意識するゴルフではなかったが、14番でバーディー奪って首位に1打差になっていた。「優勝争いとか分かっていなかった。上がって1打差と知りました」と振り返った。それでも「やり切ったので仕方ないかなと思います」と、納得していた。
 来年に向けて、2年シードの稀唯は「11-12歳に上がるけど、2連覇を目指したい。40~50ヤードをもっと寄せられるようにしたい」といい、1年シード獲得予定の嵩琉は「15-18歳に上がったらトーリーパインズでやれるのが楽しみです。大事なところでショットをピタッと付けられるようにしたい」と話していた。


7-8歳の部男子

7-8歳の部男子 近藤大河(神奈川・下小田中小3年)

7-8歳の部男子 近藤大河(神奈川・下小田中小3年)

7-8歳の部男子 近藤大河(神奈川・下小田中小3年)

7-8歳の部男子 近藤大河(神奈川・下小田中小3年)

 7-8歳の部男子で、近藤大河(神奈川・下小田中小3年)が通算9アンダーにスコアを伸ばして優勝を飾った。
 首位でスタートし、2番で1メートルにつけてバーディーと幸先のいいスタート。3番パー5では第2打でレイアップして残り60ヤードの第3打。ディボット跡に入っていた不運も、クリーンにボールを打って直接入れるイーグルで後続を突き放した。
 9番でバーディーを取って折り返したが、そこからなかなかバーディーパットが決まらない展開になり、15番でボギーにした。その間に追いかけてきたブレイニー(英国)が16番でバーディーを取って2打差になり「ちょっとやばいと思った」という。勝負を決めたのは17番。3メートルのバーディーパットを「ボギーを取り返す!」と気合を入れて打って沈め、逃げ切った。
 「うれしい。強い選手が2人いたけど、1位になれてうれしい」と笑顔を見せた。これで2年間のシード権を獲得した。「来年までにもっとアプローチを寄せられるようにしたい」と、意気込んでいた。


6歳以下の部女子

6歳以下の部女子 高森心花(こはな、茨城・息栖小1年)

6歳以下の部女子 高森心花(こはな、茨城・息栖小1年)

6歳以下の部女子 高森心花(こはな、茨城・息栖小1年)

6歳以下の部女子 高森心花(こはな、茨城・息栖小1年)

 6歳以下の部女子では、高森心花(こはな、茨城・息栖小1年)が2打差2位からの逆転で「世界一」に輝いた。
 優勝が決まった瞬間、本人は「優勝? 分かんない」ときょとんとした表情で「シード取りたかっただけだよ」と言った。2年間のシードを取ったことを知ると「2回出られるんでしょ。今度も優勝する」と笑顔を見せた。
 この日は1,3番でボギーにして、追いかける側としては最悪のスタートだった。それでも4番で1.5メートルを入れ、6番では「べたピンについた」と取り返す。8番パー5では第2打でグリーン奥に行ったが「アプローチがさえていた」とそこから寄せてバーディーとして、抜け出した。
 難しい後半は16番でダブルボギーにするなどスコアを落としたが、優勝を争ったキンシャ(タイ)もスコアを崩し、2オーバー67でこらえた高森が、最後は2打差で振り切った。「今日は疲れたよ」とため息も出た。
 両親ともサラリーマンで、普段は週5回ほど練習するのが精いっぱい。あきない程度に100球ほど打っているという。そんな中でも「(3日間)ドライバーがめきゃめちゃよかったから優勝できた」と、勝因を挙げていた。


15-18歳の部男子

15-18歳の部男子 武田紘汰(徳島・生光学園高1年)

15-18歳の部男子 武田紘汰(徳島・生光学園高1年)

15-18歳の部男子 武田紘汰(徳島・生光学園高1年)

15-18歳の部男子 武田紘汰(徳島・生光学園高1年)

 15-18歳の部男子で武田紘汰(徳島・生光学園高1年)が通算1アンダーの6位に入る健闘を見せた。
 「(本大志と)団体戦を組んだので、姪っわKをかけられないと思って、3日間ずっと集中と緊張をしていました。1打1打、今までで一番気を使った」と、プレッシャーから解放されて笑顔がのぞいた。
 「パッティングが日に日によくなって感じがつかめてきた」という最終日、2番で2メートルにつけてバーディーが先行した。5番でバンカーに入れて、第3打はグリーンオーバーしてボギーにしたが、6番で2メートルを入れてすぐに取り返した。「前半は大体ピンに向かって飛んでいく感じだった」という。後半は縦距離が合わなくなってチャンスを作れない展開だったが、14番で右バンカーの上に切られた難しいピン位置を9番アイアンで2メートルにつけてバーディーを奪った。
 「トップ10入りとトータルアンダーを目指していた。目標を達成できました」という。「やはり飛距離が必要なことが分かりました。20~30ヤード置いて行かれた。今より20ヤードぐらい伸ばして290ヤードぐらいにするために筋力をつけたい」と、今後への課題も見つけた。


15-18歳の部女子

15-18歳の部女子 成田瑛麻(米国・サンディエゴ州立大1年)

15-18歳の部女子 成田瑛麻(米国・サンディエゴ州立大1年)

15-18歳の部女子 成田瑛麻(米国・サンディエゴ州立大1年)

15-18歳の部女子 成田瑛麻(米国・サンディエゴ州立大1年)

 15-18歳の部女子で、成田瑛麻(米国・サンディエゴ州立大1年)が通算4アンダーで、優勝へ2打差の4位に食い込んだ。
「今日が一番よかった」というように4番で2.5メートルを入れ、2日間ボギーとして苦手だった9番パー5で残り60ヤードの第3打を80センチにつけてバーディーと優勝争いに加わった。11番でバンカーを渡り歩いてボギーにしたが、16番で「これを入れないと、と思った」という4メートルを入れて、再び優勝争いに。その時点で首位に1打差だったが、18番で「カップをまろって」と、カップに嫌われて伸ばせず。結局、2打差で大魚を逃した。
「思い通りにできて楽しかったです。優勝を狙えたんですけど(キーは)昨日(2日目)だったかなと思います」と振り返った。9月からサンディエゴ州立大に進学する。この日もコーチらが見に来ていて「チームの一員になってくれてうれしいと言われました」という。今回で世界ジュニアは最後。有終の美は?「飾れました」と笑顔をみせた。


13-14歳の部女子

13-14歳の部女子 後藤あい(兵庫・松蔭中3年)

13-14歳の部女子 後藤あい(兵庫・松蔭中3年)

13-14歳の部女子 後藤あい(兵庫・松蔭中3年)

13-14歳の部女子 後藤あい(兵庫・松蔭中3年)

 13-14歳の部女子で、後藤あい(兵庫・松蔭中3年)が通算イーブンパーでプレーオフに1打足りず、3位となった。
 「今日はパターが良くて、1ピンぐらいのがほとんど入った」と、苦戦していたグリーン上でうまくいった。7番で2段グリーンの上のピンに対して下の段に乗せてしまって3パットとボギーが先行した。それでも9番パー5で第2打をグリーンエッジまで運んでタップインのバーディー。折り返して、15番パー5では第1打をバンカーに入れて、前に木があったため出すだけだったが、残り130ヤードを2メートルにつけてピンチをバーディーにした。17番では2段グリーンの下段から10メートル弱のパットが入った。この時点で優勝争いをしていたが「全くわかっていなくて」という。18番をパーで上がって、首位と1打差でのホールアウトしたことを知った。
 プレーオフに残れなかったが「昨日がもったいなかった」といいながらも、納得はしていた。シード権を獲得予定で、来年に向け「パターをもう少し練習したい。飛距離もあと10ヤードぐらい伸ばしたい」と話していた。


11-12歳の部女子

11-12歳の部女子 重原純奈(千葉・大栄みらい学園1年)

11-12歳の部女子 重原純奈(千葉・大栄みらい学園1年)

11-12歳の部女子 重原純奈(千葉・大栄みらい学園1年)

11-12歳の部女子 重原純奈(千葉・大栄みらい学園1年)

 11-12歳の部女子で、重原純奈(千葉・大栄みらい学園1年)が4位に食い込んだ。
「最終組で一緒に回った選手2人に20~30ヤード置いていかれて、飛距離では勝負になりませんでした」と振り返った。3番で3パットのボギーにしたが、4番パー5では5番ウッドで2オンに成功、25メートルほどのパットが入りかけたバーディーで取り返した。7番ではピン上4メートルを入れてアンダーに。15番では「12メートルぐらいのが入った」と、優勝からは離されたが、スコアを伸ばして終わった。
 まずホッとしたのは「去年と比べて、3日間体力が持ってよかった」ということ。トレーニングはやらず、走ったり素振りをしたりして体力をつけてきた。この大会でもカートに乗らずに歩いてラウンドした。そんな成果が少しずつ結果に表れてきている。
「今回はショットが悪かった時のアプローチでのセーブができていたのがよかった。来年は13-14歳に上がって距離も長くなるので、もう少し飛距離を伸ばしたい」と、今後への課題を口にしていた。